どうしたらいい?保育園での外国人の保護者・子どもへの接し方

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近年、日本に住む外国人の増加に伴い、保育園でも外国人の保護者・子どもの受け入れをしている園が増えつつある状況です。ですが、いざ外国人の保護者・子どもを目の前にすると対応に戸惑ってしまうこともあるでしょう。今回は、外国人の保護者や子どもへの保育園での接し方について解説します。

保育士が外国人の子どもに対して不安なこと

外国人の子どもが増えているとはいえ、なかなか頻繁に出会うことはないでしょう。

保育士が外国人の子どもに対して感じる不安なことは、以下の通りです。

言葉を理解できない

最初は言葉が理解できないため、反応がないことがあります。

その際、どこまで理解できているのか確認することも難しいため、対応に悩んでしまうでしょう。

また、言葉が伝わらないために子ども同士の関わりがなかったり、トラブルを招いたりする恐れも出てきたりなどと、予想しにくいことが起こりやすいです。

ですが、時間とともに日本語の理解が飛躍的に進むこともあるため、日本での生活に慣れていけるよう焦らずに保育士がサポートしてあげることが大切です。

宗教・文化の違いによる食事

言葉の違いと同様、保育士が不安に感じることは食事についてではないでしょうか。

母国の食べ物とは味が違ってなかなか食事が進まなかったり、国によっては宗教の関係で食べてはいけない物があり、特別な配慮が必要になることもあります。

その場合は、保護者や栄養士と十分に話し合い、協力し合いながら乗り越えることが求められます。

例えば、家庭でも少しずつ日本食を取り入れてもらい、徐々に食べられる物のバリエーションを増やしたり、特定の食品を使わない食材で給食をしたり、といった配慮ができるでしょう。

このように、保育園では宗教や文化の違いにも臨機応変に対応することが重要です。

【保育園編】外国人保護者・子どもへの対応の仕方

担任の保育士だけではなく、園全体として考えていかないといけないこともあります。

自己判断せずに、園長先生に相談して、どこまで受け入れるかの線引きをすることが大切です。

宗教・文化・マナーなどの受け入れ

前述でも述べましたが、保育園では、食事のマナーや宗教により食べられない物などの対応方法やどこまで受け入れるのかを考えなくてはいけません。

もしも、その子だけいつも食べ残しがあると、他の子ども達は不思議に思ってしまうでしょう。

対応方法については、保育園の独断ではなく、保護者も交えた話し合いを事前に行って決めることが大切です。

大切なお知らせを伝える際は工夫する

なかなか伝わらない保護者に対して、どう伝えれば良いか悩むことも多いはずです。

保育園からの大切なお知らせを伝えるときは、イラストや写真を交えたお便りを渡したり、翻訳した形でお便りを渡したりなどの工夫をしてみましょう。

ですが、その子だけの特別な対応になってしまい、次年度の引き継ぎも必要となるため、一度保育士全員で話し合ってから対応することをおすすめします。

【保育士編】外国人保護者・子どもへの対応の仕方

基本的には、新入園児の親子の対応と変わりませんが、言葉や文化の違いがあるということを念頭に置いた対応が求められます。

外国人保護者・子どもへの具体的な対応の仕方は、以下の通りです。

気持ちを理解する

誰でも見知らぬ土地へ引っ越しをしたときは、不安ですよね。

外国人の親子も、知り合いが少なく不安を抱えているかもしれません。

そして、言葉や文化の違いなどによってさらに不安が募っている可能性もあります。

ベストなサポートができなくても、何かできることがないか声をかけてあげるなど気にかけるだけで心が落ち着くこともあります。

翻訳機能のあるアプリを活用する

スマートフォンのアプリの中には、話すと外国語に変えて音声を出してくれるものもあります。

伝えたい言葉がなかなか伝えられない場合は、こういったアプリを活用するのもコミュニケーションを取るうえで必要な方法です。

日本の文化を無理強いしない

子ども達に日本の伝統的な文化を伝えていくことも、保育園の大切な役割です。

外国人の保護者や子どもが好んで日本文化に親しみを感じてくれている場合は良いですが、そうではない場合は無理強いしてはいけません。

子どもの場合は、大人よりも周りに馴染みやすいため、時間をかけてゆっくりと日本の文化に接してもらうと良いでしょう。

母国の遊びを取り入れる

外国人の子どもが友達と触れ合う機会が見られないときは、母国の遊びを取り入れてみましょう。

イラストを使えば、言葉が伝わらなくても子どもも安心でき、友達と関わるきっかけとなります。

また、他の子どもにとっても、外国の文化に触れる良い機会になります。

ボディーランゲージに気をつける

日本では当たり前にしている動作が外国では失礼に当たることもあります。

日本と外国では意味が異なるものもあるため、注意が必要です。

例えば、頭をなでるのは、日本では可愛いなどの意味を持ちますが、国によっては頭に触ることは失礼になります。

また、手招きは、日本ではこっちに来てという意味ですが、アメリカではあっちに行けという意味になります。

あらかじめ、その国のボディーランゲージについて調べ、知識を身につけておくと良いでしょう。

日本特有の暗黙のルールを説明する

例えば、何かをするときに列に並ぶことは、日本ではごく自然なことですが、それを不思議に思う国もあります。

いきなり「並ぶ!」と言われても、中には理解できない子どももいるかもしれません。

具体的な行動とともにきちんと理由を説明し、何度も伝えていくようにしましょう。

見守ることも必要

必要以上に保育士がサポートしてしまうと、外国人の子どもが言葉や集団生活のルールなどを学ぶ機会を奪ってしまうことになります。

子どもは、少しずつ順応して行く力を持っているため、過度に手助けをせず、ときには一歩引いて見守りましょう。

実は、子ども達だけの方が馴染みやすいということもあります。

外国人保護者・子どものために保育士ができること

いきなり外国人の保護者・子どもと関わることになった場合、戸惑ってしまう保育士は多いでしょう。

ですが、言葉や文化は違えど、保育士でも外国人の保護者や子どものためにできることはあります。

自分の視野を広げられる機会にもなるため、ぜひこの機会に始めてみましょう。

外国語を学ぶ

コミュニケーションを通じて、人と人を知ることは世界共通です。

まずは、保護者や子どもとの日常のコミュニケーションで必要な単語から勉強してみましょう。

子どもが良く使っている単語や文章を聞き取って調べたり、保護者に聞いたりするのもおすすめです。

やり取りが難しい場合は、イラストや写真を用いて、単語で会話をするのも良いでしょう。

検定試験を受けるのも、一つの目標になって良いですね。

外国の文化を知る

外国の文化を知ることは、コミュニケーションや子どもと触れ合うことに役立つでしょう。

外国人が日本の文化を知ってくれていることに日本人として嬉しさを感じるように、外国人も自分の文化を知ってもらえることに喜んでくれるかもしれません。

保育活動の一環として、外国の文化について触れる機会を作れば、子ども達にとっても良い影響になります。

日本文化・マナーを学ぶ

日本の文化やマナーについて、外国人の保護者に説明する場面が出てきた際、きちんと正確に説明することができますか?

日本人だから当たり前に知っていると思っていることでも、本当は違ったということは意外にもよくあります。

冊子で独学して自宅で受けられるマナー検定もあるため、ぜひこの機会に、学んでみましょう。

まとめ

保育園に外国人の保護者・子どもがいるからといって不安に思う必要はありません。

グローバル社会に一歩踏み出すチャンスです。

人種・ジェンダーに限らず、皆と楽しく仲良く過ごせる機会が与えられた幸運だと思ってください。

捉え方次第では、自分自身の成長にもつながります。

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