【保護者対応トラブル】原因別・事例別で見る保育士の対処法

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保育士は子どもに対する日々の保育業務や事務作業だけでなく、保護者の方々の対応も行います。

しかし保護者と保育士間の誤解などが原因で、まれにトラブルになってしまうことも。

保護者との信頼関係を築くことはより良い保育のために大切なことのため、トラブルには冷静に確実に対応しなければなりません。

今回は、保護者対応トラブルが起こってしまったときの原因や対処法などについて解説します。

保護者対応でトラブルが生じる原因は?

保護者が保育士に対して、不満や不信感を感じる・不安に思う・不快感を抱くには、理由があります。

保護者にネガティブな感情を持たれないための対策も必要です。

トラブルの原因を保育士側が作ってしまうことのないよう、以下の点に気を付けましょう。

保護者は保育士に対して理想的な先生であることを望む

保護者にとって保育士は、大事な子どもを長時間預かってくれるうえ、言葉を教えたりトイレトレーニングなども行ってもらう存在。
保護者は保育士に「子どもの手本」となるような、正しい言葉遣いや態度を取ってほしいと望んでいます。

例えば、「早くして」「あー!もう!」など、ネガティブな言葉ばかりを子どもに言っていませんか?
人の真似をするのが好きな子どもたちは、保育士から学んだネガティブな言葉を日常的に発してしまう、なんてことが十分にあり得るのです。

こんなことはもちろん、保護者の方々にとっては避けてほしいこと。
このことがきっかけで、保護者と保育士の信頼関係が築きづらくなってしまうこともあります。

保育園全体で、職員が正しい言葉遣いや挨拶などをできるよう徹底するようにしましょう。

また保護者からの子育てや園生活についての質問に答えられない場合は、曖昧な答えや思いつきの言葉で誤魔化したりせず、時間をかけてでも正しい情報を伝えるようにしましょう。

「お迎えの時間までに確認いたします。大変申し訳ありません。」と保留してもらっても大丈夫。

周囲の保育士に確認するなどしたうえでしっかりとした回答を行うことで、同時に誠実さも伝わります。

子どもに対する思いや価値観の差がある

保護者の方々にとって、我が子が一番愛おしいのは当然のこと。

しかし、保育士は1人で複数の子どもを保育しています。
保護者も保育園へ我が子を預ける時点で、先生が1対1でずっと見てくれるわけではない、ということは理解しています。

しかし、お迎えの時間に保育士がいつも特定の子どもばかり遊んでいて、我が子が構ってもらえていない姿を見ると不安になります。
いつも同じ子どもにばかり接していませんか?

手のかかる子どもや甘え坊な子どももいますが、子どもたちには平等に接することを心掛けましょう。

また連絡帳や日々の会話などで、子どもに対する今の思いや保育方針を逐一伝えることも大切。

保護者が保育の状況を知らなかったり、保護者との情報共有が後手になると、トラブルに繋がりやすいのです。

例えば、保育士が「この子にはそろそろズボンを自分で履けるようになってほしい」と見守っているとします。
しかしそのことを知らない保護者は、「なぜ履かせてあげないの?」と不信感を抱くことも。

