夏は要注意!保育園での食中毒を防止するポイントや対処法とは?

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特に夏に多発する食中毒ですが、保育園における原因や対処法はご存知でしょうか?子どもは免疫力が弱く、保育園では集団感染の恐れがあります。食中毒を防ぐには、事前の対策が必須です。今回は、食中毒が起こりやすい条件や食中毒菌の種類を知り、保育士としての食中毒に対する対処法についてまとめました。

食中毒が起こりやすい条件とは?

食中毒菌の繁殖には温度・水分・栄養素の3つが深く関係します。

これらの条件が揃うと、時間と共に爆発的に増殖します。

まずは、増殖させない環境を整えて食中毒を防ぐように努めましょう。

食中毒菌が増殖しやすい温度

菌の種類によって異なりますが、多くは10℃以下で繁殖が遅延し、常温で増殖し始めます。

特に一番繁殖しやすくなる温度は、35℃くらいです。

人間の体温と変わらない温度で繁殖するため、手洗いが不足している手では菌が急激に増殖していることになります。

食中毒菌が好む水分

食中毒菌は、水に溶けている栄養素を分解して取り入れるため、水分がない食品では増殖できません。

食べ物を乾燥させてしまえば菌は繁殖しないということになりますが、全ての食材でできるわけではありません。

調理を行う際に、作業場を濡らさないようにすることが重要になります。

特に足場が濡れていると、人が通る際に水分が飛び散り、そこから菌が繁殖して行く可能性があります。

砂糖や塩を多く含む味の濃い食べ物は比較的、菌が増殖する可能性は低くなるため保管がしやすいです。

食中毒菌の栄養素

残菜、食品などの有機物は食中毒菌の栄養になります。

まな板や包丁などの調理器具に残った汚れも栄養素となるため、注意が必要です。

他にも、高たんぱく質の食品も細菌にとっては最良の栄養素となります。

保育園における食中毒を起こす代表的な菌の種類と症状・対策

それぞれの菌によって、症状を発症する時間や弱点などの特徴が異なります。

保育園で起こりやすい食中毒の菌は、以下の通りです。

サルモネラ菌

急な発熱や腹痛、下痢が起こり、ときには嘔吐も見られます。

摂取後6時間から72時間後に発症し、症状は2日から7日程続きます。

症状は比較的軽いですが、長期間に渡る可能性がある菌です。

サルモネラ菌は、人や牛、豚、川など広い範囲で生息しています。

汚染される主な食品は、食肉や卵であり、熱に弱いため、十分に加熱することで殺菌できます。

卵かけご飯で食中毒を起こしたという事例もあり、賞味期限を過ぎた物を食べる際には、変色や臭いに異常がないか確認しましょう。

ヒスタミン

ヒスタミンによる食中毒は、摂取後およそ1時間以内に症状が出ます。

蕁麻疹や頭痛、発熱などが起こり、重症化することは少ないですが、十分注意が必要です。

ヒスタミンが付着した魚類や、その加工食品を常温で放置するなどした際に食中毒を起こします。

主に、サバやイワシ、サンマ、マグロなどの赤身魚が汚染されやすいです。

ヒスタミンは、加熱しても減らないため、常温で放置せずに、すぐに冷蔵庫に入れるなどしましょう。

ノロウイルス

摂取後1日から2日の間に吐き気や下痢、腹痛を起こします。

多くはカキやあさりを食べた場合に起こり、ウイルスに汚染された水道水や井戸水を飲むことによっても感染します。

熱に弱いため、85℃以上で1分以上加熱してから食べるようにしましょう。

便や吐物でも感染するため、保育園での処理方法をしっかりと確認する必要があります。

腸管出血性大腸菌

良く耳にする”O157”がこれにあたります。

十分に加熱されていない生肉や生野菜などによって感染し、摂取後12時間から60時間程で激しい下痢や腹痛が起こります。

血が混ざった便が出ることもあり、ひどい場合は、死に至る可能性もある怖い菌です。

十分に加熱すれば防ぐことができるため、生の物を安易に口にしないようにしましょう。

カンピロバクター

十分に加熱されていない鶏肉や生野菜、井戸水、ペットから感染する恐れがある菌です。

摂取後2日から7日程で下痢や腹痛、吐き気、筋肉痛などの症状が現れます。

乾燥と熱に弱く、加熱すれば菌は死滅します。

保育園での食中毒を予防するためには?

