保育士を悩ませるモンスターペアレント!特徴や対応を知ろう

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近年、増加傾向にあるといわれているモンスターペアレントの存在。実際、保育士の50%以上がモンスターペアレントに悩まされているといわれています。しかし子どもがよりよく育っていくためには、保護者と保育士の連携は欠かせません。モンスターペアレントの性格的な特徴や対応を知っておくことで、自分の身を守ることも必要です。

モンスターペアレントの定義

ちょっと苦手な保護者がいると「モンスターペアレントなんじゃない?」なんて思ってしまいがちですが、実はきちんとした定義があります。

モンスターペアレントの定義は、学校などに対して自己中心的かつ理不尽とされる要求をする親を意味するとされています。

元小学校教諭の向山洋一氏が命名した造語です。

モンスターペアレントは近年ますます増えておりメディアでも取り上げられるなど、大きな社会現象にもなっています。

出典:「教室ツーウェイ」(2007年8月号、明治図書)より

モンスターペアレントの性格的特徴とクレームの事例

モンスターペアレントは、具体的にどのような性格的特徴があるのでしょうか。

自己中心的である

性格が自己中心的である場合、他児より我が子を優先すべき!という強い思いがあります。

集団生活の場である保育園でも自分の都合や自分の子どもを中心に考えてしまうのです。

事例としては、

  • 家庭の都合で園行事の日程を変更してほしい
  • 発表会や写真撮影では我が子を真ん中にしてほしい
  • クラス替えは◯◯さんと違うクラスにしてほしい

などが挙げられます。

保育士に依存的である

本来ならば家庭内ですべきことを、「保育士がやってほしい」と要求してくるケースもあります。

性格的に面倒くさがりであったり、他者に依存的で子育てに熱心でない保護者に見られる傾向でもあります。

事例としては、

  • 朝、登園時間に間に合わないから自宅まで子どもを迎えに来てほしい
  • 保育園で朝食と夕食も食べさせてほしい
  • 保育園で汚した洋服やタオルは保育園で洗ってほしい

などが挙げられます。

ルールに従わない

保育園は集団生活の場であり、園ごとにルールがあります。

ルールを無視する保護者の特徴としては、社会性やモラルに欠け、規則やルールを重んじない傾向があります。

事例としては、

  • 朝、子どもが保育園でぐずったせいで会社に遅刻した。給与を賠償してほしい
  • 仕事中に子どもの発熱くらいで連絡をしてこないでほしい。お金を払って預けているのだから保育士が看るべき
  • こちらが頼んだわけではないのに子どもの給食代がかかるのはおかしい

などが挙げられます。

なぜモンスターペアレントが増加しているの?

なぜモンスターペアレントは増加しているのでしょうか。

背景や原因を知っておくことも、適切な対応に繋がるため参考にしてください。

ここでは、モンスターペアレントが増えてきている「社会的背景」について3つ挙げていきます。

保護者の孤立

近年は核家族が増加し、子育ての悩みを話したり、手助けになる人が身近にいないという傾向にあります。

周囲とのコミュニケーションが希薄になり、1人で子育てを頑張るしかない環境にいることで、保護者は孤立し子育てに苛立ちやすくなります

インターネットの普及

現在はインターネットが普及し、保護者はSNSなどからさまざまな方法で情報を得ることができるようになりました。

中には、一部の誤った情報を鵜呑みにして周囲のアドバイスを聞かなかったり、ネットの情報に左右されて自己判断ができない保護者もいます。

保育士の人手不足や業務の増加

近年さまざまな方針を打ち出した新しい形の保育園も増え、保育業務は多様化してきています。

保育園の数は増えているものの、そこで働く保育士の人手は慢性的に足りていないのが現状です。

人手不足のうえ業務が増えることで、きめ細かい対応が追いつかず、保護者が不満を抱くケースもあるようです。

モンスターペアレントの対処法

実際にモンスターペアレントに遭遇した場合、どのような対処をすべきなのでしょうか?

