お役立ち情報
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“子どもたちがはじめて手にとるSDGsの絵本”として『みんながヒーロー SDGsとまほうのカギ』が発売されました。制作は、世界35ヶ国5万人以上の“笑顔”を取材してきたNPO法人MERRY PROJECT(メリープロジェクト)。今回は、法人代表の水谷孝次さん、絵本著者の金田あさみさんにインタビューを行い、絵本に込められた想いをお届けします。
■目次
物心がつく(知恵がつき、育まれる)3歳からの幼児をターゲットにした、SDGsの仕掛け絵本が登場しました。
この絵本は、付属の「鍵」と「キーワード」を使って子どもたちに具体的なアクションを想像させ、地球の未来について考えるきっかけを提供します。
主人公は、魔法の鍵を持つ小さなヒーロー。
17個の扉が現れ、その向こうには様々な問題が待ち受けています。
扉の向こうには、ゴミに絡まったカモメさんや枯れた大地の痩せた木、笑顔を失った子どもたちの姿が……。
小さなヒーローは、魔法の鍵で扉を開け、みんなを助けに向かいます。
合言葉は「カチャ カチャ ガッチャン!」
出典:amazon.co.jp
>>>あわせて読みたい「SDGsってなに?保育の現場で子どもに分かりやすく教えるには」
金田あさみさん(左)、水谷孝次さん(右)
――1999年から24年間(取材時)にわたり、世界35ヶ国5万人以上の“笑顔”を取材してきたMERRY PROJECT。この活動には、どういった目的があるのでしょうか。
(水谷さん)MERRY PROJECTは、“笑顔は世界共通のコミュニケーション”をテーマに、世界中の人々へ笑顔を届ける活動を行う団体です。
MERRYの意味は、楽しいこと、幸せなとき、そして将来の夢。「メリークリスマス」のメリーですね。
私はこれまで世界の貧しい国々や被災地などを訪問し、子どもたちに「あなたのMERRYは何ですか?」と問いかけてきました。
HAPPYなら単純で答えやすいですが、MERRYとなると複雑です。1時間近く悩んで文章にまとめる子や、即答で「アイスクリーム!」と答える子など、個性豊かなんですよ。
中には「私に笑顔をくれたYOU(あなた)こそ私のMERRYよ」と言ってくれる子もいました。
私たちはそうやって集めた笑顔の写真とメッセージを、さまざまな形でアート・デザインに展開し、世界へ発信しています。
――そんなMERRY PROJECTが、今回SDGsの絵本を出版するに至った経緯を教えてください。
(水谷さん)当団体は大阪・関西万博の共創パートナーでもあり、絵本『みんながヒーロー』も、万博の共創チャレンジ認定プロジェクトとして始動しました。
私はこれまでの活動を通して、子どもたちの笑顔は未来への希望だと実感してきました。
しかし、世界にはあらゆる理由で笑顔になれない子どもたちがたくさんいます。その問題を解決するために向き合うべき取り組みがSDGsです。
参照:TEAM EXPO 2025|特定非営利活動法人MERRY PROJECT
(金田さん)SDGsを達成させるためには、未来を担う子どもたちへのESD(SDGsの教育)が不可欠です。
以前にもMERRY PROJECTからSDGsに関する絵本を出したことがあったのですが、その内容は主に就学児向けでした。
ですが「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、自我が芽生える幼児期にこそ、私たちの絵本を読んでほしかった。
そこで今回の絵本を企画・デザインすることになりました。
――『みんながヒーロー』は普通の絵本と違った仕掛けが施されているそうですね。
(金田さん)書店にはさまざまなSDGsの絵本が並んでいますが、幼児にはやや難しいものが多い印象があります。
一方で『みんながヒーロー』は、付属の鍵を鍵穴に差し込み「カチャ カチャ ガッチャン!」と唱えると扉が開く仕掛けになっており、子どもたちの興味を引く構成です。
ページをめくって読むだけではなく、「鍵をあける」「扉を開く」という動作を行うことで、“問題を解決するためには、自らアクションを起こすことが大切である”ということを伝えたいです。
(金田さん)また、子どもって、鍵とドアが大好きなんですよ。
そこからインスピレーションを得て、「SDGsを学ぶこと」を前提にではなく、仕掛け絵本を通じて、楽しみながら自然にSDGsが身につく絵本を目指しました。
さらに、内容にも大きな仕掛けがあります。
例えば地球温暖化で「シロクマさんが泣いている」というページには、扉を開ける前に「ピカピカ消してスイッチオフ」というヒントを記し、子どもたちに気づきを与えられるよう工夫しました。
――保育士は、『みんながヒーロー』を保育現場でどう活用すべきでしょうか。
