お役立ち情報
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音楽を重視した教育法や、立体のおもちゃを用いた知性の開発を促す教育法など、世の中にはさまざまな教育の手法が存在しています。今回はその中でも、インクルーシブ保育について紹介します。インクルーシブ保育とは障害の有無にかかわらず、お互いの個性を尊重しながら同じ空間で学び合う教育法です。概要や子ども・保育士にとってのメリット・デメリットを分かりやすくまとめました。
■目次
インクルーシブ保育とは、子どもの年齢や国籍、障害の有無にかかわらず、全ての子どもたちを同じ空間に受け入れ一緒に成長することを目指す保育のこと。
インクルーシブ(inclusive)という単語には「包括的な」「すべてを含んだ」という意味がある通り、全ての子どもたちが同じ場所でお互いを尊重し、多様性を認め合う幼児保育を行います。
日本ではあまり耳にすることがないインクルーシブ保育ですが、近年では少しずつ普及が進んでいます。
この教育法では障害のある子どもと、そうでない子どもが同じ空間で教育を受けることが特徴です。
これまで障害を持つ子どもの教育に関しては、障害の有無で教育を行う場所を分ける方法が一般的でした。
そうした中、2013年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が成立。
これにより障害を持つ子どもを特別に扱うのではなく、多様性を受け入れる価値観が普及されました。
こういった背景から、全ての子どもたちを同じ空間で受け入れるインクルーシブ保育が推進されるようになったのです。
全ての子どもたちが同じ空間で過ごすインクルーシブ保育では、お互いを尊重し合いながら支え合う力を養うことを目指します。
子ども達一人ひとりがそのような力を養うことで、「障害があるから」という理由で差別や贔屓をしない社会を形成することが目標です。
障害を持つ子どもに対しては、社会で生きていく自信を育めるように、障害が無い子どもに対してはお互いを尊重し合う心を育ませることが何よりも大切。
このためには、同じ空間にいながらも個々が必要とする適切な支援を必ず行うことが重要です。
例えば障害を持つ子どもとそうでない子どもが一緒にいる保育現場で、両者に同じような教育を行った場合、どうしても学習のレベルに差が出てしまいます。
そのため、保育士が子どもたちの状況を考慮し細やかにサポートを行うことが大切です。
子どもがインクルーシブ保育の環境で成長することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
インクルーシブ保育では、お互いの多様性を尊重することを目指しています。
子どもたちは自分よりも進んだ年長の子どもや、まだ学びをスタートした直後の子どもなど多様な存在を通じて、多様な価値観に触れることになります。
また障害の有無でお互いを分けるのではなく、多様性を尊重し合うことの大切さも学びます。
そのため、幼少時から多様性を尊重する価値観が磨かれることでしょう。
子どもたちはさまざまなバックグランドを持つ仲間との生活を通じて、お互いに助け合う精神を身に着けることができます。
困っている友達がいるときは、手を差し伸べて一緒に取り組むことの大切さを理解するでしょう。
また年齢もバックグラウンドも異なる子どもたちの生活の中では、さまざまな問題が発生することもあります。
そうした際に、保育士の先生のサポートを受けながら、どのようにして問題を解決していくか考える力を磨きつつ対応の行い方も学べるでしょう。
メリットがある一方で、以下のようなデメリットもあるということをしっかり把握しましょう。
日本では一般的に、障害を持つ子どもと障害のない子どもをそれぞれ別々の場所で教育することが多いです。
一方でインクルーシブ保育では、お互いを同じ場所で保育します。
多様な価値観を育むことができる環境ですが、適切な教育が行われなければ、お互いの違いをかえって意識してしまう可能性も否定できません。
そのため障害のある子どもがかえって周りと自分を比較してしまい、マイナスの感情を抱いてしまうことも。
そうしたときは保育士が適切なサポートを行うことが必要です。
保育士の細やかなサポートで違いを意識するのではなく、お互いを尊重する考え方を持つことができるようになれば、子どもも自信を育むことができます。
お互いの違いを理解し、協調していこうとする価値観はとても素晴らしいものです。
しかしこうした価値観は、大人でもなかなか難しいもの。
同じように、まだ価値観が固定していない小さな子どもであっても、中には多様な価値観を尊重する環境に馴染めない場合があるかもしれません。
子ども達の中には不安に感じたり、イライラを感じたりする子がいる可能性もあります。
そのため保育士が子どもたちの感情の変化に細やかに気を配り、寄り添う姿勢が大切です。
保育士がインクルーシブ保育を実施する際のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
インクルーシブ保育の現場では、障害を持つ子どもへの支援の行い方や多様な価値観を認め合う教育法を中心に実践できることから、専門性を磨くことができます。
特に障害を持つ子どもへの保育の知識は、自己流ではなく専門的な勉強を行うことが必要です。
教育法は常に進化しています。
そのため一度勉強したら終わりではなく、継続した勉強を行う努力が必要になるでしょう。
インクルーシブ保育では、子どもに対しどのような教育を行っていきたいか、保育士・保護者・子どもの3つの視点から検討することがポイント。
そのため、適切な教育を行うにあたり保護者への対応力が身に着きます。
また保護者にとって、専門的な知見を有する保育士の存在は頼もしいもの。
子どもの教育について悩む保護者も多いため、ちょっとした相談でも適切なアドバイスを返してくれる保育士であれば、保護者も安心して子どもを預けることができます。
保育士が感じるインクルーシブ保育の難しさには、以下の点が挙げられます。
インクルーシブ保育を行うには、幅広い専門性が必要です。
他の教育法とも特徴を比較検討しながら、なぜインクルーシブ保育を行うことが適切であるのかを理解した上で実施することが大切。
また障害についての知識、障害を持つ子どもへの適切な支援方法など、保育の分野以外での知識も求められます。
インクルーシブ保育を実施する保育士として、常に学びの姿勢でいることが何よりも大切でしょう。
障害の有無にかかわらず、多様な価値観を認め合うインクルーシブ保育。
海外ではヨーロッパを中心にさまざまな国で普及されていますが、日本では導入されたばかりであり、取り入れている保育園がまだ少ない状況です。
取り入れている保育園が少ないということは、何か問題が発生した際に参考になるようなケースが少ないということでもあります。
国内のモデルケースが少ない中で取り組みを行っている段階のため、自らがモデルケースを作るような思いで取り組んでいくマインドも必要になるでしょう。
日本でも少しずつ認知されつつあるインクルーシブ保育。
障害の有無にかかわらず同じ空間で学び合うことで、お互いの違いを尊重し、多様な価値観を認め合う心を育もことが可能になります。
一方で子ども達が多様な価値観を育むには、保育士が適切な教育を行うことが非常に重要になります。
インクルーシブ保育について学び、実践してみたいという保育士さんは、導入している園への転職でぜひ取り組んでみましょう。
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