コーナー保育とは?子どもがワクワクする環境を作り上げよう

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近年ではさまざまな保育法が取り入れられていますが、中でも昨今よく取り入れられているのが「コーナー保育」。子どもの集中力や主体性を培う効果があるとして、多くの保育園で導入されています。コーナー保育はどのようなものなのか、メリット・デメリットにはどういった点があるのかを知り、効果的なコーナー保育を目指したいですね。今回はコーナー保育について解説します。

コーナー保育とは一体なに?

コーナー保育とは、自由で自然な保育と統一的な保育の中間に位置する保育形式で、子どもの意思や個性を重要視する保育法です。

コーナー保育では、まず子どもたちが遊べるスペースを数カ所セットします。
各々違う遊びができるような環境をつくり、子ども自身で好きなスペースを選んで遊ぶよう声かけをします。

コーナー保育の最大の特徴は、子ども自身に選択権を与える、という点。
近年では、今までの統一的な保育方法よりも、このように子どもそれぞれの意思を大切にする自由で自然な保育が支持される傾向にあります。

そういった背景から、多くの園で導入を検討する活発化しているのです。

コーナー保育は今までの保育方法とは違った特徴があるため、導入を考えている場合は理解を深めることが大切になるでしょう。

コーナー保育には何歳から取り組める?

コーナー保育は3歳~5歳くらいの年齢から行われることが多いですが、実は1歳から実践可能です。

1歳児から始める場合は、おもちゃを取りやすく棚に入れるなどして工夫し、それぞれのスペースを分けないなどの工夫が必要になります。
おもちゃはいくつか置いておき、1歳児が並行遊びや一人遊びがしやすい環境を作り上げましょう。

 

