お役立ち情報
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6ヶ月~5歳頃の子どもが発熱したときに引き起こすことのある熱性けいれんですが、保育園内での発症も決して珍しくありません。保育園では、熱性けいれんを引き起こした子どもに対して保育士が適切に対応する必要があります。どのように対応して、どのタイミングで救急車を呼ぶべきなのでしょうか。今回は、熱性けいれんとは何か、保育園での対応方法や通報のタイミング、保育士ができることについて解説します。
■目次
熱性けいれんは、6ヶ月〜5歳頃の子どもが急な発熱に伴いけいれんを引き起こす病気のこと。
めずらしい病気ではなく、20〜30人に1人の子どもが経験するといわれています。
38度以上の発熱で起こることが多く、6歳頃を過ぎると徐々に症状を起こさなくなることが特徴です。
熱性けいれんで起こるけいれんはほとんどが良性で、明らかな原因がないといわれていますが、遺伝的要因があるのではないかといわれています。
参照:福岡市医師会|保育園・幼稚園におけるけいれん対応マニュアル
徳洲会グループ|熱性けいれん
熱性けいれんには主に2つの種類に分けられます。
発熱後24時間以内に全身性けいれんが始まり、意識を失いますが、15分以内で治まります。
24時間以内に2回以上繰り返して発症することがありません。
熱性けいれんの約9割が単純型であるといわれています。
発熱後24時間後にも起こることがあり、体の一部など局所的にけいれんを起こします。
けいれんは15分以上続き、一度の発熱で何度も繰り返すことがあります。
熱性けいれんの約1割が複雑型です。
一部てんかんに移行する例も報告されているため、単純型とは病院での治療方法が異なります。
熱性けいれんを引き起こすと、主に以下のような症状が現れます。
● ひきつけ
● 目を見開いて焦点が合わない
● 白目を剥く
● 脱力
● 全身を硬直させる
● 泡を吹く
● 呼びかけに応じない
● 全身の色が悪くなる(チアノーゼ)
● 嘔吐
● 失禁
熱性けいれんの症状は子どもによって異なります。
目の当たりにすると焦ってしまうような症状を起こしますが、保育士はパニックに陥らず、冷静に子どもの様子を確認し対応する必要があります。
保育園で発症に遭遇することも決してめずらしくない熱性けいれん。
保育園で熱性けいれんが発生したとき、保育士はどのように対応すべきでしょうか。
また、どのタイミングで救急車を呼ぶべきでしょうか。
<保育園での熱性けいれん対応のポイント>
・5分以上続く場合は救急車を呼ぶ
・体を横にして寝かせる
・強く揺さぶらない
・経過を記録する
・回復するまで観察を続ける
・保護者への迅速な連絡
まずけいれんが発生した時刻を確認し、けいれんがどれくらい続いているかの把握をします。
もしけいれんが5分以上続く場合は救急車を呼び、救急隊の指示を仰ぎましょう。
5分以内でけいれんが止まった場合も様子を見守り続け、当日中にできるだけ早く医療機関を受診します。
また初めてけいれんを起こした場合、1歳児未満の年少児の場合は、ただちに救急車を呼ぶことも考えましょう。
熱性けいれんが発生した際に、最も注意するべきことは嘔吐物による窒息。
スムーズに嘔吐できるように、体を横にして寝かせることも大切です。
また気道確保できるように、頭を少し後ろにそらしましょう。
この際に飲み物を飲ませたり、口の中に指や割り箸を入れてかきだそうとしたりすることはNGです。
熱性けいれんの発生を目の当たりにすると、誰でも動揺してしまいます。
しかし「大丈夫!?」と体を強く揺さぶったり、叩いたりしてはいけません。
嘔吐物を窒息・誤嚥してしまう可能性があり危険です。
先述のように、ゆっくり体を横にして寝かせるようにしましょう。
熱性けいれんが出た子どもの対応には必ず複数の保育士が対応し、その場にいる誰かが様子を記録するようにしましょう。
具体的にはスマホやタブレットのビデオで撮影することが、経過記録に最も有効です。
けいれんの仕方を医師に見せることができ、より適切な診断につながります。
熱性けいれんの症状が治まるまでは、目を離さず見守ることが大切ですが、症状が治まった後もしばらく観察を続けることが重要です。
複雑型熱性けいれんの場合は、繰り返しけいれんを起こす可能性があります。
また治まった後は、なるべく早めに医療機関を受診するようにしましょう。
けいれん症状には、稀に重大な疾患が隠れていることがあります。
そういった点は保育士には判断できないため、医師に診察してもらうことが必要です。
熱性けいれんを引き起こした場合、保護者に迅速に連絡します。
救急車を呼んだことや、医療機関に連れていくことなどを報告しましょう。
救急車の搬送や医療機関への受診に対して、保護者の許可を待っていては手遅れになってしまうことがあるため、園の判断で対応を行ったことも説明します。
その後の対応や翌日以降の当園のことは、医師の指示に仰ぐ旨を伝えましょう。
参照:福岡市医師会|保育園・幼稚園におけるけいれん対応マニュアル
医療法人社団健尚会 千葉市認可保育園 幕張本郷ナーサリー|熱性けいれん
突然起こる子どもの熱性けいれんに対して、保育士は普段からどのような対策をすることができるのでしょうか。
万が一園内で発生した際に冷静に対応できるよう、園全体で取り組みを行うことが大切です。
熱性けいれんは先述のとおり、20〜30人に1人の子どもが経験するといわれています。
決してめずらしい病気ではなく、保育園で数人は経験する割合です。
保育の現場ではめずらしくないものであるという認識をしましょう。
熱性けいれんについての理解を深めることは、いざ子どもの発症に遭遇した際に適切な対応をすることにつながります。
先述では「けいれんが5分続けば救急車を呼ぶ」と記載しましたが、これはあくまで目安。
5分経過する前に呼んでもOKです。
どのくらいで救急車を呼ぶか、保育園独自の基準を決めておくことで万が一のときに行動しやすくなります。
<救急車を呼ぶ基準例>
● けいれん発生から5分経過時点
● 初めてのけいれんの場合(即時通報)
● 1歳未満のけいれんの場合(即時通報)
● 園責任者や看護師不在の場合(即時通報)
● 少人数勤務の際(即時通報)
またこれらの基準はあらかじめ保護者に共有し、万が一の際に園の判断で救急車を呼ぶことを了承してもらいましょう。
保育園で熱性けいれんの対応マニュアルを作成することも大切です。
発生から症状が治まるまでのフローチャートを作成すると、対応が初めての場合でも分かりやすく、適切に対応できます。
またマニュアルは作成するだけでなく、全員に共有し、定期的に実践的な訓練を行うことも大切です。
6ヶ月~5歳までの子どもにとってめずらしくない、熱性けいれん。
保育園で子どもの発症に遭遇した際、保育士は慌てず冷静に対応することが求められます。
いざというときに適切に対応できるよう、熱性けいれんについてしっかり学んでおきましょう。
保育園では対応方法を統一させ、マニュアルとして共有するなどの取り組みが必要です。
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