保育士実技試験「言語表現」に合格するための対策とは

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保育士試験は、9科目の筆記試験全てに合格した後に実技試験を行います。実技試験は音楽、造形、言語表現の3科目から2科目を選択し、合格ラインは筆記試験と同じく6割です。題材は事前に分かるため、練習してコツを掴めば合格につながりやすいです。今回は、言語表現についての対策を紹介します。

言語表現の試験内容

保育士実技試験の3科目の1つである言語表現は、事前に題名と対象年齢が発表されます。

試験内容は、子どもが目の前にいることを想定して、何も手に持たない状態で3分間素話しをするというものです。

実際の保育現場で大いに役に立つ内容であるため、ぜひチャレンジしてみましょう。

2020年~2022年前期の課題

実際の試験では以下の4つの課題の中から1つを選択し、お話を行います。

課題は過去3年間変わっておらず、2019年は「ももたろう」の代わりに「おむすびころりん」でした。

「ももたろう」(日本の昔話)

「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)

「おおきなかぶ」(ロシアの昔話)

「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)

試験に関する条件

試験にあたって、以下の条件が設けられています。

3歳の子どもが15人程度いることを想定してお話を行う

身振り、手振りを加える

絵本や道具等の使用は全て禁止

題名は開始合図の後、一番最初に子どもに向けて言う

子どもが楽しめるように、3分にまとめる

3分間退出できない

お話を行う際は、着席でも立ちでも問わない

課題の原稿作り

試験でお話するイメージを膨らませるために、原稿を作っておくことをおすすめします。

試験本番では持ち込みが禁止されていますが、いわゆる台本を覚える要領で準備をしておけば、いざ本番になったときでも落ち着いてお話ができるでしょう。

受験申請の手引きに細かな指示が書かれているため、まずは熟読することから始めましょう。

一通り全てのお話を読んでみて好きだなと思うものや読んだことがあるものがあれば、それを選択するのがベストです。

原稿作りのポイント

3分間の場合では、600字〜800字程度にまとめるのが理想です。

子どもが好きな「びりびり」「もこもこ」などの擬音語や「ワンワン」「ピーポーピーポー」などの擬声語を意識して使うと、子どもは物語の世界をイメージしやすくなります。

子どもが聞いていて「楽しい」と感じる要素を、要所要所に入れましょう。

言語表現の練習方法

言語表現の実技試験では、子ども達をいかに惹きつけられる話し方ができるかがポイントです。

声の調子や身振り、手振り、抑揚、間の取り方の工夫次第で大きく変わります。

どれが正解という訳ではないため、自分のやり方を見つけましょう。

声の大きさや速さに気をつける

言語表現は、大人に話すのではなく子どもに向けてのお話です。

子どもが想像して物語の世界に入りやすいように工夫しましょう。

単調な棒読みではなく、声の大きさを変えたり、スピードを変えたりすることを意識することが大切です。

子どもが好きな「ドーン」「コロコロ」などの擬音語を大袈裟に言うと、子どもは状況を想像しやすく物語に惹きつけられやすくなります。

登場人物になりきる

同じトーンの棒読みでは、面白味がなく大人でも聞くのが苦痛になります。

楽しい、聞きたいと思えるような工夫が大切です。

子どもが飽きないように、登場人物になりきって表情や声の調子を変えることで集中力が続くようにしましょう。

制限時間を意識して練習する

言語表現に関する技術の試験では、3分間という制限時間が設けられています。

本番では緊張して早口になったり、話す内容を忘れたりする事態が起こり得るため、何度も何度も時間を計りながら練習をしましょう。

もしもお話を忘れてしまったときは、子どもに問いかけるような声かけを入れることをおすすめします。

「次は誰がでてくるかな」「ドーンと音がしたね」などと声をかけながら心を落ち着かせて話の内容を思い出す時間を作ります。

「忘れた」「えーっと」など、もじもじしたり、せっかく集中していた雰囲気を壊すことだけは避けましょう。

自分自身が、その場にいる子どもと一緒になって楽しむ雰囲気作りがポイントになります。

実演してみる

実際の試験では、「○○のお話をします。」という一言からスタートするということが受験申請の手引きに書かれているため、練習の際も初めに忘れずに言うようにしましょう。

実際に声に出して読んでいる様子をスマホなどで録音・録画し後から見直すことで、改善点を見つけることに役に立ちます。

声がきちんと聞こえているか、身振りが大げさだったり分かりにくかったりしないかなどをチェックしましょう。

何度も繰り返し自信を持ってできるようになったら、家族や友達に試験監督の代わりをしてもらい、入室から終了までの流れを見てもらいましょう。

場馴れすることはもちろん、自分では気づかなかった発見があるかもしれません。

過去の課題から見る話し方のポイント

登場人物が多い場合は一人ずつ話し方を変え、少ない場合は間を空けたり抑揚をつけたりして工夫をしましょう。

以下では、過去の課題から見る話し方のポイントについて説明します。

今後の実技試験の参考にしてみてください。

ももたろう

登場人物が多くお話自体も長めであるため、3分間でどのようにまとめるか原稿の内容が重要になります。

お話もセリフも全て入りきらない可能性があるため、おじいさんやおばあさんなどの細かなセリフは省略してナレーションで説明し「ももたろう誕生」「鬼が島での戦い」に絞るなどして工夫すると良いでしょう。

「も〜もたろうさん、も〜もたろうさん♪」の歌も少し交えると楽しくなりますよ。

3びきのこぶた

登場人物は「3びきのこぶた」と「オオカミ」という比較的分かりやすいキャラクターですね。

こぶたは3びきそれぞれを使い分ける必要はなく、「こぶた」対「オオカミ」と捉えるとお話をしやすくなります。

オオカミが怖いだけのお話ではなく、コツコツと努力することの大切さが詰まった深いお話です。

3匹それぞれの家作りやオオカミに吹き飛ばされるときのリズムと音の速さの変化、あっという間に吹き飛ばされた様子などを強調すると良いでしょう。

おおきなかぶ

お話自体に繰り返しの言葉が多く覚えやすいため、暗記が苦手な方にはおすすめです。

登場人物が多い割に会話が少ないため、基本はナレーションベースです。

声の使い分けではなく、ナレーションの抑揚や身振りがポイントとなります。

繰り返し出てくる「うんとこしょ、どっこいしょ」は増えたキャラクターの特徴を真似して、身振りや声の調子を変えると変化が出て良いです。

単調にならないように気を付けましょう。

3びきのやぎのがらがらどん

3びきのこぶたとは異なり、3びきのヤギは身体の大きさや態度の大きさが違うため、セリフや身振りを変えやすいです。

賢いヤギ達のセリフは、はっきりした口調で言いましょう。

最大の見せ場は大きいヤギとトロルの戦いです。

大きいヤギの自信満々な様子をしっかり表現し、特に大きいヤギとトロルとの区別をしっかりつけるためにトロルに怖さを加えると良いです。

まとめ

笑顔の人、楽しそうにしている人に子どもは寄っていきます。

課題の内容を完璧に覚えてやり遂げたというよりは、多少練習通りにいかなくても、自分自身が表情豊かに楽しんで余裕を持って取り組むことが合格への道につながります。

肩に力を入れすぎず、実技試験合格を目指して頑張ってください。

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