全体を見渡せる開けた空間にするなどの安全面への配慮も、より徹底して行います。

また1歳児で実施する場合は、保育士が常に見守れるようにしましょう。

コーナー保育のねらい

コーナー保育のねらいは、子ども自身が遊びたい場所を選択しやりたい方法を見つけ、思い思いに自由な行動をとるというところにあります。

子ども自身が選択した事柄にチャレンジすることで、創造性・独創性・自主性を伸ばし、物事に集中して挑戦する力を育む目的があるのです。

また同じスペースで遊んでいる友達と道具の貸し借りなどして、思いやりの心を身に付けるねらいもあります。

コーナー保育の取り入れ方

普段の保育にコーナー保育を取り入れるときは、一方だけに重きを置くのではなく、それぞれの保育法をバランスよく組み込むのが理想です。

子どもたちの伸び伸びした感性が育まれるコーナー保育ですが、普段の保育にももちろんとても大切な意味があります。

一緒に歌を歌ったりゲームをして体を動かしたりすることも、統一的な保育法の魅力であり、集団行動の意義を学ぶ貴重な時間でもあります。

午前中はコーナー保育だけの時間にする、隔日で実施するなど、あらかじめ実施する日時を決めておくことで、混乱せずに無理なく両立できるでしょう。

コーナー保育のレイアウト

コーナー保育のレイアウトのコツは、子どもが自主性をもって遊びを選べるように考えることです。

できる限りたくさんの遊びをセットし、選べるような空間作りを目指していきましょう。

子どもの創造性を育む制作スペース

子どもの創造性・創作性を伸ばす制作スペースでは、画用紙や折り紙、厚紙などを使って、自由に制作できる環境を作ります。

モノ作りの楽しさや、想像の世界を表現できる可能性の広がりを子どもたちが感じられるように、さまざまな備品を準備しましょう。

道具の使い方が覚えられる点は制作スペースならではの効果ですが、ハサミなど危険な道具を使う場合は、保育士が目を離さないよう見守る点も忘れずに。

好きな本が読める絵本スペース

子どもたちが好きな本を読める絵本スペースは、棚と絵本があれば完成です。

動き回ることもないので、少々狭い空間でも成立します。

棚にはさまざまなジャンルの絵本を用意し、子どもたちのワクワクをぜひ引き出しましょう。

本は表紙が見えるように置いておくと、子どもたちの目に留まりやすくなり興味を示してもらえます。

達成感を味わえるブロックスペース

創造意欲を掻き立てる子どもたちの大好きなブロックスペースは、友だちと協力したり試行錯誤したりしながら、達成感を味わえるスペースとなります。

ブロックのほか、積み木なども置いておくと良いでしょう。

さまざまな年齢層に合った遊びが堪能できるスペースなので、子どもたちの人気を集めやすいことがポイント。

制作途中のブロックは片付けずにそのままでいいというルールを作って、途中から再び取り組めるように決めると、より制作意欲が沸き達成感も高まります。

他にもままごとスペースパズルスペースなど、子どもたちが楽しんで遊べるスペースをセットしてみましょう。

定期的にスペース内容を見直す

子どもたちの様子を見て、あまり興味を示さない、簡単そう、難しそうなど、改善した方が良さそうな点を発見したらどんどん変えていきましょう。

具体的には絵本を定期的に入れ替える、おもちゃを増やす、備品を用意する、制作内容の難易度を変えるなどの方法があります。

コーナー保育を成立させるためには、定期的な見直しが必要不可欠です。

コーナー保育のメリット

コーナー保育を取り入れことにより得られる効果は、大まかに言うと3点あります。

子ども自身で考えて行動するようになる

従来の統一的な保育では、保育士が遊びを決め、その決められた遊びを子どもたち全員で行います。
このように常に子どもたちが受け身の状態であるのが従来の保育。

一方コーナー保育では子どもが自ら、自分が遊びたいと思ったものを選択します。
従来の保育方法が受動的だとしたら、コーナー保育は能動的と言えます。

子ども自身が自分の思いと考えに基づいて実行に移すため、自らの意思に従って行動する力が培われることが期待できます。

物事に取り組む集中力が上がる

子どもが選んだ遊びは、もちろん子どもの好きなことです。

好きなことに取り組み夢中になることで、さらに集中力が上がると言われています。

遊びの種類別にスペースが仕切られているため、より集中しやすい環境になっていることもポイント。

子どもたちの集中力アップに繋がる環境をどんどん作っていきましょう。

コミュニケーション能力を培う

同じスペースにいる子ども同士でおもちゃを貸し借りしたり、相談したりして遊ぶことで、コミュニケーション能力が培われるという効果も。

またどんな風に遊んだらもっと楽しくなるか、などの考えにより創造性や独創性が伸ばされる点もコーナー保育の魅力です。

コミュニケーション能力をはじめ社会性を身に付けることは、人生においてとても大事なこと。
そんな能力を育めれば、上手に世の中を渡れる処世術が自然と身に付くことにもつながります。

コーナー保育のデメリット

良い面ばかりで悪い面が無いように見えるコーナー保育ですが、悪い点もあります。

自由過ぎるゆえに小学校で戸惑う可能性も

コーナー保育では自由に選択し子ども自身の意思が重要視されますが、就学すると今までOKだった行動に制限がかかります。

学校は決まった時間に登校して、座って、勉強しなければなりません。
このように園で伸び伸び動けた行動が禁止されることから、戸惑う子も出てきます。

とはいえそれも初めのうちだけで、徐々に慣れてくるでしょう。
コーナー保育を通じて環境の変化に対する対応力もしっかりと身に付いているはずです。

固定観念が植え付けられる可能性も

コーナー保育でできることに制限をかけすぎると、「このセットで遊べるのはこれだけ」「ここでは遊んではいけない」というような固定観念が生じてしまう可能性があります。

無意識に制限がかかってしまわないように、遊びの種類をできるだけ多くセットすると良いでしょう。

別々の遊びを混ぜても良しとする、仕切りを移動させてスペースを広めにとり発展した遊びをできるようにするなど、保育士は臨機応変に対応していきましょう。

まとめ

今回はコーナー保育とはなにか、特徴や取り入れる際のポイントについて説明しました。

成功させるには、子どもたちが興味を持つスペースを用意しておくことが大切です。

レイアウトや遊びの種類と内容を工夫して、興味を惹きつける環境を作ってみましょう。

これからさらに注目の的となるコーナー保育の理解を深めて、ぜひ保育現場で活かしてください。
 

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