お役立ち情報
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保育園には、大きく分けて「設定保育」と「自由保育」の2つがあります。設定保育の園でも、自由保育の時間を設けるなど、子どもの主体性を大切にするという考えから、自由保育を取り入れる保育園は徐々に増えています。設定保育と自由保育の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて、正しく知っておきましょう。
保育園での保育は、大きく分けて「設定保育」と「自由保育」の2つに分けられます。
以下では、具体的にそれぞれの内容や特徴、保育士の役割について説明します。
設定保育とは、保育士が定めた目標やねらいをもとに日々の保育を行うことです。
「一斉保育」とも呼ばれ、保育士が活動の時間や内容を計画的に設定し、クラス全体で一緒に取り組みます。
バラバラに散らばって遊ぶことはありませんが、集団の中で、子どもたちが自由に会話や想像を楽しみながら取り組むこともあります。
設定保育では、さまざまな活動をクラス全体または少人数のグループに分かれて行います。
保育士が決めた活動内容を子どもに提案するため、いわば「保育士中心の保育」ともいえます。
しかし、保育士の提案を必ず実行してもらうわけではなく、一人ひとりの成長や個人差に合わせて、柔軟に保育することを理想とする場合が多いでしょう。
クラス全体で同時に活動することで、子どもの「できること」と「できないこと(苦手なこと)」が発見しやすいという特徴があります。
設定保育の中で、保育士が求められる役割は、以下の点が挙げられます。
●子どもの成長や個人差に応じて目標やねらいを設定し指導案を作成する
●クラス全体に目を配り、さらに苦手な子どもへの個別的な対応に配慮しながらサポートする
●子どものできる範囲や人数に応じて、適切な時間や場所を設定する
一斉に活動することで、遊びにつまづく子どもにも気がつきやすくなります。
一人ひとりの子どもをよく観察し、適切にサポートすることが重要な役割です。
設定保育を行うメリットについて見てみましょう。
設定保育の利点は、「計画的」に進められること。
時間の管理や準備もきちんとできるため、ダラダラとした保育になりにくいことがポイントです。
粘土や絵の具で遊ぶ際には、事前に保護者へ「明日は汚れてもよい服装で登園してください」など、全体的に呼びかけることも可能です。
メリットに続き、デメリットについても考えてみましょう。
設定保育の難点は、アイデアが浮かばず悩んでしまったり、常に「何をすればよいのか」保育士が考えなければいけない点です。
子どもたちが飽きずに楽しく遊んでくれるアイデアを日々考え続けることは、簡単なことではありません。
また、保育士が遊びを提案したり、事前に準備することで、子どもが遊びに対して受け身になることも。
遊びが単調になることで、子どもの想像力や独創性が育ちにくくなることも考えられます。
自由保育とは、文字通りクラスで一つのことをするのでなく、子どもが自由な環境で遊ぶことができる保育のことです。
子どもの意思を尊重し、自発的な行動や自主性を育てる保育ともいえます。
何をするか、どう遊ぶかは、子ども自身が選択します。
中には、室内遊びだけでなく、外遊びもできるよう環境設定している保育園もあるようです。
自由保育の場合、子どもたちが保育士の声掛けのもと集団で同じ活動をするのではなく、子どもが自分で考え、遊びを選択することが特徴です。
遊びごとに保育室内、園庭での遊び場が設定されており、保育士はそれぞれの場所に付いて保育します。
保育士が子どもと一緒になって遊べることも自由保育の特徴と言えるでしょう。
ただし、自由保育では、子どもに事故やトラブルが起きないよう常に気を配る必要があります。
自由保育の中で、保育士が求められる役割は、以下の点が挙げられます。
●一人ひとりの子どもの気分や興味に合わせ、楽しく遊べるような環境を整える
●遊びの中で声をかけたりアドバイスすることで、遊びの幅がどんどん広がるようにする
●危険な行動をしていないか、トラブルが起きそうな場面はないか、常にそばにいて気を配る
子どもの主体性や自主性を尊重し、関心を持って好きなように遊べる環境を整えることが重要です。
また、子ども達が自由に遊ぶことで、目を離した隙に怪我をしたり、子ども同士が喧嘩や取り合いをしてトラブルになることも予測しなくてはいけません。
迅速に対応できるよう、子どもたちの行動に注意して広く目を配ることが、保育士の大切な役割です。
自由保育のメリットは何なのかについて考えてみましょう。
子どもが「今どんな遊びが好きか」保育士が把握しやすく、一人ひとりに合わせた柔軟な接し方ができるのが利点です。
「こういう特徴の子ども」という理解も深まります。
メリットが多いように感じる自由保育ですが、デメリットも存在します。
自由な雰囲気は、積極性が強く行動的な子どもにとってはのびのび遊べる反面、内向的な子どもは遊びの選択に迷ったり、輪の中に入りづらいことも。
そのため、常に保育士の配慮と目配せが必要です。
「自由」の線引きは難しく、実際、自由保育の進め方は保育園によってさまざまなのです。
午前は 設定保育、午後は自由保育、というように両方取り入れている保育園もあります。
では、自由保育はどのように進めると効果的なのでしょうか。
一例をご紹介します。
●「絵本コーナー」「造形コーナー」「ままごとコーナー」など各コーナーを区切って遊びを展開する
●子どもの発達段階に合わせた玩具を数種用意し、好きな玩具で自由に選んでもらう
●午前中は園庭で自由に遊び、午後は室内で自由遊びをする
●お集まりや帰りの会の時に「今日は何をして遊んだ?」と、一人ずつに聞いてみる
コーナーや区切りなどを設け、子どもたちが入り混じって雑然としまうことのないよう配慮している保育園もあるようです。
コーナー内で遊ぶことで、子どもたちも落ち着いた環境で遊びに集中できるでしょう。
今日はどの遊びが楽しかったか感想を聞いたり、帰りの会などで発表してもらうのもよいですね。
>>>あわせて読みたい「コーナー保育とは?子どもがワクワクする環境を作り上げよう」
最近では、保育園によって保育の進め方も多種多様になってきています。
園によって異なる保育の仕方に対応していかなければいけません。
転職した保育園で「前の保育園とやり方が全然違う」と戸惑った保育士もいるでしょう。
これから保育園へ就職を考えている方や、転職を視野に入れている保育士に、ぜひ「自由保育」「設定保育」について参考となれば幸いです。
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