グレーゾーンと呼ばれる子ども|保育園でできる支援とは?

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保育士として働く中で、『グレーゾーン』という言葉を一度は耳にしたことがある方は多いかもしれません。保育園では『グレーゾーン』と呼ばれる子どもに対して、一人ひとりの特性に合った対応をすることが重要です。ですが、保育士の中には、関わり方に悩むという方もいるでしょう。以下では、グレーゾーンと呼ばれる子どもに関する特徴や保育園でできる支援などについて解説します。

グレーゾーンとは?

グレーゾーンとは、発達障がいの特性がみられるものの、全ての診断基準を満たしていない状態のことをいいます。

つまり、発達障がいの傾向は見られるけれど、しっかりとした診断には至っていないということです。

特に乳幼児期のうちは、発達や成長のスピードが一人ひとり異なります。

そのため、子どもに発達の遅れが見られたとしても、その原因が必ずしも発達障がいとは限らず、家庭環境や子どもの個性である可能性もあります。

そのようなことから、幼いうちから医療機関を受診しても「今はまだ様子を見ましょう」といわれることも少なくないのです。

 

グレーゾーンと呼ばれる子どもの特徴は?

グレーゾーンの子どもに見られる特徴は、乳児のときには目立たなくても、年齢が上がるにつれて集団の中で目立つようになります

以下では、グレーゾーンと呼ばれる子どもの主な特徴を紹介します。

落ち着きがない

こだわりが強い

物事を理解するのに時間がかかる

自分の思い通りにならないとかんしゃくを起こす

すぐに手が出たり、物を投げたりする

友達とのトラブルが多い

一人遊びを好む

衣服の着脱や準備、片付けなどの習慣が身につかない

呼びかけてもなかなか反応しない

好きな活動に没頭しやすく、切り替えるのが難しい

…など

グレーゾーンと呼ばれる子どもは、周りの子どもにできることが難しかったりできなかったりするため、不安を感じやすく、ストレスを抱えやすいといわれています。

中には、それを理解してくれない人もおり、「努力が足りないからだ」と心無い言葉を言われることも少なくありません。

そのため、自分自身を認められない”自己否定感”に陥りやすかったり、やる気や自信を失くしてしまいがちなのです。

 

保育士がすべきグレーゾーンの子どもとの関わり方は?

保育士の中には、グレーゾーンの子どもとどのように関われば良いかと悩む方もいることでしょう。

以下では、保育士がすべきグレーゾーンの子どもとの関わり方を紹介します。

自己肯定感を高められるような工夫

前述したように、グレーゾーンの子どもは他の子どもとの差を感じてしまい、自己否定感に陥りやすかったり自信を失ってしまいがちです。

ついつい苦手なことに目が行ってしまいますが、子どもが得意なことや好きなことに目を向けることが非常に大切です。

そして、子どもが何かを達成したら具体的に褒めたり、さらにその得意なことを伸ばしてあげましょう。

小さな成功体験を積み重ねることが、子どもの自己肯定感を高めるポイントです。

不安や苦手を取り除いた環境を作る

不安や苦手を取り除いた環境を作ることも、グレーゾーンの子どもと関わる上で重要なポイントです。

例えば、周りに人がいると落ち着きがなくなる子どもや集中力が続かない子どもの場合は、静かで安心できる保育室以外の場所を用意してあげると良いでしょう。

また、手先が不器用な子どもが製作などの手先を使用する活動に参加する場合は、使いやすい道具を用意してあげたり作業工程を簡単なものに変えてあげたりといった工夫をすることが大切です。

このように、子どもの不安や苦手を取り除いてあげることで、子どものやる気にもつながります。

 

保育園でできるグレーゾーンの子どもへの支援

保育園では、グレーゾーンの子どもが過ごしやすく安全な場所であると感じられるような支援をすることが大切です。

ですがそのためには、保護者や専門機関との連携が欠かせません。

以下では、保護者や専門機関との連携方法も併せて、保育園でできるグレーゾーンの子どもへの支援について紹介します。

子どもを見守る

グレーゾーンの子どもには、発達障がいの子どもによく見受けられる共通の特徴が表れることが多いです。

そのため、子どもの日々の行動や習慣をよく観察して、早く気づいて丁寧に成長を見守ることが大切です。

診断名ではなく、生活の中で何に困っているのか、どのような支援が必要なのかという視点で見ていきましょう。

特徴が目立つ場合には、専門家に相談することも保育園ができる支援への一歩です。

ユニバーサルデザインを取り入れる

日常の中で視覚支援や環境構成などの配慮を行うことで、全ての子どもたちが生活しやすくなります

例えばイラストや記号による説明といったような分かりやすい掲示は、グレーゾーンの子どもだけでなく、他の子どもにとっても過ごしやすい空間となるのです。

積極的にユニバーサルデザインを取り入れると良いでしょう。

保護者と連携した支援

保護者の気持ちに寄り添う

我が子の障がいの可能性を受け入れることは、保護者にとっては簡単なことではありません。

現実を受け入れられる段階になるまでに、長い時間が必要な場合もあります。

また、なかなか受け入れられず、保育士を無視したり怒ったりと強い反応を見せる保護者もいます。

全ては我が子を大切に思う気持ちからくるものだと考え、寄り添う姿勢で関わっていくことが大切です。

情報共有の徹底

子どもが見せる園での姿と、家庭での姿は大きく異なることがあります。

支援を進めていく際には、お互いの捉え方をしっかりと伝え合うことが大切です。

特に、グレーゾーンの子どもの場合、保護者が、子どもが抱えている困難さに気がついていない場合もあります。

早くから支援を進めていくことで、子ども自身が生活を送りやすいと感じられるようになります。

子どもの問題点ばかりを伝えるのではなく、良い面をしっかり伝えることが大切です。

そうすることで、保護者との信頼関係を築きながら、情報共有や連携の上、支援を始めていくことができるでしょう。

専門機関と連携した支援

巡回相談

保育園によっては、心理や発達の専門家である”巡回相談員”を定期的に招いて援助を受けるところもあります。

この巡回相談とは、実際に集団の中で生活する子どもの姿を巡回相談員に見てもらい、保育や支援の進め方について相談に乗ってもらうことです。

より詳しい専門知識を元に、個々に合った支援を提案してくれるでしょう。

また巡回相談では、保護者も希望すれば相談できることがあるため、保護者と園の間における支援の架け橋となります。

健診

市区町村の保健センターでは、1歳半・2歳・3歳児の健診を行い、主に保健師が相談に応じます。

特に、3歳児健診は満3歳から満4歳になる前の子どもを対象にして行われ、心身の発育状況を確認したり、障がいや病気の有無を確かめていち早く治療したり、支援を開始したりすることに役立っています。

個人差はありますが、3歳児は話したり、生活面でも自分でできることが増えてくる年齢です。

そのため、「発達に遅れがみられる」と初めて言われた、なんてこともあります。

 

まとめ

今回は、発達障がいの特性がみられるものの診断基準を全て満たした状態ではない、グレーゾーンの子どもについて解説しました。

グレーゾーンの子どもたちは生活の中で難しさを抱えていながら、なかなか支援にたどり着きづらい側面を持っています。

保育園では、子どもの姿を丁寧に見つめることで、より良い支援につなげていくことが大切です。

 

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