新しい資格の形!『子育て支援員』について知ろう

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「子育て支援員」という資格をご存知でしょうか?

子どもと関わる仕事をしたいけど、保育士国家試験は難易度が高すぎる!という方でも取得しやすい資格です。

しかし子育て支援員は、平成27年から国が始めた比較的新しい制度のため、まだあまり馴染みがないかもしれません。

そこで今回は、子育て支援員になるための研修や実際の勤務内容についてなど、子育て支援員について解説します。

■目次

子育て支援員とは?保育士との違いは?

子育て支援員とは、保育士の人手不足が深刻化するなかで、平成27年から開始した保育職に関する新しい資格です。

国の「子ども・子育て支援制度」によって6年前にスタートされました。

子育て支援員は保育士資格とは異なる資格になりますが、保育士の補助・サポートを行うなど、さまざまなシーンで活躍できます。

保育職のニーズが高まっている現在、非常に需要のある職種であるといえるでしょう。

では、保育士とは具体的にどういった部分が異なるのでしょうか?
下記にて解説します。

保育士との違い①資格の種類が違う

一番の違いは、資格の種類が違うという点にあります。

保育士は国家資格であり、保育士資格が必要となる名称独占資格。
名称独占資格とは、資格取得者のみが資格名称(肩書き)を名乗ることができる資格のことです。

国家資格を持つ保育士は、クラスの担任を持つなど保育業務全般を行います。

一方で、子育て支援員は民間資格となります。
国家資格は必要なく、国が定める研修を履修し「子育て支援員研修修了証明書」の交付を受けて働くことのできる資格です。

職歴や子育て経験なども問わず、 誰でも研修に申し込むことが可能です(高校生を除く18歳以上に限る)。

そのため子育て支援員は、保育士のサポートや補助業務が主な仕事です。
保育士のように、クラスの担任を受け持って保育全般を行うことはありません。

保育士との違い②活躍する職場や働き方が違う

保育士の場合、公立・私立保育園や幼稚園、認定こども園、託児所など、形態を問わずさまざまな園で活躍しています。

一方で子育て支援員の場合は、認可保育園、認可外保育施設、小規模保育園、学童保育で活躍するケースが多い傾向です。

また働き方としては、保育士は正社員(常勤)が多いのに対し、子育て支援員はパート・アルバイトなどの非常勤が一般的。

フルタイム勤務だけではなく、午前のみ・午後のみ・夕方から夜間のみといった、空き時間を有効利用して働くことができる仕事ともいえます。

また保育士と子育て支援員は非常勤の場合の時給にも差があります。
多くの職場では、子育て支援員はパート保育士の時給より100~300円ほど安くなる傾向があるようです。

子育て支援員になるまでの流れ

上記で述べたように、子育て支援員は必要な研修を履修することで資格を取得できます。

研修を受講できる対象者として、資格や実務経験の受講条件は指定されていません。
誰でも研修を受講することが可能です。

では具体的に、子育て支援員の研修内容はどのようなものなのでしょうか。

まず大事なポイントとして、子育て支援員の研修は基本研修・専門研修の2種類の研修に分けられています。

基本研修の内容

基本研修では、以下の8科目を合計8時間で学んでいきます。

子ども・子育て家庭の現状(60分)

子ども家庭福祉(60分)

子どもの発達(60分)

保育の原理(60分)

対人援助の価値と倫理(60分)

子ども虐待と社会的養護(60分)

子どもの障害 (60分)

総合演習(60分)

基本研修では、子育て支援の基本となる知識を中心としており、保育の基礎に関わる部分を学びます。

そのため既に保育士・社会福祉士の国家資格を持っている場合、基本研修は免除されます。
出典:内閣府|子ども・子育て支援新制度

 

専門研修の内容

基本研修の受講が終わると、続いて専門研修を受けることになります。
専門研修では子育て支援について、さらに専門的な知識を学びます。

下記の4つのコースから、希望するコースを選んで受講することが可能です。

放課後児童コース

社会的養護コース

地域保育コース

地域子育て支援コース

4つのコースについての詳細は以下の通りです。

①放課後児童コース

・放課後児童クラブの理解
・子どもの理解のための基礎知識
・子どもの育成支援
・安全・安心への対応

などを学んでいくコースです。
研修時間は6科目9時間となります。

②社会的養護コース

「社会的養護の入口」として、社会的養護の基本的理念・知識・技術を学んでいくコースです。
研修時間は、9科目11時間となります。

③地域保育コース

地域保育コースでは共通科目のほかに、地域型保育・一時預かり事業・ファミリーサポートセンターの3つの選択科目を受講することができます。

共通科目では、『乳幼児の発達や心理』『安全確保など保育に関する基本的な理念と知識』について学びます。
研修時間は12科目15~15.5時間となります。

④地域子育て支援コース

地域子育て支援では、対象となる事業の形態がさまざまあることから、3つのカリキュラムから1つを選んで受講します。
各カリキュラムの種類と所要時間は下記の通りです。

  • 基本型:9科目24時間
  • 特定型:5科目5.5時間(地域の実情に合わせて科目を追加する場合もあり)
  • 地域子育て支援拠点事業:6科目6時間

どれも各事業の概要と専門的な知識を学び、事例検討なども行いながら理解を深めていきます。
出典:内閣府|子ども・子育て支援新制度

子育て支援員の資格を取るメリット

保育に興味はあって「保育士免許を取得したい!」と思う人は多いでしょう。
しかし、保育士国家試験を受験するためには受験資格があります。

高卒の場合→児童福祉施設において2年以上の勤務で、総勤務時間数が2,880時間以上を受験申請の時点で満たしていること。

大卒及び短大の場合→保育士とは関係のない学部・学科であっても62単位以上修得していれば受験可能。

出典:一般社社団法人 全国保育士養成協議会

このように保育士試験には厳密な受験資格があり、特に高卒の場合、実務経験の縛りをクリアすることが非常に難しいと言われています。

また年単位での勉強が必要になり、時間や費用がかかることも。
中には保育士国家試験の実技試験対策として、ピアノ教室や絵画教室へ通う人もいるほどです。

しかし子育て支援員であれば「短時間・低費用」で保育職に関する研修を受講できます
認定証を受け取ることで、就職にも有利になります。

子育て経験を活かして保育に携わりたい

将来的には保育士を目指したい

保育士国家試験に挑戦したいけど、壁が高い

就職や転職の際に有利にしたい

という方にとって、よい入り口になるでしょう。

また園によっては、子育て支援員と保育士資格の両資格が必要な職場もあります。

子育て支援員に興味のある方は、お住まいの都道府県・市町村のホームページにて、研修の詳細について確認してみてください。

まとめ

子育て支援員制度の導入により、保育の仕事に従事する人が増え、結果的に保育士の負担軽減につなげることができます。

子育て支援員の仕事は遊びの見守りや食事介助、玩具の消毒など、子どもに関わる仕事をしてみたい方にとっても良い入り口となるでしょう。

すでに保育士として活躍している方々にとっても、専門知識を深く学べたり学び直しができるため受講をおすすめします。

慢性的に人手不足の問題が深刻な保育業界にとって、子育て支援員の存在が救世主になる日がくるかもしれませんね。

 

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