春・夏に保育園で流行りやすい子どもの感染症について知ろう

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春~夏に保育園で流行する子どもの感染症についてまとめました。気温が上がり外出する機会も増え、子どもたちの体力を消耗しやすい春・夏。子どもたちの免疫力が下がることで、保育園内で感染症が流行することも少なくありません。暖かい季節だからと油断せず、園全体でしっかりと対策を行っていきましょう。

暖かい季節でも感染症は流行る!

寒い時期に流行するイメージの多い感染症ですが、春~夏にかけてもさまざまなウイルスが存在します。

冬に流行する感染症を引き起こすウイルスは乾燥した空気内で活性化しますが、春・夏に流行するウイルスは高温多湿な環境を好むものも。

中にはしばしば保育園で子どもたちへ大流行をもたらすウイルスもあるため、保育園での感染症対策と、感染症に対する正しい知識が必要です。

また子どもたちは大人に比べ免疫力が低く、暖かい気候で体力を消耗することで感染症に罹患するリスクが高くなります

子どもの健康はもちろんですが、感染症は保育士にもうつり得るため、保育園全体で感染症予防の取り組みを行うことが大切です。

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保育園でよく流行る感染症とは

春から夏にかけて保育園で流行が多く報告されている感染症には、どのようなものがあるのでしょうか。

よく流行る感染症について、一例をあげてみました。該当の症状がある子どもがいる場合は、注意して様子を見つつ、必要に応じて保護者や園医に報告しましょう。

溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌が原因で引き起こされる溶連菌感染症は、鼻の粘膜やのどの粘膜といった呼吸器や皮膚に感染します。
病院で処方された薬を適切に服用することで、多くの場合は症状が改善されます。

<流行しやすい時期>
12~7月頃

<主な症状>
発熱、喉の痛み、扁桃腺の腫れ、苺舌、全身の倦怠感など

<感染しやすい期間>
治療を開始する前~治療開始後1日程度

水ぼうそう(水痘)

全身にできた発疹が水疱となり、かゆみや痛みを伴う症状を引き起こす感染症です。
感染力が強く、1人が感染するとすぐに園内に広がってしまうほど。
すべての水疱がかさぶたになるまで登園は禁止されます。

<流行しやすい時期>
12~7月頃

<主な症状>
発熱、頭痛、発疹→水疱→痂皮(かさぶた)

<感染しやすい期間>
発疹出現の2日程前~痂皮形成されるまで

ロタウイルス感染症(感染症胃腸炎)

ロタウイルスが原因で引き起こされる急性胃腸炎。
ごくわずかのウイルスが体内に侵入するだけで発症してしまいます。
特に0~6歳児の乳幼児は感染しやすく、感染すると激しい症状が出ることが多いです。

<流行しやすい時期>
3~5月頃

<主な症状>
発熱、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、脱水症状など

<感染しやすい期間>
下痢発症2日前~発症後10日間程度(重度の場合は長期に及ぶ)

ヒトメタニューモウイルス感染症

呼吸器感染症の一種で、1~3歳の幼児の間で感染が広がることの多い感染症です。
RSウイルス感染症と症状が似ており、発熱や咳、鼻水などの症状が見られます。
1度の感染で免疫を獲得できないため何度も感染しますが、徐々に症状は軽減されていきます。

<流行しやすい時期>
3~6月頃

<主な症状>
発熱、咳、呼吸困難、鼻水など

<感染しやすい期間>
発熱後1~4日間程度

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)

「おたふく風邪」として知られる流行性耳下腺炎は、耳下腺が腫脹することで「おたふく」のお面のように顔が腫れあがってしまう感染症。
一度感染すると抗体を獲得する感染症で、再発することが少ないといわれています。

<流行しやすい時期>
3~8月頃

<主な症状>
発熱、両方あるいは片方の耳下腺の腫脹、顎下腺や舌下腺の腫脹など

<感染しやすい期間>
発症3日程前~耳下腺の腫脹後4日程度

ヘルパンギーナ

コクサッキーA群ウイルスやエコーウイルスにより引き起こされる急性のウイルス性咽頭炎で、いわゆる夏風邪の一種。
のどや口腔内に小水疱・小潰瘍ができ発熱する症状が特徴で、主な感染経路は飛沫感染・糞口感染(便から排出されたウイルスによって感染すること)です。
感染者のうち9割程度が5歳以下の子どもといわれ、中でも1歳代の子どもたちが感染しやすい傾向にあります。

<流行しやすい時期>
6~7月

<主な症状>
発熱、咽頭痛、嘔吐、よだれの増加など

<感染しやすい期間>
症状がある期間

手足口病

その名の通り手足や口内に水疱性の発疹がでる感染症。
発疹に痛みやかゆみを伴うことは少なく、熱が高くなることもあまりありませんが、ごく稀に重症化することがあります。
感染経路としては飛沫感染・接触感染・糞口感染が知られており、感染力が強く、兄弟での同時感染の例が多く見られます。

<流行しやすい時期>
6~8月頃

<主な症状>
四肢や口内の発疹、発熱など

<感染しやすい期間>
症状がある期間

とびひ(伝染性膿痂疹)

ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などによって引き起こされる皮膚病の一種で、正しくは伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)。
身体全身に水ぶくれができることが主な症状で、接触感染で広がります。
患部を掻いたり接触することで周りに「飛び火」するように広がりやすいことから、「とびひ」といわれています。

<流行しやすい時期>
6~10月頃

<主な症状>
水ぶくれやかさぶた、リンパ節の腫れ、咽頭痛など

<感染しやすい期間>
症状のある期間

プール熱(咽頭結膜熱)

夏期にプールを通して集団感染する例が多いことから「プール熱」と呼ばれることが多いですが、正しくはアデノウイルスにより引き起こされる咽頭結膜熱です。
高熱や咽頭痛、目の充血、頭痛などの症状が3~7日程度続く、いわゆる夏風邪の一種。
接触感染・飛沫感染で感染することで知られており、プールの水だけでなくタオルや食器など物の共有で感染します。

<流行しやすい時期>
7~8月

<主な症状>
発熱、咽頭炎、結膜炎、頭痛、リンパ節の腫れ、食欲低下など

<感染しやすい期間>
症状のある期間~症状消滅後1週間程

感染症を流行らせないための対策

紹介した感染症はいずれも、園内での感染拡大が懸念される感染症。

園内で感染症が広まらないためにも、日頃からの感染症対策が必要です。

手洗い・うがいの徹底

手洗い・うがいは、子どもたち自身でもできる感染対策です。

外出後や食事前は必ず手洗い・うがいをして、付着したウイルスを洗い流しましょう。

せっけんを使った15秒以上の手洗い、自分のコップを使ったうがいを行うよう、保育園全体で声掛けをすることが大切です。

なるべく物の共有をしない

春~夏に流行る感染症には、タオルや食器などの物を共有することで感染するものが多くあります。

口や粘膜をつけたりする可能性のあるものは、なるべく個人のものを使用してもらうようにしましょう。

子どもたちが共有して使う物は、消毒・除菌を徹底することもポイントです。

バテない体づくり

春~夏に感染症に罹患する理由には、暑さにより子どもたちの体力が消耗し、免疫力が下がることが挙げられます。

暑さでバテてしまわないように栄養のある食事を取り、昼寝などで休養を取りながら過ごすようにしましょう。

まとめ

感染症は冬だけでなく、気温の上がる春~夏にも流行します。

しかし感染経路や症状を知り対策することで、保育園内での大流行を未然に防ぐことができます。

保育園内での感染拡大を防ぐために、保育士ができる対策をしっかりと行っていきましょう。
 

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