保育士のキャリアアップ研修とは?仕組みや研修内容について

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保育士のキャリアアップを図るために行うキャリアアップ研修。経験年数が浅い若手の保育士でもキャリアアップのチャンスがあることが魅力です。具体的な研修のメリットや内容についてわからない方も多いのではないでしょうか。今回は、キャリアアップ研修について、仕組みや研修内容について解説します。

保育士のキャリアアップ研修とは?

キャリアアップ研修の概要

キャリアアップ研修は、2017年に導入された保育士のためのキャリアアップ制度です。

新たに「職務分野別リーダー」「専門リーダー」「副主任保育士」の3つの役職が新設されました。

各役職に設けられた実施要件を満たし、所定の研修を受けることでキャリアアップが可能になります。

キャリアアップ研修の分野

研修は大きく分けて8分野に分かれており、さらに大まかに分けると「専門分野別研修」「マネジメント研修」「保育実践研修」の3つになります。

これらの研修を通して、保育業務に必要な専門分野をまんべんなく学ぶことができます。

乳児保育

幼児保育

障害児保育

食育・アレルギー対応

保健衛生・安全対策

保護者支援・子育て支援

マネジメント

保育実践

新たに新設された3つの役職

キャリアアップ研修の導入にあたり、主任保育士・専門リーダーも新設されました。

新設された役職に就くためには、基準となる勤続年数を満たしていることや所定の研修を受けていることが条件となります。

職務分野別リーダー

専門リーダー

副主任保育士

キャリアアップ研修ができた目的

保育士の保育士の待遇向上と専門性の強化を目的としています。

保育業界では、給料の低さによる保育士不足が大きな課題となっています。

そのため、キャリアアップが可能になる仕組みを構築し、他の業界で働く女性労働者との賃金差をなくすため、この仕組みが作られました。

キャリアアップ研修を受けるメリット

昇給の機会が得られる

一般の企業では、昇給に欠かせないものとしてキャリアアップの機会があります。

しかし、保育士は、その機会を得ることが難しく、給料の低さが問題となっていました。

そこで、経験年数や受験資格を満たす人が研修を受講することにより、新設された役職へキャリアアップできる機会を得ることができるようになりました。

ただし、保育園によって昇給の金額は異なり、必ずしも昇給につながるとは限らないため、事前に確認しておく必要があります。

専門知識が身につけられる

キャリアアップ研修は、保育業務に必要な専門分野を幅広く学ぶことができることが大きな特徴と言えるでしょう。

職場で活かせることはもちろん、将来的により専門性の高い職場へ転職したいと考えたときに、身につけたいと思う分野の知識を学ぶことができます。

産休や育休などによりブランクが空いてしまった方も、改めて専門知識を学びなおすことも可能です。

復職や転職時に役立つ

キャリアアップ研修を修了した方には、修了証が発行されます。

その効力は、無期限で活用できるため、復職するときや転職をするときに役立てることができます。

また、他県への引っ越しをしても、その効力は変わらず活用することが可能です。

受講する分野によっては、保育園のみならず、乳児院や児童発達支援施設などでも活かすことができるため、将来の選択肢を広げることができます。

キャリアアップ研修の受講対象者

キャリアアップ研修の受講は、さまざまな課題の対応や若手の指導などを行うリーダー的な役割を担い、初任後から中堅までの保育士が対象です。

ただし、新たに新設された3つの中堅役職に就くためには、各役職ごとに要件があるため、その要件を満たす必要があります。

各役職の要件については、以下の通りです。

職務分野別リーダー

職務分野別リーダーは、高い専門知識とスキルを活かして現場で活躍する役職。
この役職に就くための要件は、以下の通りです。

  • 経験年数はおおよそ3年以上
  • 担当する職務分野の研修を1分野以上修了していること
  • 各保育施設にて職務分野別リーダーの発令を受けること

 