ここでは具体的な対処法をご紹介します。

反論せずにまずは話を聞く

まずは保護者の訴えをしっかりと聞くことが大切です。

ただ「はいはい」と聞くのではなく、保護者の思いを受け止めながら話を聞きましょう

もし、保護者が事実と異なることを言ったり誤解があったとしても、すぐ反論するのは得策ではありません

感情が高ぶっている相手に真っ向から反論をしてしまうと、火に油を注ぎ、余計に逆上させてしまうからです。

まず相手の話を落ち着いた態度で全て傾聴的に聞きましょう。
聞く耳を持つだけでも相手を落ち着かせる効果があります。

 

複数の保育士で対応する

保護者のクレームに対応する際には、複数の保育士で対応するようにしましょう。

保護者が攻撃的な姿勢を見せてきた時、複数の保育士がいることで、園としてより冷静かつ適切な対応ができます。

また、話の内容の聞き間違いや「言った言ってない」などの記憶違いなど、事後のトラブルを防ぐこともできます

話の内容を記録する

保護者との話し合いの際には、記録を残しておくことがおすすめです。
話の内容・日時や場所・同席者などについて記録します。

話がこじれてしまい、自治体に報告されてしまった場合など、証拠として使用することもできます。

筆記での記録が難しい場合、ボイスレコーダーなどの録音機器を使用することも有効的です。
ただし注意点として、事前に記録や録音をすることを話しておくことが大切です。

途中で録音していることに気づき、逆上する保護者もいるためです。

「今後の対応を検討するにあたり、大切な資料となるため、」など、了承を得ておきましょう。

また、音声が記録されていることにより、高ぶっている気持ちが落ち着くという効果もあります

対応可能ことと不可能なことを明確化しておく

保護者と話し合いをするにあたり、「対応可能」「対応不可能」なことをはっきり明確化しておくことが重要です。

クラス担任の一存で返答できない点は、その場での曖昧な回答は避けましょう。

保育園はすべての子どもに公平に接する場です。
早く話を落ち着かせたいからと、理不尽な要求を容認してしまうと、園全体の規律が乱れてしまいます

要求をのんでしまうことにより、他児の保護者が「なぜあのご家庭だけ?」と混乱することも覚えておきましょう。

謝罪の対象を具体的に示す

保護者からのご意見の中には、保育園側に非があり、謝罪や改善が必要な場合もたくさんあります。

保育園側に非がある場合は、ご迷惑をおかけしたことを誠意をもって謝罪する必要があります。

しかしモンスターペアレントの中には「保育士はなんでも謝ってくれる」と勘違いをし、はけ口とする保護者もいます。

「◯◯の件に関して申し訳ございませんでした」と毎回謝罪の対象を具体的に示すことが効果的です。

モンスターペアレントを増やさないためにできること

モンスターペアレントを増やさないために、日頃から保育園側でも努力できることを行いましょう。

信頼してもらえる保育園を目指す

保護者は自分の子どもに関わることには常に敏感です。

子どもに対する公平な保育はもちろん、子どもの人権を尊重する姿勢など、保育士としての基本を常に意識しましょう。

オープンで風通しのよい保育園であることも、保護者から信頼されるためには大切なことです。

家庭ごとの育て方を尊重する

保育園にはさまざまな家庭環境の子どもがいます。

家庭ごとに育て方や方針が違うのは当たり前。

「保育園のやり方がすべて正しい」「子どもの課題は家庭のしつけの問題」という考えを持っていると、保護者との良い関係が築きにくくなります。

それぞれの家庭環境や考え方を尊重することが重要です。

円滑なコミュニケーションをはかる

日々円滑なコミュニケーションを取ることは、不満や不信感を募らせることを防止する効果もあります。

日々の声かけ、笑顔や挨拶、丁寧な関わりがあることで、保護者との信頼関係を保つことができるでしょう。

相談しやすい、話しやすい保育士を目指したいですね。

思いを発信しにくい環境では、不満や不信感がつのりやすいものです。

忙しい時間帯でも、なるべく保育士側から笑顔で声をかけ、温かい関係を築いておくとよいでしょう。

まとめ

多くの保育士を悩ませるモンスターペアレントの問題。

モンスターペアレントから受けるストレスが原因で離職してしまう保育士もいるほどです。

1人で抱え込まず、正しい対応を身につけておくことは、保育士を続けるために必要な知識でもあります。
 

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