2024年4月創設の資格!こども家庭ソーシャルワーカーとは?

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2024年の4月に創設が予定されている「こども家庭ソーシャルワーカー」についてご存知ですか。近年、虐待や育児放棄など保護や支援が必要な子どもが増える中、幅広い現場での活躍を期待されている資格です。今回は、こども家庭ソーシャルワーカーについて、資格の詳細や取得方法などを詳しく解説します。注目されている資格であるため、資格取得をぜひ検討してみてください。

こども家庭ソーシャルワーカーとは?

資格が創設される背景

近年、テレビやインターネットなどで、子どもの虐待に関する報道が相次いでいます。

保育園や病院などで虐待に気付き、通報してもなお、救えなかった命が存在するのです。

令和4年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は約22万件であり、これは32年連続での過去最多更新でした。

そこで政府は、児童虐待の防止・早期発見・対応・自立支援まで切れ目のない対応を目指し、こども家庭ソーシャルワーカーを2024年の4月から創設することを決定しました。

参照:こども家庭庁|令和4年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数

>>>あわせて読みたい「保育士の行き過ぎた指導とは?不適切保育の実態と原因・対策など」

こども家庭ソーシャルワーカーは民間資格

2024年4月時点では、こども家庭ソーシャルワーカーは民間資格に位置付けられます。

一定の実務経験者が研修を受けて試験に合格した後、認定される資格です。

国家資格化についてはまだ検討の段階で、2026年を目安に再検討されることが決まっています。
 

こども家庭ソーシャルワーカーが働ける場所

こども家庭ソーシャルワーカーは、こども家庭福祉の現場で幅広く活躍できる専門家です。

この資格を持つ人は、児童相談所をはじめ、児童養護施設や地方自治体の児童虐待部門などで、相談支援員として活躍することが期待されています。

また児童福祉法では、この新たな資格を児童福祉司の認定資格として位置付けられることが注目されています。

近年、児童相談所などで働く児童福祉司の人材確保が難しくなっている中で、スキルアップやキャリア形成を促すことにより、長期的な人材の確保を図ろうとしているのです。

こども家庭ソーシャルワーカーの役割

こども家庭ソーシャルワーカーは、こども福祉の現場で幅広く活躍する実務経験者という位置付けです。

この資格には、児童相談所など相談業務を担当する施設において、基本的な内容から難しい判断が要求される内容まで、中間程度の専門性が期待されています。

こども家庭ソーシャルワーカー取得のための条件

こども家庭ソーシャルワーカーの資格を取得できるのは、一定期間の実務経験を積んだ人です。

研修を受け、試験に合格することで、こども家庭ソーシャルワーカーに認定されます。

児童相談所や児童養護施設など、児童虐待に深く関わる児童福祉司は、半数近くが勤続年数3年未満という現状があります。

この状況に対して、専門職として十分に知識経験がある人を早く育成するため、国の基準を満たした人のみが取得できるようになっているのです。


資格を取得する条件は、以下の3パターンです。

①社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持っている
相談援助経験が2年以上ある人が対象です。
基準以上の相談援助業務を行なっていない場合は、追加で研修を受ける必要があります。
②相談援助実務経験が4年以上ある
新資格導入後、期限付きで行われる過渡的措置です。
ソーシャルワークに係る研修を97.5時間と、こども家庭福祉指定研修100.5時間を受けた後、試験に合格して認定されます。
③保育所等で働く保育士
こちらも、②と同じく新資格導入後、期限付きで行われる過渡的措置です。
規定の役職以上の保育士(保育所長・主任保育士・副主任保育士)または地域連携促進員で、相談援助経験が4年以上ある人が対象です。
ソーシャルワークに係る研修を165時間と、こども家庭福祉指定研修100.5時間を受けた後、試験に合格して認定されます。

実務経験として認められる施設の一例

児童相談所

児童養護施設

母子生活支援施設

障がい児入所施設

児童自立支援施設

児童発達支援センター

乳児院 など


相談支援を行ったことが証明できる場合に、実務経験として認められる施設の一例

保健所

診療所および病院

老人福祉センター

地域包括センター

少年院 など

こども家庭ソーシャルワーカー資格の試験・研修内容

試験の内容

試験は、年に1回以上実施される予定です。

現時点では、厚生労働省から認定を受けた民間機構による開催となります。

解答は選択式で、こども家庭福祉に関する基礎的な事柄に関することが内容になる予定です。

現段階では筆記試験のみが実施され、実技試験は検討されていません。

しかし、導入後に変わる可能性もあるため、随時確認することが大切です。
 

研修の内容

ソーシャルワークに係る研修
ソーシャルワークに係る研修は、②相談実務経験が4年以上の人は計97.5時間、③保育所等で働く保育士は計165時間受講する必要があります。
内容は、講義(ソーシャルワークの基盤と専門性・ソーシャルワークの理論と方法・地域福祉と包括的支援体制)・演習(ソーシャルワークI・ソーシャルワークII)・見学実習の3種類です。
こども家庭福祉指定研修
こども家庭福祉指定研修は、対象者全員が受講するもの計100.5時間と、①社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持っている人の中で追加研修が必要なもの計24時間に分かれます。

こども家庭ソーシャルワーカー資格取得のメリット

近年は子どもを取り巻く環境が厳しくなっており、こども家庭ソーシャルワーカーは非常に重要視されています。
以下では、こども家庭ソーシャルワーカー資格取得のメリットを紹介します。

キャリアアップになる

子どもの虐待が多様化する中、専門性の高いこども家庭ソーシャルワーカーの研修を受けるだけでも勉強になります。

近年では新たに「こども家庭ソーシャルワーカー科」を取り扱う専門学校も増加しています。

これらの学校では国が定める必要研修以上のカリキュラムが組まれているため、より深い知識を身に付けられるようです。

専門知識を身に付けることで仕事の幅が広がり、キャリアアップにもつながりますよ。

昇給につながる

こども家庭ソーシャルワーカーの資格を持っていると、資格手当がもらえる可能性があります。

実務経験者が研修を受けるという専門性の高い資格であるため、給与アップの交渉にも使えるでしょう。

現時点では民間資格ですが、今後国家資格化も検討されているため、周りと差を付けられるかもしれません。

就職や転職で有利になる

児童福祉司の多くが勤続年数3年未満という中で、認定資格であるこども家庭ソーシャルワーカー取得者の存在は大きくなります。

実務経験者が研修を受けて資格を取得するため、現場で基礎を教える必要がなく、即戦力として活躍できます。

また、資格を持っていることをアピールすれば、就職・転職の際にも有利になるでしょう。

参照:厚生労働省|こども家庭福祉の認定資格(こども家庭ソーシャルワーカー)

まとめ

2024年4月から新しく「こども家庭ソーシャルワーカー」という資格が導入されます。

今後、虐待の増加傾向に対応するためにも、子どもに関する専門性の高い資格は需要が高まるでしょう。

将来的には国家資格化も検討されているため、研修費の補助が予定されている今のうちに、キャリアアップを目指して取得するのもおすすめです。

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