子どもの試し行動にはどう対応したら良い?原因と対応方法を紹介

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子どもの試し行動は、保育士や保護者にとっての悩みの一つとなりがちです。適切な対応が分からないがゆえに、もしかすると間違った対応をしてしまっている可能性も…。今回は、子どもの試し行動に関する行動の原因や対処法について解説します。本記事を参考に、子どもの試し行動が減る方向に向くよう、正しい対応を身につけましょう。

試し行動とは?

2歳児では、なんでも「いや!」と言ういやいや期がありますが、それとは別に試し行動という言葉があります。

試し行動とは、大人の気を引くためや、気持ちを探るためにわざと迷惑をかける行為をすることです。

叱られてもまた同じことを繰り返して、どこまで許してもらえるのかを伺うこともあります。

この試し行動は、全てにおいて、愛情を確認するための行動だと言われています。

試し行動の具体的な行動や現れやすい場面を見ていきましょう。

具体的な試し行動

試し行動は、子ども自身もやってはいけないと分かっているにも関わらず、行動を起こしてしまいます。

ときには、保育士の顔色を見ながら行動を起こすことも…。具体的な試し行動は、以下の通りです。

友達の髪を引っ張る

お茶をこぼす

絵本を破る

大きな声を出す

おもちゃを投げる

注意されても走り回る

…など

試し行動が現れやすい場面

試し行動が現れやすい場面は、子どもによってさまざまです。

比較的現れやすいのは、環境の変化による不安や甘えがあるときです。

例えば、妹・弟が産まれて以前より構ってもらえなくなったときや、保育園に行き始めて家族以外の人と出会うなどが挙げられます。

後述しますが、試し行動が見られた際は、子どもの気持ちをしっかりと汲み取ってあげることが大切です。

 

子どもが試し行動をする理由・原因は?

試し行動は、環境の変化による不安や甘えたいと感じたときに現れやすいのですが、子どもの試し行動にはきちんとした理由があります。

愛情を確認するための行動であっても、一概に愛情不足が原因とは言い切れません。

試し行動の具体的な理由・原因は、以下の通りです。

かまってもらえないと感じたとき

家庭内の場合、例えば出産を控えているお母さんが、上の子どもにかまってあげられないとき、試し行動はよく見られます。

また、赤ちゃんが産まれた後にも、自分でご飯を食べなくなったり、歩かずに抱っこを求めたりなど赤ちゃん返りをする姿が見られがちです。

この場合は、赤ちゃんだけではなく自分も見てほしいという気持ちが行動に表れています。

保育園の場合は、大好きな先生が他の子どもばかりと遊んでいて、自分にはかまってくれないと感じたときに試し行動を起こすことがあります。

注目されたいと感じるとき

自分も注目されたい、先生の気を引きたいという気持ちの表れから、わざと怒られるような行動をすることもあります。

例えば、保育士と数人の子ども達で遊んでいるとき、1人の子が褒められたり、注目されたりしている中で、大声を出したり、注目されている子どもを叩いたりするなどです。

この場合、怒られても注目されたい気持ちが強く、どんどんエスカレートしがちです。

怒られると、注目してもらえると理解してしまうこともあるため、注意する必要があります。

環境の変化があったとき

引っ越しや転園、クラスが変わったときなど、初めて接する人はどんな人なのかを伺うために試し行動が出る場合があります。

また、子どもは、両親の離婚や再婚、祖父母との同居などの環境の変化に敏感です。

そのため、そのような不安感が試し行動に表れることもあります。

虐待を受けたとき

虐待を受けると、大人を信用できなくなり、試し行動をする子どもが多くいるようです。

この場合、幼児期の一時期に見られる試し行動とは異なり、大人になっても試し行動をしてしまうケースもあります。

嫌われているのではないか、自分は愛されているはずだと思う気持ちや、自分の居場所を確認するために、わざと大人に迷惑をかけてしまう行動を取ってしまいます。

 

保育士がすべき試し行動に対する適切な対応

愛されたい、かまって欲しいなどの気持ちが現れたり、どこまで許してもらえるかと様子を伺ったりする気持ちが試し行動として出ます。

それをきちんと理解せずに、頭ごなしに叱ったり、無視したりすると余計にエスカレートしたり、心を閉ざしたりしてしまうため、注意が必要です。

以下では、試し行動をした場合の適切な対応について、具体的に紹介します。

気持ちをしっかりと受け止める

子どもは一人一人、受け止めて欲しいと感じる度合いが異なるため、保育士自身どこまで受け止めるべきか悩むでしょう。

繰り返し行われるとついついイライラしてしまったり、ないがしろにしてしまったりしがちですが、まずは、子どもの気持ちを受け入れることを第一優先しましょう。

子どもは自分の気持ちを言葉で表現することがまだ難しいため、「なぜこのような行動をするのか」といったことを保育士が考える必要があります。

子どもは、自分の気持ちを受け入れてもらえることで、大人の話に耳を傾けるようになり、次第に試し行動も減っていくでしょう。

一貫した対応をする

前述では、子どもの気持ちを受け止めることが大切と述べましたが、してはいけないことはダメだときちんと伝えることも大切です。

また、「普段はお利口さんだからこのくらいなら許してあげよう」と、他の子どもと区別することは良くありません。

そうすることで、あの子は許されてるのに自分は許されないと感じ、保育士への信頼をも失いかねません。

きちんと「ダメなことはダメ」と叱り方に一貫性を持ちましょう。

叱った理由をきちんと伝える

意味も分からず、保育士に怒鳴られたという印象しか残らなければ、悪循環になってしまいます。

特に幼児期は、危険なことや社会のルールなどをきちんと一つ一つ説明して納得させていくことが大切です。

何度も注意したことでも、初めて話すように何度も何度も繰り返し伝えましょう。

根気が必要だという前提で考えていると、気持ちも楽になりますよ。

反応しすぎない

注目されたくて試し行動をしている場合、大人が反応しすぎると「悪いことをすると自分を見てもらえる」と子どもは思い、その行動を何度も繰り返すようになります。

なぜ試し行動をしているのか、保育士も様子を伺いながら反応することが大切です。

子ども一人一人に合った対応を心がけましょう。

こまめに愛情を伝える

試し行動は、不安感や不信感から出るものです。

そのため、子どもを叱った後は叱って終わりではなく「どんな行動をしても、○○ちゃん(くん)が大好きだよ」と愛情を伝えてあげることで、子どもは安心します。

また、試し行動に関わらず、日頃から「きちんとあなたのことを見ているよ」と伝えることも大切です。

 

まとめ

試し行動が続いて、悩み疲れてしまうこともあるかもしれません。

ですが、それは日々しっかりと子どもと向き合っているからこそのことです。

疲れてしまったときは、大人も誰かに相談したり、リフレッシュしたりしながらまた新たな気持ちで取り組みましょう。

あなたの行動で子どもの未来が変わるかもしれません。

一人一人違って大変だと感じることがあっても、楽しみながら頑張っていきましょう。

 

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