児童発達支援管理責任者(児発管)になるには?要件や研修のこと

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障がいを持つ子どもたちの支援を実施する施設において、現場をリードする役割を担う児童発達支援管理責任者(児発管)。障がい児や子どもたちに対する支援の専門職として、社会に欠かせない存在です。そんな児発管になるためには、さまざまな要件をクリアすることが必要。今回は、児発管になるための要件や研修についてまとめてみました。

※本記事でご紹介する資格要件や研修の内容は、各都道府県によって異なることがあるため、必ず勤務する自治体の情報を確認するようにしましょう。

児童発達支援管理責任者とは

児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障がいを持つ子どもたちが利用する障がい児支援施設において、現場をリードし施設運営を円滑に行う役割を担う職種のこと。

子ども一人ひとりのサポート内容に沿った「個別支援計画書」の作成をはじめ、個別支援の提供とモニタリング、職員達への指導などを行うなど、業務内容は多岐に渡ります。

放課後等デイサービスや児童発達支援などといった障がい児支援施設においては、1人以上の児童発達支援管理責任者の配置が必要であると、児童福祉法により義務付けられています

児童発達支援管理責任者の仕事内容

児童発達支援管理責任者が担う仕事は、施設や職場環境により異なりますが、一般的には以下のような業務を行います。

アセスメント(子どもたちの分析、記録)

個別支援計画書の作成

提供する支援のモニタリング

支援の評価やフィードバック

スタッフへの養育指導

保護者や本人とのカウンセリング

事務作業

児童発達支援管理責任者になるには

児童発達支援管理責任者の資格を得るには、実務経験の要件を満たし、2つの研修を修了することが必要です。

以下では、資格取得までの具体的な流れを解説します。

❶実務経験の要件を満たす

まずは指定年数以上の実務経験を満たすことが必須です。

実務経験の要件は3パターンあり、いずれかの要件をクリアすることで認められます。

パターン1:通算5年以上の相談支援業務経験がある

相談支援義務とは、障がいを持つ本人や家族に対して助言や指導などを行う業務のことを指します。

具体的には、施設の相談員やカウンセラーなどが上げられます。

なお「実務経験1年」として認められるには、業務に従事した日数が年間180日以上必要
そのため5年以上の実務経験とは、900日以上業務に従事するということになります。

以下の施設・事業での業務を通算5年以上、そのうち障がい者や子どもを対象とした業務に従事している期間を3年以上経験していることが必要です。

業務内容該当する施設・事業
相談支援事業に従事する者 地域生活支援事業・障害児相談支援事業・身体障害者相談支援事業・知的障害者相談支援事業
相談機関等において相談支援業務に従事する者 児童相談所・児童家庭支援センター ・身体障害者更生相談所・精神障害者社会復帰施設・知的障害者更生相談所・福祉事務所・発達障害者支援センター
施設等において相談支援業務に従事する者 障害児入所施設・乳児院・児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設・障害者支援施設・精神保健福祉センター ・救護施設* ・更生施設*・老人福祉施設*・介護老人保健施設*・地域包括支援センター* (*印は障がい者や子どもを対象とした業務従事期間には加算されない施設・事業)
就労支援に関する相談支援の業務に従事する者 障害者職業センター・障害者就業、生活支援センター
学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)において相談支援の業務に従事する者 幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・高等専門学校
医療機関において相談支援業務に従事する者 病院・診療所

