保育園の子どもが麻しん(はしか)にかかったら?対応方法を解説

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2024年3月現在、麻しん(はしか)が世界的に流行しており、日本国内でも感染が拡大しています。高熱や発疹を伴い、合併症を引き起こすリスクもある麻しん。保育園内で麻しんの感染が確認された場合、どのような対応が求められるのでしょうか。本記事では、保育士や子どもが麻しんにかからないための予防方法や、保育園内で感染者が出た場合の対応について解説します。

麻しん(はしか)とは?

現在流行中の麻しんとは、いったいどんな感染症なのでしょうか。
「はしか」という名前は聞いたことがあるかもしれませんが、具体的な症状を知らない人は少なくないでしょう。
ここでは、麻しんの具体的な症状や原因、感染経路などを解説します。

麻しんの症状と原因

麻しんとは通常、麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症のことで、一般的には「はしか」とも呼ばれています。

麻しんの初期症状には、高い発熱・咳・鼻づまり・目の充血などが含まれます。

その後、口の中に白い斑点が現れ、顔や体全体に赤い発疹が広がります。

特別な治療方法はなく、症状を軽くするための処置を行うことが一般的です。

前駆期(カタル期):2~4日間

38度~39度の発熱

咳・鼻水・くしゃみ

倦怠感・上気道炎症状・結膜炎症状が出現

乳幼児は下痢や腹痛などを伴う

口の中に白い斑点

 

発疹期:3~5日間

発熱が一旦落ち着き、再び39度以上に発熱

全身に赤い発疹

 

回復期

発疹が退色し、熱が下がる

参照:厚生労働省|麻疹の現状と今後の麻疹対策について

麻しんの感染経路

麻しんの感染経路は、空気感染・飛沫感染・接触感染です。

患者がくしゃみをするとウイルスが飛び散り、それを吸い込むことで感染してしまうのです。

非常に感染力が高いため、手洗いやうがいだけでは予防することができません。

免疫を持たない集団に感染者が1人いた場合

インフルエンザ:2~3人が感染

麻しん(はしか):16~21人が感染

参照:日本経済新聞|流行中のはしか インフルエンザより感染力は強い?

麻しんの合併症

麻しんにかかると、30%の割合で合併症を引き起こすとといわれています。

麻しんに伴う合併症は以下の通りです。

肺炎

中耳炎

脳炎

亜急性硬化性全脳炎 など

参照:厚生労働省|麻しんについて

これらの合併症は、特に幼い子どもや免疫力が低下している人にとって重篤な状態になる可能性があります。

そのため、麻しんは注意が必要な感染症の一つです。

>>>あわせて読みたい「保育士も要注意!秋以降に保育園でよく流行る感染症について」

>>>あわせて読みたい「春・夏に保育園で流行りやすい子どもの感染症について知ろう」

保育園での麻しんの予防方法

保育士や子どもたちが麻しんにかからないためには、どのような点に気を付けたらよいのでしょうか。
具体的な予防方法について解説します。

予防接種

麻しん感染を予防するためには、予防接種が非常に重要です。

一般的に、MMRワクチン(麻しん・風疹・おたふくかぜ)が定期接種として行われています。

おすすめの受け方

1歳になったらすぐ1回目を受ける

小学校入学前の1年間で2回目を受ける

このワクチンは1回目で95%、2回目で確実に免疫をつけるといわれており、2回の接種が推奨されています。

そのため、保育士で1回しか接種していない人は注意が必要です。

麻しんの罹患歴がなく、予防接種を2回受けていない場合は、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

手洗い・うがい

保育園では手洗いや消毒の徹底、感染者との接触の制限などの予防策も重要です。

しかし、先述の通り麻しんは非常に感染力が高い感染症です。

手洗いやうがい、マスクなどで完全に予防することはできないため注意しましょう。

>>>あわせて読みたい「【手洗い・うがい】年齢別!読み聞かせにおすすめの絵本8選」

保育園の子どもが麻しんにかかったら?

以下では、保育園で子どもの感染が確認された場合の対応について解説します。

感染した子どもを出席停止にする

麻しんは学校保健安全法で第二種感染症に指定されているため、感染した子どもは出席停止になります。

期間は解熱後3日を経過するまでですが、先述の通り麻しんには特別な治療方法がないため、症状によっては長期間保育園を休むことになるでしょう。

子どもの予防接種状況を確認する

保育園内で麻しんの感染が確認された場合は、同じクラスあるいは保育園に通うすべての子どもの保護者に、子どもの麻しん罹患歴や予防接種の記録を確認してもらいます。

母子手帳を確認してもらい、罹患歴やワクチン接種の記録がない場合は速やかにワクチン接種をお願いしましょう。

保護者の予防接種状況を確認する(6ヶ月未満児)

生後6ヶ月未満の乳児は、麻しんを予防するワクチンを接種することができません。

そのため、6ヶ月未満の園児がいる場合は、お母さんの罹患歴とワクチン接種歴を確認してもらいましょう。

お母さんに罹患歴かワクチン接種歴がある場合は赤ちゃんも免疫をもらっているため、感染する可能性が低くなります。

お母さんに免疫がない場合は、かかりつけ医に相談するよう伝えましょう。

参照:国立感染症研究所|麻しんQ&A(保育園, 幼稚園, 学校での麻疹の対応について)

麻しんに関する誤情報に注意

X(旧Twitter)を中心としたSNS上では、麻しんに関する誤った情報が拡散されています。

×ワクチン接種は危険である

×自然に感染して免疫をつけた方がよい

×ビタミンを摂取すれば治る

これらの情報は誤りであり、感染を拡大させたり症状を悪化させたりする危険があります。

保育園内で感染を広げないためにも、正しい情報を得ることが大切です。

参照:NHK|はしかの症状軽視も… ワクチン予防否定するSNSの誤情報に注意

まとめ

今回は、保育園における麻しんの予防や対応方法について解説しました。

保育園での麻しん感染は、子どもたちや保護者にとって深刻な問題です。

しかし、正しい予防策と迅速な対応によって、感染のリスクを最小限に抑えることができます。

基本的な手洗いうがいや予防接種などを行い、子どもたちの安全を守ることが大切です。

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