【乳児クラス保育】後追いする子どもへの対応と注意点

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ハイハイができるようになってきた乳児によく見られる後追い。可愛らしい姿を見てつい構ってあげたくなりますが、保育士は複数の子どもを同時に保育するため、1人の子どもにばかり構っていられませんよね。乳児が後追いをするときの対処法や注意点を、プロとしてしっかり身に付けておきましょう。

後追いはなぜ起きる?いつまで続く?

後追いとは、ハイハイができるようになった赤ちゃんが大人の後を追いかける行動のことです。

後追いの対象は「ママ」のケースが圧倒的に多く、自分にとって安心できる存在の大人の姿が見えなくなると、不安になるため起こります。
保育園では、最も一緒にいる時間が長い「担任保育士」が後追いの対象となることが多いようです。

後追いは「離れるのが不安」という赤ちゃんの心理が関係しています。
新生児の頃はまだ視力が弱く、身近な人と知らない人を区別する能力があまりありません。

成長とともに「記憶力」や「認知力」が発達し、自分にとって特別な存在とそれ以外の存在を認識できるようになります。

後追いの時期は、ハイハイやつたい歩きができるようになる生後8〜9カ月頃に始まります
早い場合生後6カ月頃から後追いが始まる場合もあり、ハイハイが本格化する9〜11カ月頃にピークを迎えます
一般的には記憶力が発達する1〜2歳頃に落ち着くといわれています。

記憶力が発達することにより、ママや保育士は必ず戻ってくることを覚え、徐々に離れていても大丈夫になってくるのです。

ほかにも、言葉を理解できるようになったり、環境の変化に対応ができるようになると、後追いは自然に見られなくなります。

後追いへの対処法

後追いが盛んな時期の乳児は、まだ言葉を話すことができないため「泣くこと」で感情を表現します

保育士を安心できる存在として認識できるようになったため、離れると泣くのです。

しかし急に泣かれると気持ちが焦ってしまったり、クラス全体が泣いてしまって自分もパニックに…なんて経験はありませんか?

ここでは、後追いをする乳児に対する保育士の対応を紹介します。

声をかけてから離れる

一番良いのは、常に子どもの見える範囲にいることです。

しかしトイレに行ったり配膳などで動いたり、他児に対応したりと、常にそばにいるのは難しいですよね。

一旦そばを離れなくてはならないときは「少し待っててね」など、子どもに声をかけてから離れるようにしましょう。

「声をかけてから離れる」を繰り返すことで、少しの間待っていれば自分のところに戻ってくれると覚えます

子どもは生後8ヶ月くらいから少しずつ理解できる言葉が増えてくるといわれています。

いつも同じ言葉・簡単な言葉で声をかけることにより、徐々に理解できるようになって落ち着いてくでしょう。

さまざまなことに意識を向かせる

後追いが盛んな時期の子どもが担任保育士のみに固執しないためには、こちらも子どもに固執しすぎないことが大切です。

  • 保育士は自分じゃなきゃダメ
  • 他の保育士では泣いてしまう
  • 自分がそばにいないとダメ

なんて、後追いする子どもに肩入れしすぎていませんか?

保育士は早番や遅番もあり、チームワークで動いています。
担任保育士が構いすぎることで余計に後追いしてしまい、他の保育士の負担を増やすことにもなりかねません

保護者がお迎えに来たとき「いつも遅番の先生に抱かれて大泣きしてる」なんて思われると、園への不信感にも繋がります。

担任保育士だけではなく、色々なおもちゃを使い興味の範囲を広げたり、意識を別のことに向かせることも大切です。
乳児は音の鳴るものやキラキラ光るものに興味を示します。

また一緒にいるときは、子どもが好きな歌を歌いながら接することも効果的です。
子どもの好きなおもちゃや歌を保育士間で共有することにより、子ども自身も安心して楽しく過ごすことができます。

後追いが激しいときはたくさんスキンシップを

後追いが激しい時期に、無理に離れて「慣れさせる」というのはあまりおすすめできません。

安心感が欲しい子どもに対しては、なるべく一緒にいることで安心感を与え、十分に満足させるというのも一つの手です。

ずっと抱っこやおんぶをするのは大変ですが、たくさんスキンシップを取ることで気持ちが伝わります。

遊びの中でもスキンシップを図れる遊びを取り入れると安心感や満足感が得られます。

後追いが激しい時期は、スキンシップの時間を少しでも多く作れるようにしましょう。

後追いをする乳児を保育する際の注意点

事故や怪我に十分注意する

後追いが盛んな乳児は、前述した通りまだハイハイやつたい歩きしかできない場合がほとんどです。

後追いをするときは「不安になっているとき」なため、目の前の障害物すら気にせず追いかけてくることも。
つたい歩きの場合は、掴まるものがなくなっても必死で追いかけようとして転倒してしまうこともあります。

乳児の視界から離れるときは、急にいなくなるのではなく、優しく声をかけたのちゆっくりと距離を取っていきましょう

声をかけながら離れたり、お気に入りの音の鳴るおもちゃや光るおもちゃで気を引いてから離れるのもおすすめです。

また保育室内に事故に繋がる危険なものを置かないよう配慮も必要。
積み木やブロックなど小さなおもちゃでも、踏んでしまうと怪我に繋がります。

使っていないおもちゃは常に片付けるようにしましょう。

子どもの気持ちを理解することも必要

「まだ赤ちゃんだから」と後追いを簡単に考えて適当にあしらってしまうと、子どもは不安が強くなり後追いがさらに加速することも。

子どもは安心感がほしいだけでまだ何も分からないため、強く叱ったりすることは避けましょう

無言で突き放したりせずに、子どもの気持ちを理解し、コミュニケーションやスキンシップを十分取っていきましょう

後追い=自分だけ好かれていると捉えない

後追いは記憶力や認知力、視力の発達により起こる成長の過程の一つです。

自分だけ追いかけてくれることを、他の保育士や保護者へ「自分だけ好かれている」かのように話すことは控えましょう

帰宅後は疲れて早く眠ってしまう乳児の保護者が、「私にはあまり甘えず寝てしまう」「自分の愛情が足りないのでは?」と不安を抱きかねません。

また、つい他の保育士の前で 「やっぱり私じゃないとダメね」「私が帰るのがそんなに悲しい?」なんて言っていませんか?
後追いを正しく認識し「ママのお顔を見ると安心するようです」「◯◯先生と遊んでるときも楽しそうです」など、周囲に対する配慮を見せることも保育のプロとして求められるでしょう。

まとめ

少し離れただけでも泣き叫んで追いかけてくる後追い。

ハイハイで一生懸命追いかけてくる姿に可愛らしさを感じる保育士も多い一方、注意点も存在します。

後追いの時期を安全に、かつ、安心して過ごせるように環境を整えていきましょう。

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