(金田さん)この絵本は、さいたま市私立保育園協会会長である大野智子様の推薦絵本にもなっており、次のようなコメントをいただいています。
まほうのカギが、子どもたちの心をワクワクさせてくれると同時に、
環境にやさしい行動も教えてくれる、素敵な絵本です。
(金田さん)その関係で先日、保育関係のイベントに参加したのですが、そこでもSDGs絵本の需要の高さを肌で感じました。
SDGsを題材にした幼児向けの絵本が少ないため、手作りの絵本で読み聞かせをしている保育士さんも多いんです。
(水谷さん)保育士さんたちには、絵本に描かれているさまざまな問題に対して、子どもたちと一緒に解決策を考えていただきたいです。
それがどんなに無茶なことでも構いません。夢がある解決方法の方がよいのです。
ダメだと諦めずに、子どもたちなりに考えることが大切です。
(水谷さん)そのように解決のためのアクションを考えることを繰り返すことで、大人になっても考え、課題を乗り越えるように成長します。
まさに保育士の皆さんは、地球を救うヒーローを育てているという素晴らしい職業です。
先生と子どもたちが笑顔でコミュニケーションをとり、魔法の鍵で何が起こったかを想像することで、SDGs教育に役立てていただけると嬉しいですね。
――最後に、保育士をはじめとする読者に向けたメッセージをお願いします。
(水谷さん)SDGsのファーストアクションは笑顔です。そのために、まずはあなたが笑顔になりましょう。
あなたが笑顔になれば、あなたの周りが笑顔になる。小さな平和は、やがて大きな平和につながります。
あなたが笑顔になったら、次はあなたの隣りにいる人を笑顔にしましょう。
どんなことをしたら、あなたの周りの人は笑顔になりますか?
SDGsを達成するために社会問題を解決していくと、その結果として生まれるものは、やっぱり笑顔です。
ゴールには、みんなの笑顔が待っています。
だからアクションすることが大事なんです。
目指すは”MERRY”な笑顔を増やすことを一番に考える社会。
笑顔はメリーゴーランドです。その第一歩として『みんながヒーロー』を、ぜひご活用いただきたいですね。
MERRY PROJECT(メリープロジェクト)
「笑顔は世界共通のコミュニケーション」をテーマに、世界35カ国5万人以上の笑顔を撮影・取材。
アート・デザインの力でMERRY(楽しいこと、幸せなとき、将来の夢など)の輪を広げるコミュニケーションプロジェクト。
2005年愛知万博「愛・地球広場」にてシンボルコンテンツ「MERRY EXPO」を展開。2008年北京オリンピック開会式では、世界中の子どもたちの笑顔が傘にプリントされた「笑顔の傘」が世界に発信された。2016年~2021年 東京2020年オリンピックパラリンピック競技大会公認・渋谷区文化プログラムイベント企画・運営。2025年大阪・関西万博共創パートナー/チャレンジ認証。第50回・第52回・第54回グッドデザイン賞、第14回桑沢デザインオブザイヤー賞、第1回エコ・アート大賞エコ・コミュニケーション賞、第1回・第5回キッズデザイン賞など受賞。
HP:https://www.merryproject.com/
水谷孝次さん
NPO法人 MERRY PROJECT 代表理事
株式会社水谷事務所 代表取締役社長・アートディレクター
日本デザインセンターを経て、1983年水谷事務所設立。東京ADC賞、JAGDA新人賞、N.Y.ADC国際展・金賞、銀賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ展金賞・特別賞など多数。代表作として、森永製菓「inゼリー」「in BAR」パッケージ・ロゴマークデザイン、全日本空輸「ANA世界キャンペーン(ANA’s China、ANA’s NY、ANA’s PARIS他)」他。2008年北京オリンピック開会式芸術顧問。2010年1月TBS系列「情熱大陸」に出演。東京オリンピック大会聖火ランナーに選出。
HP:http://www.mizutanistudio.com/
金田あさみさん
『みんながヒーロー SDGsとまほうのカギ』著者
グラフィックデザイナー・イラストレーター
美容・食・健康・生活をテーマにした書籍や雑誌、番組内イラスト、イベントフライヤーなど、幅広い媒体で活動中。NHK Eテレ「趣味どきっ!おひさまライフ」番組ロゴ・イラストレーション、東京2020パラリンピック競技大会/渋谷区文化プログラム「MERRY SMILE SHIBUYA 2020」、港区_東京2020応援プログラム推進事業「MERRY SMILE MINATO」メインビジュアルイラスト、ドクターシーラボ「健康通信」、旺文社「螢雪時代」他。
HP:https://kasami8787.wixsite.com/my-site
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