保育園での食中毒を予防するためには、手洗い・うがいが基本となります。

正しい手洗い・うがいの仕方を徹底しながら、その他に注意すべき点を挙げます。

正しい手洗いの方法

手は、綺麗に見えても汚れています。

正しい手洗いの方法を身につけて、子ども達にもレクチャーしてあげましょう。

水で手を洗う

石鹸を手に取り、よく泡立てる

手の平、指の腹面を洗う

手の甲、指の背を洗う

指の間(側面)、指の股(付け根)を洗う

親指と親指の付け根のふくらみを洗う

指先を洗う

手首を洗う

石鹸を流水で十分に洗い流す

清潔なタオルやペーパータオルで水気を拭き取る

アルコール消毒をして完了

タオルの貸し借りをしない

タオルの貸し借りをすることによって、菌の増殖をさせることにつながる可能性があります。

手を綺麗に洗ったからといって、タオルの貸し借りをすることは避けましょう。

保護者へのおたよりにもその旨を記載し、きちんと持参するように伝えることも大切です。

また、タオルを忘れてしまった子どもがいた場合に備えて、ペーパータオルを保育園で用意しておくと安心です。

手で触れる場所の消毒

ドアノブや机、いす、おもちゃなど、多くの人がよく手にする物には細菌がつきやすいです。

洗えるものは頻繁に洗い、洗えないものについては、掃除した後にアルコール消毒を行うようにしましょう。

特におもちゃは、子どもが口に入れやすいため、定期的に消毒をする必要があります。

排泄物・吐物処理に気を付ける

排泄物や嘔吐した物には、菌がたくさんいる可能性があります。

子どもが近づかないようにし、保育士は手袋、マスク、エプロンをして処理をするようにしましょう。

処理をした後は、消毒と手洗い・うがいを忘れずに行ってください。

食中毒を出さないために、保育園での給食の時間に気を付けること

保育園において特に食中毒が起こりやすい場面は、給食の時間です。

配膳するときから片付けの最後まで注意をしなければ、菌はすぐに繁殖してしまいます。

食中毒を出さないために、保育園での給食の時間に気を付けるべきことは、以下の通りです。

水拭き・消毒の徹底

配膳ワゴンや机の消毒を徹底することで、食中毒を防ぐことができます。

専用の清潔な台ふきんで水拭きをし、その後アルコール消毒を行いましょう。

時間が無いからといって省略してしまいたい気持ちもあるかもしれませんが、清潔を心がけることが大切です。

手洗い・うがいの徹底

子どもはもちろん、保育士も配膳前・片付け後に手洗いとうがいを徹底して行いましょう。

また、配膳をする際はエプロンと三角巾を着用し、毎日洗濯をします。

手指に怪我をしている場合は、手袋を使用して配膳を行う必要があります。

床に落ちた物を触らせない

床は、消毒が不十分です。

箸やスプーンなどを落としたときは、すぐに拾わずに新しいものを使うようにします。

また、床に落ちた食べこぼしを子どもが触らないよう、十分気をつけて、食事後に取り除くようにしましょう。

その際は、水拭きをすることも忘れてはなりません。

もしも食中毒が起きてしまった場合…保育園で行う応急処置

目の前で食中毒と見られる症状を起こした場合、どうすれば良いのでしょうか。

医療機関を受診する前に保育園でできる応急処置について紹介します。

脱水症状に気をつける

下痢や嘔吐が続く場合、特に気を付けたいことは脱水症状です。

水やお茶、スポーツ飲料をこまめに飲ませましょう。

ただし、飲ませて嘔吐する場合は、様子を見て、落ち着いたタイミングで飲ませる必要があります。

横に寝かせる

寝かせる際は、必ず横向きにします。

嘔吐した場合に、仰向けだと吐物が喉に詰まる恐れがあるからです。

顔色の変化、発熱はないかなどに気を配りましょう。

病院へ行く目安

以下の症状が見られた場合は、迷わず医療機関へ受診するようにしましょう。

1日に10回以上下痢をしている

ふらふらしている

ボーっとしていたり、受け答えがはっきりしていない

尿の量が減ったり、12時間以上出ていない

血便が出る

手足がむくんでいる

嘔吐が止まらない

まとめ

年々最高気温が更新されるようになり、食中毒菌にとっては絶好の繁殖環境となります。

保育園で食中毒が起こると、どうしても集団感染は免れません。

食中毒をいかに防ぐか、個々がしっかりと食べ物の管理、手洗い・うがい、消毒を行えるよう環境を整えることが大切ですね。

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