冬の保育室の適温は?子どもの体を考えた快適な保育室づくり

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寒く乾燥しがちな冬の保育室。子どもたちは体温調節機能がまだ未熟のため、保育士がしっかり観察して室温・湿度を調整してあげる必要があります。今回は、冬の保育室の適温や子どもの体のこと、暖房器具を使うポイントについて解説します。

冬の保育室の適温って?

厚生労働省によると、冬の保育室の適温は20~23度といわれています。

さらに湿度を約60%に保持し、定期的な換気を行うことも勧められています。
また外気との温度差は5度以内に調節することがベストです。

子どもは大人に比べ体温調整機能が未熟のため、保育士が子どもの様子を観察しながら、快適に過ごせるように調整する必要があります。

保育室に温度計や湿度計を設置し、常にチェックするようにしましょう。

出典:厚生労働省|保育所における感染症対策ガイドライン

知っておこう!子どもの体のこと

保育室を子どもたちが快適に過ごせる環境にするには、子どもの体について知識を得ておく必要があります。

大人とは異なる、子どもたちの体の特徴について知っておきましょう。

子どもの体温

大人に比べ、子どもの平均体温は少し高い傾向にあります。

生後1ヶ月くらいまでは3~4歳児の平均体温と比べ0.3~0.5度ほど高くなり、生後3~4ヶ月以降になると徐々に落ち着きます。

また子ども(特に乳児)の体温は周囲の環境に左右されやすく、大人に比べ熱が外に逃げやすいという特徴も。

そのため、保育士がよく観察し適切な室温調整を行ってあげる必要があるのです。

子どもの体温調整

子どもの体温調節機能は、2歳半くらいまで成長段階にあります。

成長段階の子どもの体温調節機能は未熟で、外気温・室温・湿度・厚着・水分不足などの影響を簡単に受けてしまいます

自分の意思で衣類を調整することもできないため、発汗や冷えなどの状態から保育士が判断し、調整してあげることが大切です。

子どもの必要とする水分量

子どもが一日に必要とする水分量は以下の通りです。

  • 乳児:150ml/kg/日
  • 幼児:100ml/kg/日

※食事に含まれる水分も含まれます。

このため8kgの乳児の場合1200ml、15kgの幼児の場合1500mlが必要になります。

一方で成人が一日に必要とする水分量は50ml/kg/日と、なんと子どもの半分以下。
それだけ、子どもは一日の水分量が大量に必要なのです。

暖かい室内で動いたり厚着することで発汗すると、すぐに脱水症状を起こしてしまうため、寒い冬でも定期的な水分補給が欠かせません。

冬の保育室を快適に過ごすには

体温調節機能が未熟な子どもが保育室で快適に過ごすためには、どのような工夫ができるでしょうか。

暖房器具を使用する

保育室が寒い日は、暖房器具を使用して部屋を暖かくしましょう。

おすすめの暖房器具はエアコンや床暖房のような、子どもが直接機器に触れるリスクのないもの

石油ストーブやファンヒーターなどを使う場合は、子どものやけど防止柵やこまめな換気を行うことがポイントです。

なお石油ストーブはやけどや酸欠のリスクがあるため、お昼寝中に付けっぱなしにしておくことは控えましょう

暖かい寝具を使用する

冬のお昼寝は、体が冷えないように暖かい寝具を使いましょう

掛け布団だけでは足りない場合ブランケットを掛けてあげるなど、必要な寝具で体が冷えるのを防いであげます。

なお厚い布団を掛けている子どもに発汗などの様子が見られる場合は、少し薄めの布団に変えてあげるなどで調節しましょう。



加湿する

先述の通り、保育室の湿度は約60%程度に保つことが推奨されています。

加湿することによるメリットには、以下の点が挙げられます。

湿度が上がることにより体感温度も上がる

肌の乾燥を防止する

鼻やのどなど粘膜の乾燥を防止する

ウイルスを不活性化させる

冬に園内で流行しやすいインフルエンザウイルスは、湿度約50%で感染力が急激に低下するといわているほど。

湿度を上げることで子どもたちが快適に感じるだけでなく、安全に過ごしやすくなるのです。

保育室で暖房を使うときの注意点

保育室を暖める手段として最も有効な暖房ですが、使用する際はいくつかの注意点があります。

定期的に清掃する

暖房器具の汚れが溜まると、カビや細菌の温床となってしまいます。

エアコンのフィルターや送風口など、暖房器具は定期的に掃除するようにしましょう。

また、掃除することで子どもたちのアレルギーを予防したり改善させるという効果もあります。

定期的に換気する

暖房を使用しているあいだは空気が密閉するため、1~2時間ほどに1度のペースで換気し、外の空気を取り込むようにしましょう。

なお石油ストーブの場合は、1時間に1度必ず換気する必要があります。

換気することで暖めすぎを防止するという効果も。

同時に加湿する

暖房の使用中は空気が乾燥し湿度が下がりがちのため、同時に加湿器を使用するようにしましょう。

空気が乾燥すると、子どもたちの体や粘膜が乾燥するだけでなく、ウイルスが活性化しやすくなるというリスクも。

濡れた洗濯物を室内に干して湿度を上げるという方法もあります。

なお加湿器は毎日水を入れ替え、清潔な状態を保ちましょう

子どもの様子をよく観察する

暖房の効きすぎで暑そうにしていないか、あるいは寒そうにしていないか、よく観察するようにしましょう。

汗をかいていないか、顔色や唇が青ざめていないかなどで判断することができます。

空気の乾燥で喉が渇くため、適度な水分補給を促すことも重要です。

まとめ

冬の保育室は室温を20~23度、湿度を約60%に保つことが推奨されています。

子どもたちの体は体温調節機能が未熟のため、保育士がよく観察して体温調節してあげることが大切です。

暖房器具や加湿器を用いて、保育室を快適な環境にしましょう。

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