お役立ち情報
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保育ドキュメンテーションは、保育の質を上げるためのツールとして現在、大変注目を集めています。写真などを通じて、保育内容が可視化されることで、子どもや保護者、保育者にとってさまざまなメリットがあります。今回は、保育ドキュメンテーションとは何か、その実践方法やメリットとデメリットについて紹介していきます。
■目次
保育ドキュメンテーションとは、保育現場における毎日の子どもの言動を写真や動画で撮影し、コメントや音声メッセージで記録したもの。
イタリアのレッジョ・エミリア教育が発祥で、子どもの個性や感性を大切にし、それを伸ばすことを目的とするいわゆる「保育記録」です。
普段の様子を継続して記録することで、子どもの興味・関心がどこに向いているのか、など行動の意味を理解し、保育につなげることができます。
保育記録は保育の質を上げる上で、重要な役割を果たしています。
そもそも保育記録とは、子どもの成長だけでなく、環境設定が適切だったか、自分の関わりがどうだったかなどを記録するもの。
これらを記録することで、子ども達が求めている援助が見えてきたり、どのような活動を取り入れる必要があるかなどが分かるようになります。
また、記録を残しておくことは、保護者との面談やトラブルがあった際にも役立ち、クラスだよりに記載するエピソードとして使うことも可能です。
保育ドキュメンテーションを利用することには、どんなメリットがあるのでしょうか。
以下の通り、説明します。
最大のメリットは、子どもの成長が目に見えるということでしょう。
活動を継続的に視覚的記録として残していくことで、どのように成長したか目に見えて分かるようになるのです。
活動後の振り返りとして活用すれば、何か新しいことに気づいたり、次の活動につなげたりすることができます。
保護者と子ども、保護者と保育者、保育士同士などさまざまな人との会話のきっかけ作りができることも、メリットの一つです。
保育ドキュメンテーションを共有された保護者は、子どもからもそのときの活動の様子を聞くことにより、イメージがしやすく、子どもとの会話を広げることができるでしょう。
また、保護者に実際に保育活動を見てもらい、保育園での様子を知ってもらうことで、保護者は保育理念や方針を理解することができ、安心感と信頼感が生まれます。
さらに保育士同士の場合、他クラスがどのような保育をしているのか直接目で見て分かるため、刺激し合いながらお互いを高められるようになり、保育の質を高めることにつながります。
保育ドキュメンテーションで活動を振り返ることで、環境は適切であったか、活動内容は子どもに合ったものであるかなど、次回の活動を行う上での改善点や課題が見えてきます。
計画・実践・評価を継続的に行うことは、今後の保育士としてのスキルアップにつながります。
また、保育の楽しさを再発見できるため、保育に対する意欲も高まるでしょう。
デメリットとしては、保育士の負担が増えるということが挙げられるでしょう。
保育士という仕事は、保育業務の他にも日々、多くの業務をこなさなければなりません。
そのため、記録物の振り返りの業務にまで手が回らず、保育ドキュメンテーションを取り入れたくても他の保育士から理解が得られないといったこともあります。
保育ドキュメンテーションは、継続することに意味があるため、継続できなければ上手く活用できているとはいえません。
現場に取り入れる場合は、日々の業務の効率化を図ったり役割分担をするなど、ある程度仕事面での工夫が必要でしょう。
保育ドキュメンテーションを現場に取り入れる場合、どのように始めたらよいのでしょうか。
ここでは、その実践方法を紹介していきます。
ただ単に、活動中の子ども達を見るのではなく、何に興味を持っているのか、何に関心があるのかという視点を持って観察しましょう。
例えば、子どもが楽しそうにしているときに、なぜ楽しそうにしているのか、どこに惹かれているのか、そこまで掘り下げる必要があります。
感情だけではなく、その先にある興味・関心に目を向けるようにしましょう。
保育活動の様子を写真や動画で撮影します。
表情を撮るだけではなく、活動の様子がしっかりと分かるように全体を映すようにしましょう。
製作物も立派なツールであるため、子ども達の様子と合わせて撮影しましょう。
写真にコメントをつけると、保護者に分かりやすく活動の様子を伝えることができます。
状況を説明するだけではなく、「どのような活動をしたのか」「何に興味を持って楽しんでいたのか」などを明確に記載すると説得力が増し、より伝わりやすいでしょう。
表現の仕方次第で、記録としての価値がどんどん上がります。
保護者や他の保育士と共有することで、各々子ども達の新しい成長を確認できます。
共有方法は、玄関先で動画を流したり、園だよりやクラスだより、保育園のホームページに写真を掲載したりなど、さまざまです。
また、クラスごとのドキュメンテーションについて、意見交換し合うような機会が定期的にあると、今後の保育の質を高めることにもつながります。
保育ドキュメンテーションで保育内容が可視化されることは、子どもがどのように成長しているかを振り返ることに役立ちます。
保育ドキュメンテーションは、親子や保育士同士の会話のきっかけとなったり、保育内容の改善点や課題を発見する機会となるなど、今後の保育の質を高めることにつながります。
保育ドキュメンテーションを取り入れる際は、保育士の負担にならないためにも、業務の効率化を図りつつ、仕事面での工夫を行っていくことが大切です。
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