縦割り保育とは?メリット・デメリットを知ろう

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縦割り保育とは、年の差のある子どもたちが一緒のクラスで活動を行う取り組み方法です。近年少子化の影響もあり、取り入れている園が増えてきています。今回はそんな縦割り保育についてご紹介いたします。ねらいやメリット、デメリットを知ってぜひ現場で役立ててくださいね。

縦割り保育とは?どんなことをするの?

縦割り保育の活動内容は園によって異なりますが、共通しているのは、年の違う子どもたちが同じ空間で一緒に過ごすという点です。

外で活動する園もあれば室内で活動する園もあり、一日の大半を共に過ごしたりイベントのときに取り入れたりなど、行う場所や時間・時期も園によってさまざまです。

年も3歳~5歳までの子どもたちが一緒に過ごす園もあれば、0歳児~年長児まで一緒に過ごす園もあります。

縦割り保育のねらいとは

異なる年の子どもたちが一緒の空間で交流することで、調和性や社交性を培い、心の成長を育むことが縦割り保育のねらいです。

年の差があればできること・できないことが異なります。

お互い教えたり教わったり、相談したりなどさまざまな年齢に対応した能力が身に付くのです。

このようにコミュニケーション能力を伸ばしていく目的もあります。

縦割り保育のメリット【子ども編】

縦割り保育の活動を園に取り入れようと考えている場合は、良いところと悪いところを知る必要があります。

メリットとデメリットの両方を確認し知識を深めれば、よりよい状態で取り組めることでしょう。

年齢が違う子ども同士で学び合える

年上の子は年下の子に教えたり助けたり、などの行動を通して年上の自覚が生まれます。
そうして頼られることで自信もつくのです。

自分より小さい子どもに接することで、思いやりの心が芽生えるというねらいも。
年下の子は年上の子から教わったり助けられたりすることで、自らも小さい子に優しく接するようになるでしょう。

また年上の頼りがいある姿を見て、憧れを抱くかもしれません。
自分もこうなりたいと目標を持つようになり、向上心を抱くことでしょう。

年の違いがある子どもたち同士の交流で、人として大切な心の成長が自然と身に付くのです。

それぞれの違いを受け入れられる

縦割り保育では、さまざまな年の子どもたちが同じ空間で時を過ごすため、自分と人との違いを受け入れる力が養われます。

保育園を出て小学校に行くと、幅広い年の人たちと関わらなくてはなりません。

幼児期に幅広い年の子たちと活動経験を積むことで、未来へ向けた成長の糧として生かされるのです。

このように価値観の違いについて考えるきっかけを持てる点も、縦割り保育の魅力の1つです。

友だちの輪が広がる

縦割り保育では、同じ年の友だちと過ごしては経験できない遊びや関わりを持つことができます。

卒園後、小学校に上がったら他の学年に友だちがいる、という状況も。

他学年に友達がいることで、学校での居場所も広がることでしょう。

刺激をもらえる

同じ年の友だちと遊んでいるといつも同じような遊びで固定されがちですが、歳の違う子と過ごす場合、いつもとは違った遊びを提案されることも。

思いがけない遊びをしたり、同じ遊びでも新しい発見があったりと、たくさんの刺激を与え合えるでしょう。

柔軟な考えを受け入れ、与え合う力を存分に伸ばせます。

人と比べなくなる

同じ年の子が集まるクラスでは、たとえ4月生まれと3月生まれでも一緒の活動を行います。
この頃の子どもの成長は個人差がとても大きく、できる・できないの差が著しく開きます。

1年近くも年が離れているためできなくて当たり前なのですが、子どもにしてみれば「友だちができているのに自分はできない」と解釈してしまいがちです。
結果コンプレックスを抱えこんでしまうといった展開に。

その点、年の差がある子どもたちと過ごす時間は、やれることの程度も実に多様です。

自分ができなくても気にならない環境のため、人と自分を比べることもしません。
自分は自分、人は人、とありのままの状態を無意識に受け入れる能力が培われます。

自尊心が増長され、肯定感が高まるのですね。

縦割り保育のデメリット【子ども編】

異なる年の子どもたちが過ごす現場でのデメリットは、主に大人の目が行き届かないときに発生します。

年上の子の言いなりになってしまう

年齢幅があるコミュニティのため、力の強い年上の子が主導権を握ってしまうケースがあります。

年下の子は逆らえず、どうしても言いなりになってしまうことがあるようです。

そのような場面は大抵大人の目を盗んで行われるため、十分に気を付けていなければ見過ごしてしまいます。
理不尽な力関係が生じてしまわぬよう、注意しながら見守っていく必要があるでしょう。

見守りのサインとして、年下の子が登園を渋る、表情が暗いなどの症状が出たら要注意です。
力関係が生じてしまった場合は、保育士もとい大人として、きちんと対処していきましょう。

遊びのレベルが合わない

年上の子が年下の子のレベルに合わせて遊んだ場合、年上の子がつまらないと感じてしまう場合もあります。

初めは年下の子と接する機会が珍しく、遊びのレベルを合わせることもできますが、毎回続くとさすがにつまらなくなってしまうようです。

そんなときは子どもの纏っている雰囲気を感じ取って、いち早く動き対処しましょう。

縦割り保育のメリット【保育士編】

次に、保育士側から見たメリットをあげてみましょう。

学びが実践で行える

通常の活動では、ねらいを設けて、その目的に合った活動計画を立てて実行する必要があります。

しかし年の差のある子どもたちが集まっている場では、活動計画を立てなくとも子どもたち同士で自然に行われている、といったことが度々起こります。

例えば、3歳児と4歳児がおもちゃの取り合いで喧嘩になったときのこと。
仲裁に入らなければと思っていたところ、5歳児の年長さんがやってきて2人の間に入ってくれた、なんてことも。

保育士が活動計画を与えなくとも、子どもたちのコミュニティのなかでは常にこのような学びが行われているのです。

予想外の学びを得られる

同じ年の子どもたちが集まった空間では、行動やできごとにある程度の予測が付きます。

しかし年の差のある子どもたちが集まった空間では、予想しないことが多々発生し、常に刺激をもらえるといった効果も。

わざわざ学びの場を設けなくても、子どもたちが教え合い、学び合い、心を育む場を作っていくのです。

縦割り保育のデメリット【保育士編】

利点もあればもちろん欠点もあります。

どの年齢層にも対応できる楽しい内容が必要

年の差がある子ども同士で交流する縦割り保育。

発達段階がそれぞれ違うため、皆が興味を持てる活動内容を検討しなければなりません

通常の活動と異なる計画を練る必要があり、大きな負担がかかります。

危機管理能力が求められる

年の差がある分、力の差も大きく出るため、いつもの現場より危機管理を徹底する必要があります。

いじわるする子や、言いなりになってしまう子への対応も迅速に求められるため、油断している暇はありません。

バランスの良い活動が実施できるよう、常に工夫を凝らす柔軟な思考も必要不可欠です。

まとめ

お互いを認め認められ、成長し合える縦割り保育は、子どもたちだけでなく保育士側にも多くの良い効果があります。

しかし通常の活動では起こらないことも発生するため、いつでもサポートできる心構えが必要です。

メリットとデメリットを理解して、上手に活動計画に組み入れてくださいね。
 

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