お役立ち情報
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保育士をしていると、シュタイナー教育という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。しかし、どんな内容か聞かれたら詳しく答えられる人は少ないのではないでしょうか?世界では、モンテッソーリ教育と並んで注目されている教育の一つです。日本では、なかなか見られない考え方が多く、知ると興味を持つ人も多いことでしょう。今回は、シュタイナー教育に関する特徴やメリットなどについて紹介します。
■目次
シュタイナー教育とは、子ども一人ひとりが自分の能力を最大限活かせるよう、子どもの個性を重視した教育法です。
哲学者のルドルフ・シュタイナー博士が提唱し、ドイツを中心に世界60ヵ国、1000校以上で実践されています。
100年もの歴史があるものの日本ではまだ馴染みが少ないですが、幼稚園をはじめ、保育園や認定こども園でこの教育法を取り入れているところが徐々に増えつつあるようです。
「人間は、7年を周期として節目が訪れ、学びや考え方が変わる」という考えから、0〜21歳の中で3段階に分け、発達段階に応じた教育方法を提案しています。
●0〜7歳:体を使って自由に遊ぶことを大切にする期間
●7〜14歳:芸術などにたくさん触れ、心を豊かにすることを大切する期間
●14〜21歳:論理的な思考など知力を養うことを重視する期間
上記のように、それぞれの期間で体・心・頭を育み、バランスの良い成長を大切にしていることが分かりますね。
シュタイナー教育では、体・心・頭のバランスが取れていないと、将来的に人間関係で問題が出ると考えられています。
そのため、シュタイナー教育では、一方的に教える授業ではなく、芸術や運動などをたくさん取り入れているのです。
シュタイナー教育では、人間は物質体・生命体・感情体・自我の4つの構成体でできていると考えられています。
それぞれ以下のように分けられています。
❶物質体・・・
0歳児で産まれる体そのもののことを指す❷生命体・・・
7歳頃に形成され、成長や繁殖の力のことを指す❸感情体・・・
14歳頃に形成され、喜怒哀楽のことを指す❹自我・・・
21歳頃に芽生え、自分の力で考えたり話をしたり”私”という意識を持ち始める要素のこと幼児教育の現場で行われているシュタイナー教育の主な特徴は、以下の通りです。
一般的な保育園では、年齢別のクラス編成である同年齢保育を導入するところがほとんどです。
ですが、シュタイナー教育が行われている保育園や幼稚園では、基本的に縦割り保育が導入されています。
その理由として、シュタイナー教育では、異年齢の子ども達が関わることを大切にしていることが挙げられます。
異年齢の子ども同士が関わることで、小さい子どもは、大きい子どもをお兄さん・お姉さんとして、大きい子どもは、小さい子どものお世話を行うような関係性が自然と作り上げられます。
このような関係性ができることで、思いやりや社会性を学ぶことができるのです。
シュタイナー教育では、受動的なテレビを見るという行為は良くないと考えられています。
健康的な心と体を育む幼児期には、静かな環境作りや目に優しい色を使った教室作りが重視されています。
また、体全体をバランスよく動かす運動が必要だと考えられており、サッカーや野球など、体の一部分を使う運動は推奨されていないようです。
あえて絵本や紙芝居は見ずに、言葉で物語を伝えることも、シュタイナー教育の特徴です。
これは、子どもたちが想像力を働かせやすい環境を作るためとされています。
また、感情を出さず、淡々と語るような口調にすることで、子どもの心に入りやすくしていきます。
オイリュトミーとは、美しい生演奏やその他の音楽、言葉に合わせて、身体で表現して楽しむものです。
オイリュトミーでは、正しくきれいに立つ・歩く・動くことを身につけることができ、集団で行うことから協調性が養われます。
よく耳にするリトミックでは、音楽が前提にあった上で身体的、感覚的能力を伸ばすことに意味を持つのに対し、オイリュトミーでは、言語・音楽の他に社会・治療という分野で行われることに大きな違いがあります。
現在の日本の教育ではなかなか見られないシュタイナー教育なだけに、たくさんのメリットがあります。
保育でシュタイナー教育を取り入れるメリットは、以下の通りです。
シュタイナー教育では、自分で考えていく力が養えることがメリットの一つとして挙げられます。
先生から教えられるのではなく、自分のペースで芸術や音楽などから感じ取ることや、自分なりに考えて行動することをシュタイナー教育では大切にしているのです。
また、個人の自由を尊重する教育法であるからこそ、幼児期には自分で物事を決断する機会があるようです。
このような経験を通して、決断力や自立心が養われ、将来自分で行動できる大人になることが期待されています。
シュタイナー教育では、言語や数を学ぶにしても、芸術や音楽などと交えて学ぶことができます。
このように芸術や音楽に触れる機会が多いことから、一般的な幼稚園や保育園に比べて、芸術性を高められます。
また、テレビなどのメディアに極力触れないよう避けるため、周りからの刺激が少なく、豊かな感受性を身につけることができます。
シュタイナー教育では、自由な生き方ができる人を育てることを目的としています。
そのため、一人ひとり自由に考え、学ぶことができる環境が整っており、それぞれの成長を開花させることができます。
そのため、将来は、自分らしい進路を選ぶことにつながるでしょう。
一方で、保育でシュタイナー教育を取り入れるデメリットは、以下の通りです。
シュタイナー教育は、一部の幼稚園や保育所で取り入れられていますが、まだまだ認知度は低いです。
その後の教育ではフリースクールで行っていることが多く、日本の場合、義務教育の小・中学校と重複して籍を持つこととなります。
日本の小学校では皆同じ教科書を使って一斉に授業を行うため、抵抗を感じるかもしれません。
シュタイナー教育では、テレビゲームはしない、絵本は見ないなど禁止されることが多いです。
また、点数を付けて評価する制度がないために競争心が出にくく、社会に出た際、少なからず影響を与えるでしょう。
日本での認知度が低く、現在の日本の教育とは大きく異なることも多いため、社会に出たときに大きなギャップを感じるかもしれません。
シュタイナー教育では、一人一人を尊重し、個人レベルで学んで行くため、社会性を育むのが難しい面もあります。
日本の教育からするとシュタイナー教育は独特で、社会に出た際、空気が読めないと思われ、孤立してしまう恐れも…。
シュタイナー教育の考え方そのものに囚われすぎず、子どもの成長に良いと思うものを上手に取り入れていくと良いでしょう。
シュタイナー教育は、今の日本の教育とは違う面がたくさんあり、注目されています。
奥が深く、すぐに理解することは難しかったり懸念される所も多くあったりしますが、こんな考え方もあるんだなという所から始めるのも良いでしょう。
シュタイナー教育に興味を持った方は、ぜひシュタイナー教育教員の資格取得を目指してみてください。
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