パターン2:通算5年以上の直接支援業務経験がある

直接支援業務とは、施設利用者の食事・入浴・排泄などの介護業務や、日常生活での動作や職業訓練を行う業務を指します。

保育士資格などの必要な資格を保持している場合は、年間180日以上の従事で「実務経験1年」とし、通算5年以上で900日以上の従事日数が必要となります。

以下の施設・事業での業務を通算5年以上、そのうち障がい者や子どもを対象とした業務に従事している期間を3年以上経験していることが必要です。

業務内容該当する施設・事業
施設等において介護業務に従事する者 障害児入所施設・助産施設・乳児院・母子生活支援施設・保育所・幼保連携型認定こども園・児童厚生施設・児童家庭支援センター・児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設・障害者支援施設・老人福祉施設*・介護老人保健施設*・病院又は診療所の療養病床関係病室*(*印は障がい者や子どもを対象とした業務従事期間には加算されない施設・事業)
事業所等において介護業務に従事する者 障害児通所支援事業・児童自立生活援助事業・放課後児童健全育成事業・子育て短期支援事業・乳児家庭全戸訪問事業・養育支援訪問事業・小規模保育事業・地域子育て支援拠点事業・一時預かり事業・小規模住居型児童養育事業・家庭的保育事業・居宅訪問型保育事業・事業所内保育事業・病児保育事業・子育て援助活動支援事業・障害福祉サービス事業
医療機関等において介護業務に従事する者 保険医療機関・保険薬局・訪問看護事業所
障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事する者 特例子会社*・助成金受給事業所*(*印は障がい者や子どもを対象とした業務従事期間には加算されない施設・事業)
学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)において業務に従事する者 幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・高等専門学校

なお以下のいずれかの資格を保持していない場合、必要な従事期間が「通算8年以上かつ1,440日以上」に延長されるため、注意が必要です。

従事期間が「通算8年以上かつ1,440日以上」になる場合

・保育士資格を保持していない場合
・社会福祉主事任用資格/児童指導員任用資格を保持していない場合
・介護職員初任者研修を修了/訪問介護員2級以上を保持していない場合

パターン3:該当する国家資格を持ち、実務経験がある

該当の国家資格を必要とする業務を通算5年以上従事している場合、障がい児や子どもに対する相談支援・直接支援業務に通算3年以上携わっていれば、要件を満たしていることとなります。

国家資格を必要とする業務の従事期間と相談支援・直接支援業務の従事期間は、同時期でも問題ありません。

また以下の国家資格を保持していても、資格を使用しない業務に携わっていなかった場合は実務経験に加算されないため、注意が必要です。
(例:看護師免許を持っていながら医療事務業務のみを行っていた場合など)

該当する国家資格
医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・管理栄養士・栄養士・精神保健福祉士

❷研修を修了する

3パターンのうちいずれかの実務要件を満たすと、児童発達支援管理責任者になるための研修を受講することができます。

初回に必須となる研修は基礎研修」「実践研修」の2種類があり、その両方を修了することが必要です。

基礎研修を受講する

児童発達支援管理責任者としての支援の考え方や個別支援計画の作成方法など、基本的な姿勢について受講します。

基礎研修の内容は以下の2つがあります。

  • 相談支援従事者初心者研修の講義の一部を受講(計11時間)
  • サービス管理責任者等研修の講義・演習を受講(計15時間)

また基礎研修は、先述した実務経験が2年満たない段階からでも受講が可能です。

実践研修を受講する

実践講習では、児童福祉に関する最近の動向や人材育成、現場での実務などについての研修を受講します。
グループワークでの演習で行われることが多く、より実践的な講習となります。

実践講習では以下の講習を受講します。

  • 児童発達支援管理責任者実践研修の講義と演習(計14.5時間)

また実践講習を受講するには、過去5年間のうち、2年以上相談支援業務あるいは直接支援業務に従事した経験が必要となります。

【5年毎の更新時にのみ】更新研修を受講する

児童発達支援管理責任者は5年ごとの更新が必要で、更新の際には「更新研修」を受講することが必須となっています。

更新研修については自治体ごとに内容がさまざまであり、専門分野別の講習を行っているケースもあります。

児童発達支援管理責任者が活躍する職場

晴れて児童発達支援管理責任者としての資格を得たあとは、具体的にどのような職場で勤務することになるのでしょうか。

主に「障がい児通所施設」と「障がい児入所施設」の2つに分けられます。

放課後等デイサービスや児童発達支援などが挙げられる「障がい児通所施設」は、子どもたちが家から通いながら支援を受けることを目的とした施設。
一方で「障がい児入所施設」では、子どもたちが施設に入所する形で日々を過ごし、日常生活に関する動作や習慣を訓練します。

それぞれの施設例を具体的に挙げてみました。

障がい児通所施設

・放課後等デイサービス
・児童発達支援
・医療型児童発達支援
・居宅訪問型児童発達支援
・保育所等訪問支援

障がい児入所施設

・福祉型障がい児入所施設
・医療型障がい児入所施設

 

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