保育士が知っておくべきアレルギー対応!対策や対応の流れを解説

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日常生活のさまざまな場面で起こりうるアレルギー対応。特に、乳幼児に多く見られる「食物アレルギー」は、重点的に対策しておく必要があります。命にも関わるため、日頃からアレルギー対応について知識を深めることが大切です。今回は、保育士が知っておくべきアレルギー対策や対応の流れについて詳しく解説します。

アレルギーとは?

アレルギーとは、あるものに対して免疫機能が過剰反応を起こしてしまう状態のことです。

食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息(ぜんそく)、薬剤・昆虫アレルギーなど、日常生活のさまざまな場面とアレルギーは関わっています。

特に、乳幼児に多く見られるアレルギーは「食物アレルギー」「アトピー性皮膚炎」「気管支喘息」などがあげられます。

保育園は学校と比べると食事の提供回数が多いと言われているため、「食物アレルギー」については重点的に対策しておく必要があります。

皮膚に現れる症状:かゆみ、赤み、湿疹、蕁麻疹、乾燥など

粘膜に現れる症状 :目のかゆみ、口の中やのどの違和感・腫れ、くしゃみ、鼻づまりなど

消化器に現れる症状:腹痛、吐き気、嘔吐、下痢など

呼吸器に現る症状:咳が止まらない、ぜんそくのようにゼーゼーする、呼吸困難など

保育園でできるアレルギー対策

誤飲・誤食を防ぐ

アレルギーを持つ子どもが飲み物や食べ物を口にする際は、アレルゲンの確認を徹底しましょう。

特に、なんでも口に入れてしまう子どもは目を離さないよう、注意することが大切です。

保育園で”はじめて食べる”ことを避ける

家庭で食べたことのない食べ物を、保育園ではじめて食べさせることはNGです。

食物アレルギーの診断がない子どもでも、はじめて食べるものによってアレルギーを発症する恐れがあるためです。

保育園ではじめて食べるものがないよう、事前に保護者にお知らせしておくとよいでしょう。

食器の色を分ける

保育園で食物アレルギーが発症する主な原因として、配膳ミスがあげられます。

アレルギーを持っていない子どもは白色の食器、アレルギーを持っている子どものアレルギー食(除去・代替食)には赤色や黄色の食器を使用し、アレルギーだということが一目で分かるようにします。

こうすることで、アレルギーを持つ子どもに関わるすべての人が共通の認識を持つことができます。

子どもの座席を指定する

子どもの月齢が低い場合、他の子どもの食べ物を食べてしまったり、触れてしまう可能性があります。

保育士が近くに座って食事の補助をしたり、同じアレルギーを持つ子どもの側に座席を指定するといった対策も必要です。

保育園でのアレルギー対応の流れ

アレルギー症状のある子どもの把握

子どもが入園するタイミングで、アレルギーに関して配慮すべき事項があるか、保護者へ確認を行いましょう。

アレルギーの発症は命に関わる場合もあるため、アレルギー症状のある子どもを園全体で把握することは最も重要です。

アレルギーを発症した場合の症状や程度に関して、詳しく聞いて確認しておきましょう。

保護者へ必要書類の配布

アレルギーを持っている子どもへは「生活管理指導表」の提出を求めます。

子どものかかりつけ医が記入するものであり、医師・保護者・保育園の重要なコミュニケーションツールとなります。
参照:保育所におけるアレルギー対応ガイドライン|厚生労働省

保護者と面談

医師からの指導内容を基に、保育園でのアレルギー対応について、保護者と話し合いを行います。

保護者に家庭での状況を尋ねながら、集団生活で気を付けるべきことやより良い方法について一緒に考えたりします。

子どもが安心して過ごせる環境にするため、保護者との考えをすり合わせることが重要です。

園内職員と情報共有

自分のクラスだけでなく、園内全体でアレルギーを持つ子どもの把握を徹底することが大切です。

万が一の誤飲や誤食を防ぐことにつながります。

保育園でアレルギー症状が出てしまった場合

目を離さない

アレルギーを起こした子どもの様子をしっかりと見ておくことが大切です。

軽症の場合でも状態が急変してしまう可能性があるため、目を離さないようにしましょう。

原因食物を食べた場合は、すぐに口から出し口をすすぐようにし、皮膚についた場合は、触った手で目をこすらないようすぐに洗い流すようにしてください。

エピペン、内服薬の使用

アレルギー反応が出た際に服薬する薬やエピペンを処方されている子どもの場合は、すぐに薬を飲ませたりエピペンを使用しましょう。

また、エピペンについては、間違った打ち方をしてしまったり、症状が悪化してからの使用では効果が薄くなってしまい、命を落とすことになりかねません。

すぐに使用ができるよう、使い方やどのような状況で使うべきなのか、正しい判断で行えるようにしておくことが大切です。

状態確認

意識ははっきりしているか、呼吸は正常か…など緊急性が高い症状が出ていないか、反応が出てから5分以内に判断しましょう。

エピペンや内服薬を服用した後、改善傾向が見られた場合は、そのまま様子を観察してください。

必要に応じて救急車を呼ぶ

緊急性が高い場合は、119番通報し、救急車を呼びましょう。

救急車を呼ぶ際、エピペンや内服薬を使用した場合は、使用した時間・場所を伝えてください。

救急車を待つ間は、足を15cm〜30cm高くして仰向けにした状態で休ませましょう。

心肺蘇生

救急車を待っている間に、心停止や呼吸停止に陥ってしまった場合は、一時救命措置として心肺蘇生を行う必要があります。

AEDを確保できる場合は、手順に従って使用しましょう。

胸骨圧迫
床の上など、体が沈まないかたい場所でやりましょう。
胸の間に手のひらの一番かたい部分を当て、胸が約5cm沈むくらいの強さで、押す→緩めるを1分間に100回位のペースで行います。
ただし、1歳未満の乳児の場合は、人さし指と中指の2本で行います。
人工呼吸
頭を押さえて、あごを持ち上げた状態で気道確保を行い、子どもの鼻と口を自分の口でおおい、約1秒かけて胸が上がる程度まで息を吹き込みます。
胸骨圧迫30回を行った後は、人工呼吸2回の割合で行い、救急車が到着するまで繰り返しましょう。

保護者、かかりつけ医へ連絡

他の保育士が状態を確認していたりエピペンの対応をしているときは、保護者とかかりつけ医への連絡を、手が空いている保育士が行いましょう。

かかりつけ医の連絡先については、生活管理指導表に記載のある医療機関名・医師名をあらかじめ確認しておき、万が一の場合に備えておくことが重要です。

報告書に記録

状況が落ち着いたら報告書に記録しておきましょう。

起こった状況や原因を詳細に記録し、園内で共有しておくことも大切です。

また、改めて改善しなければいけない点があった場合は、保護者との面談を再度設けたり、改善策を検討するなど事故防止の徹底に努めましょう。

まとめ

日常生活のさまざまな場面で起こりうるアレルギー対応。

特に、乳幼児に多く見られる「食物アレルギー」は、重点的に対策しておく必要があります。

重症化すると命を奪いかねないため、日頃からアレルギー対応について知識を深めることが大切です。

本記事を参考に、保育園でのアレルギー対策や対応方法など、もう一度見直してみましょう。

 

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