「今、ズボンを履く練習中です。」など、保護者にも状況を共有することは、子どものためにもつながります。

怪我や発熱時など緊急時に対する考え方の違いがある

保育園で働く保育士にとっては、

  • 子どもがつまずいて転倒する
  • 玩具などが当たり傷が付く
  • 他児の爪が当たり傷が付く

などの光景は、日常茶飯事かもしれません。

しかし、例えかすり傷でも「保育園で怪我をした」とショックを受ける保護者も中にはいます

受傷した状況や「すぐ消毒しました。」などの処置についての説明をしたがる保育士もいますが、まずは謝罪が必要です。

保護者にとっては「たかがかすり傷ではない」ことを十分理解し、気持ちを受け止めましょう。

また子どもの急な体調不良や発熱時など、保護者の勤務先に連絡を入れ、お迎えに来てもらうこともありますね。

保護者がお迎えに来た際、 まずは体調不良に気付いた時点から現在までの経過を分かりやすく説明し、落ち着いた態度で接しましょう。

経過や症状を書いた紙を渡したり、詳細を連絡帳に記入するなど、目に見える形で伝えることもおすすめです。

保護者対応のトラブル回避事例集

ここでは、実際保護対応でトラブルが生じやすい事例について解説します。

【子ども同士のトラブルや喧嘩】

保育園の中で起こる最も多いトラブルですね。
受け持ちのクラスで一日何もトラブルがなかった日は、胸を撫で下ろす保育士も多いでしょう。

トラブルや喧嘩が生じて問題となってしまった子どもの保護者には、お迎えの際に詳細を説明をします。

まずは、トラブルや喧嘩となった状況について話します。
「一緒に遊びたかったんだと思います。」など、子どもの気持ちに寄り添った言葉で伝えましょう。

トラブルの後は当人同士が和解して一緒に遊んだなど、事後のことも伝えると保護者は安心します。

保育士がきちんと仲立ちをしてくれたのだろうと、信頼関係につながることも。

そして必ず忘れてはいけないのが、トラブルが発生したことへの注意不足に対する謝罪です。
自分が原因で起きたトラブルでないからと謝罪の旨を伝えずにいると、かえって保護者の不信感を募らせることとなってしまいます。

【保育士に対するクレーム】

保育士の言動や態度、対応についてクレームがくることもあります。

保育態度などに対するクレームに関しては、まずはしっかり傾聴します。
その上で「確かに◯くんに嫌な思いをさせてしまいました。」など、訴えに対する共感をしましょう。

そのうえで謙虚な言葉を入れながら真摯に謝罪をしましょう。

保護者の誤解が原因の場合でも、まずは保護者の訴えを遮ず、全て傾聴しましょう。
その上で、誤解や不快感を与えてしまったことについて丁重に謝罪します。

「それは誤解です」「違います」など反論から入ると、火に油を注ぐ結果になることも。

しっかり傾聴

訴えに共感

丁寧な謝罪

のプロセスは、ベテラン保育士も使っている手法です。
ぜひ身に付けておきましょう。

また謝罪の後に、今後このようなトラブルがないよう気を付けるという旨も伝えることも大切です。

【保育園の方針に対するクレーム】

保護者の中には、希望していた保育園に入園できず、仕方なく今の保育園に入園したという方もいます。

望んでいた保育園でない場合、園に対して不満が多くなることがあるのです。

・食後の仕上げ磨きをしっかりしてほしい

・外遊びの時間を増やしてほしい

・洗濯物が多すぎる

・夜寝なくなるからお昼寝させないでほしい

など、保育士の判断だけでは改善できない意見を寄せられることもあります。

洗濯物など保護者に負担をかける部分については、すぐに謝罪をしましょう。

このトラブルを回避するには、普段洗濯物を渡すときに「洗濯物が乾きにくい季節なのに、こんなに洗い物をお渡しして申し訳ありません。」などと、先に謝りながら渡すのも一つの手です。

「洗濯が大変なことを理解している先生だ」と思ってもらえるため、保護者の不満が溜まりのちのちクレームに発展するリスクを軽減できます。

お昼寝や外遊び、歯磨きについては、やはり園によって方針もやり方も違います。
「貴重なご意見ありがとうございます。」と、まずは意見に対して感謝する姿勢を見せることが大切です。

その上で、保育園の方針や発達を見ながら援助していることなどについて、ご理解いただけるよう説明しましょう。

しかしなかなか理解してもらえない場合もあります。 理解や協力が難しい場合は、園長や主任に相談し、話し合いの機会を設けるなどの必要があるでしょう。

まとめ

保護者対応トラブルがきっかけで保護者との連携がうまくいかず、より良い保育ができないといったことにつながってしまわないよう、保護者の方々への対応は誠実に行うことが大切です。

保護者の方々が心強い味方になってくれれば、子どもの保育もスムーズにできるでしょう。

また園全体でトラブルについて共有し、解決策と対策を行うことで園全体の信頼度もアップします。

実例も交えて解説しましたが、少しでも参考になったり、保育士の皆様の気持ちが楽になれば幸いです。

 

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