お役立ち情報
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保育士業務に慣れてくると、言ってはいけないNGワードが口をついて出てしまうこともあると思います。言ってしまった言葉で子どもを傷つけたり、保護者に不快な思いをさせてしまったりするかもしれません。また、トラブルになる可能性もあります。今回は保育士が言ってはいけないNGワードを、子どもと保護者別にご紹介します。あわせて言ってはいけない理由と、良い声掛けに変える方法をまとめました。
保育士が子どもに言ってはいけないNGワードには、命令・脅し・否定・比較の4つがあります。
これらの言葉をかけられた子どもは、自信を無くし自己肯定感が低下してしまいます。
保育士も人間ですから、多少の言い間違いは仕方ありませんが、子どもの心に深い傷を残すような言葉はどんなことがあっても避けましょう。
つい言ってしまうNGワードの何がいけないのか、言わないためにどのような対処をすればいいのか、見ていきましょう。
「早く食べ(着替え)なさい」「我慢しなさい」「泣き止みなさい」など、〜しなさいと命令する言葉は子どもの自主性を阻み、委縮させます。
命令されることに慣れた子どもは、とりあえず言うことを聞いていればいい、と自分の考えで行動できない子になる恐れもあります。
まず、子どものやる気をなくさないような言葉がけに変えましょう。
「どっちが早くできるかな」「時計の短い針が2になるまでに終わらせようね」など子どもが楽しく競争できるようにしたり、見て分かるように具体的な指示をしたりと伝わりやすい声掛けが効果的です。
また「我慢しなさい」「泣き止みなさい」と言いたくなってしまったときは、すぐに対処できなくても「大丈夫?」「そうなんだね」と子どもの気持ちを一旦受け止める言葉をかけてあげましょう。
受け入れられたワンクッションの言葉があるだけで、子どもは案外落ち着いたりします。
やぶからぼうに否定するのではなく、共感する言葉を心がけるといいでしょう。
「~しないと~してあげない」など、子どもをコントロールする脅し言葉をかけると、同じように真似して友達や自分より弱い子に言うようになってしまいます。
「○○ちゃんはこうしたかったんだね」と子どもの行動を認める言葉をかけてみましょう。
子どもの承認欲求を満たしてあげると、子どもの気分が変わり行動も変わってきます。
また、「~ができたら~しよう」と前向きな言葉に言い換えるのも効果的です。
「全然〜できないね」「~しちゃダメだよ」「~するような子は好きじゃないな」などは、全て否定言葉に入ります。
保育士にしてみれば何気なく言った言葉かもしれませんが、言われた子どもは自分自身を全否定されたと思うほどショックの大きい言葉です。
何がいけなかったのかという部分よりも、「違う」「ダメ」「嫌い」「好きじゃない」といった否定言葉だけが記憶に残ってしまうからです。
「好きではない」と否定するのではなく、「〜されて悲しいな」と保育士や友だちの気持ちを表す言葉を選び伝えましょう。
そうすることで子どもは相手の立場になって物事を考える力を育むことができます。
また危険な行為をした子どもには、子どもと同じ目線の高さになり、きちんと目を見て「~はいけないことだよ」と伝えます。
「大きな声を出してはダメ」と否定するのではなく「静かな声で話そう」と肯定言葉で伝えるのもいいですね。
これは子どもの自尊心を傷つけない注意の仕方です。
「○○ちゃん以外のみんなはできているよ」「○○くんは背が小さい」など、比較する言葉は自己否定を植え付けてしまうのでやめましょう。
特に身体に関して比較するような言葉は絶対に言ってはいけません。
また、特定の子どもにだけあだ名で呼ぶのも避けたほうがいいでしょう。
子どもは保育士が思っている以上に敏感で、特別扱いしている子とそうでない子を敏感に感じ取るものです。
子どもには同じように接する意識を持つようにしましょう。
できていない子どもではなく、できている子どもにフォーカスして声掛けをします。
「○○ちゃんは〜できてカッコいいね」など見本になる子を褒めると、自分も褒められたい一心で頑張るかもしれません。
体に自信がないような子どもには「人と違っていい」「先生は素敵だと思うな」と子どもを認める言葉をかけてあげてください。
自信を取り戻し、保育士との信頼関係を築くきっかけにもなります。
保護者とのやり取りは気を付けないと、今後の付き合いに大きく関係してくるので十分注意が必要です。
ここでは保護者に対するNGワードと、どのような対処をしたらいいのかご紹介します。
「できません」「でも、だって、しかし」「そんなはずはない」「違います」など保護者を全否定するような言葉は避けましょう。
違うと分かっていても、保護者の意見を聞き「そうなのですね」と共感する姿勢を見せると印象が良くなります。
まずは、保護者の言い分を遮らずに全て聞くことが大切です。
保護者がそう思った要因があるはずなので、保護者側の立場になり言い分を理解するよう努めます。
そしてその場ですぐに返事ができないことなら「一旦確認させていただき後日改めてお返事します」と持ち帰り、園長などに指示を仰ぐといいですね。
もし明らかに違った場合ですぐに返事ができるときは、保護者の意見を聞き共感したうえで「実は」と切り出してみましょう。
また、できないことも「できません」とバッサリ言い放つのではなく、何が理由でできないのかということを伝えましょう。
最後に「申し訳ございません」と丁寧に謝ることも忘れずに。
受け入れ・共感・理由・謝罪で保護者とのトラブルを回避しましょう。
「いつもお迎えが遅いですね」「○○くんは足が短い」「普通は(絶対)こうですよ」「愛情不足」「子どもが可哀そう」などは全てNGワードです。
保護者なりに頑張っているのに追い込むような言葉をかけられると、不快に感じ自信も失ってしまうでしょう。
断言する言葉はプレッシャーを与えることになり、クレーム対応時には逆効果です。
保護者が心配になるような言葉を無意識に使っていないか、いま一度振り返ってみましょう。
保護者の頑張りを認めつつ、柔らかい声掛けを意識してください。
もし自分が言われたら…と相手の立場になって考えると、自ずと配慮された言葉が出てくるはずです。
否定言葉を言われて素直に聞ける人はいません。
子どもの気になるところがある場合は、子どもの様子を伝えてから「このようにするといい」などアドバイスを送ってみてはいかがでしょうか。
その際も共感の心と言葉も忘れず、相手の気持ちを柔らかくする肯定的な言葉を心掛けましょう。
結果的に保護者と保育士の関係が良くなり、トラブルが起きにくくなりますよ。
保育士が言ってはいけないNGワードを子どもと保護者別に紹介しました。
どちらにも共通しているのは、
・肯定的な言葉を使う
・相手の立場に立つ
・共感する
・話を最後まで聞く
ということです。
相手に寄り添った気持ちがあれば、ちゃんと伝わります。
言葉は普段の心がけから出るものです。
常に相手を思いやる気持ちを意識して、保育に携わっていけるといいですね。
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