専門リーダー

高い専門性に基づき、専門分野のスペシャリストとして職場の職員をサポートする役割を担う役職。
この役職に就くための要件は、以下の通りです。

  • 経験年数はおおよそ7年以上
  • 職務分野別リーダーを経験していること
  • 4つ以上の分野の研修を修了していること
  • 各保育施設にて専門リーダーの発令を受けること

 

副主任保育士

主任保育士を補佐し、管理職の業務を担当する役割を担う役職。
この役職に就くための要件は、以下の通りです。

  • 経験年数はおおよそ7年以上
  • 職務分野別リーダーを経験していること
  • マネジメントに加えて+3つ以上(計4つ以上)の分野の研修を修了していること
  • 各保育施設にて副主任保育士の発令を受けること

 

キャリアアップ研修の受講方法

キャリアアップ研修は、都道府県または指定の研修機関にて実施されており、申し込みを行って受講します。

個人でも受けることができ、保育園から申し込みをされる場合は、その後の案内に従って受講する流れになります。

開催施設・日時については、自治体のホームページの「保育士等キャリアアップ研修実施機関の指定一覧」より確認しましょう。

申し込み方法
インターネット・電話・FAXでの申し込みが可能。
予約状況についてもインターネットで確認することができます。
申し込み締め切りについて
自治体によってことなりますが、開催の2週間前(1週間前のところもあります)または定員に達した場合、締め切りになります。
受講料金について
個人での申し込み、保育園から複数名で申し込みした場合に関わらず、1分野につき19,000円(税込み)。
研修期間
1分野につき15時間以上(2〜3日)になります。また、研修日は土曜日や日曜日が多いようです。

【分野別】キャリアアップ研修の研修内容

以下では、キャリアアップ研修のねらいと研修内容について、分野別に紹介します。

乳児保育
ねらい:乳児保育に関する理解・環境構成・保育力・実践力を養い、身につける。
内容:主に0〜3歳未満児向けであり、適切な関わり方、環境などの保育を学ぶ。
幼児保育
ねらい:幼児保育に関する理解・環境構成・保育力・実践力を養い、身につける。
内容:主に3歳以上向けであり、適切な関わり方、環境などの保育を学ぶ。
障害児保育
ねらい:障害児保育に関する理解・環境構成・保育力・実践力を養い、身につける。
内容:障害の種類や特徴についての理解を深め、家庭や家庭機関との連携方法や保護者との関わり方などについて学ぶ。
食育・アレルギー対応
ねらい:食育に関する理解を深め、食育計画の作成と活用する力やアレルギーを持つ子どもへの適切な対応力を身につける。
内容:アレルギー疾患に関する理解を深め、アレルギーを持つ子どもの情報管理や共有体制の構築、保育環境などについて学ぶ。
保健衛生・安全対策
ねらい:保健衛生に関する理解を深め、保険計画の作成・活用を適切に行う力を身につける。また、安全対策に関する理解を深め、適切な対応を行う力を身につける。
内容:傷病への対策や保育園生活での安全対策などについて学ぶ。
保護者支援・子育て支援
ねらい:保護者支援や子育て支援に関する理解を深め、適切な支援を行う力を身につける。
内容:保護者への相談援助や地域の子育て支援の活用、虐待防止などについて学ぶ。
マネジメント
ねらい:ミドルリーダーの役割と知識の理解を深め、マネジメント・リーダーシップを身につける。
内容:人材育成や組織目標の設定、働きやすい環境作りなどについて学ぶ。
保育実践
保育期間が浅い方や保育士としてのブランクがある方が対象。
ねらい:子どもに関する知識を深め、子どもとのかかわり方やさまざまな遊び、保育環境作りなどについて学ぶ。
内容:保育の環境構成や言葉・身体を使った遊びなどに関する実践的な保育について学ぶ。

まとめ

キャリアアップ研修が導入されたり、役職が新設されたりと、徐々に保育士がキャリアアップを目指せる仕組みが構築されはじめています。

保育士としてのキャリアに悩んでいる方や、今よりも保育の知識を深めたいと考えている方は、この機会に受講してみるのはいかがでしょうか?

より高い専門知識を身につけて、将来について見つめ直してみましょう。

 

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