保育士の離職率はどれくらい?高いって本当?職場選びのポイント

更新日:

離職率が高いというイメージを多く持たれる保育士。実際のところ、保育士の離職率がどれくらいなのかご存知でしょうか?離職率は保育園によっても異なり、離職率が高い・低い保育園にはそれぞれ特徴があります。今回は、保育士の離職率や主な離職理由、職場選びのポイントについて解説します。

保育士の離職率はどれくらい?

厚生労働省が行った「平成28年及び平成29年社会福祉施設等調査」によると、保育所に勤務する保育士全体の離職率は9.3%であり、私営保育所においては10.7%という結果が出ています。

このことから1年に約1割の保育士が退職していることが分かります。

ちなみに公営保育所の離職率は5.9%となり、その理由として、私営保育所よりも比較的福利厚生や待遇面が充実している傾向にあることが挙げられます。
参照:厚生労働省|「保育士の現状と主な取組」

他業種と比較すると?

平成29年における業種別の離職率については、以下の通りです。

業種離職率
宿泊業、飲食サービス業 30.0%
生活関連サービス業、娯楽業 22.1%
サービス業(他に分類されないもの) 18.1%

参照:厚生労働省|「平成29年雇用動向調査結果の概況」

前述で述べた保育士の離職率と比較すると、他業種の離職率の方が高いことが分かりますね。

離職率が高いというイメージがある保育士ですが、特別高いわけではないのです。

保育士の主な離職理由

保育士を辞めてしまう主な離職理由は、以下の通りです。

人間関係

人間関係は、保育士の離職理由として最も多く挙げられます。

保育現場では、子どもの安全を守るためにも、業務を円滑に進めるためにも、保育士同士の連携が欠かせません。

にも関わらず職場の人間関係がギスギスしていると、業務も滞ってしまい、働きづらくなってしまいます。

また職場の人間関係だけでなく、保護者とも毎日コミュニケーションを取ることも保育士の仕事です。

保護者の中には、過剰な要求をしてきたり大げさに怒ったりとさまざまな人がいます。

苦手意識を感じたとしても、平等に接しなければならないため、精神的疲労にもつながります。

給与割りに仕事量が合わない

一般の業種と比較して給与が低く、かつ仕事量が多いことも離職理由の一つです。

保育士の仕事量は非常に多く、残業や持ち帰り仕事をする保育士も多いようです。

仕事量が多くなってしまう背景には、保育士不足の問題があります。

近年ではさまざまな処遇改善の措置が行われておりますが、保育士の不満を解消するにはまだ難しいと考えられます。
>>>あわせて読みたい「保育業界の問題点とは?問題が起こる原因や改善策について」

 

離職率が高い保育園の特徴

離職率が高い保育園には、以下のような特徴があります。

みなし残業が多い

慢性的に保育士の人手が不足している保育園の場合、保育士一人ひとりの仕事量が増え、みなし残業が多くなってしまう傾向にあります。

そもそも保育士は、残業することが珍しくありません。

特にイベントや行事が多い保育園では、保育士が一貫して業務を行うため、必然的に仕事量が多くなってしまいます。

きちんと賃金が発生する時間外労働であればそこまで大きな問題にはなりませんが、賃金が発生しない時間外労働であれば、辞めたくなるのも当然です。

また残業が常態化している保育園の場合、自分だけ定時で上がりづらい雰囲気ができているケースもあり、結果離職率が高くなってしまう原因となります。

休みが取りづらい

休みが取りづらく、有休消化率が低いことも離職率が高い保育園に見られる特徴です。

保育士の人手が不足している保育園の場合、休みをしっかりと取れず、体調不良であっても出勤しなければならないことも…。

また保育園によっては、希望している休みの日であってもシフトに組み込まれてしまうケースもあります。

休みが取れなければプライベートを充実させることができず、モチベーションが下がってしまう一方です。

保育士同士の人間関係が悪い

前述で述べた保育士の主な離職理由でも挙げたように、保育士同士の人間関係は離職に大きく関わります。

保育方針や保育観の違い、性格の不一致などといったことが「人間関係のもつれ」を引き起こします。

また保育業界は女性が多く、保育園という閉鎖的な環境からいじめや陰口が横行しやすいです。

このように人間関係の悪さから、退職に至る保育士は多く見られます。

相場よりも給与が低い

前述でも述べましたが、保育士は一般の業種よりも比較的、給与が低い傾向にあります。

その理由として、保育園では人件費がかかることに加えて利益が出ないシステムであることが挙げられます。

特に未満児の保育では、配置する保育士の人数が以上児よりも必要であるため、人件費が非常にかかってしまいます。

この人件費を抑え利益を出すために、保育士の給与が相場よりも低く設定されている場合があるのです。

働きやすい職場選びのポイント

反対に、離職率が低く働きやすい保育園にもいくつかの特徴があります。

ぜひ職場選びの参考として、以下のポイントをチェックしてみてください。

保育士の人数が多く残業が少ない

保育士の人数が多く余裕がある保育園は、離職率が低く働きやすい職場といえます。

保育園の規模に対して十分な保育士が確保できていれば、仕事の負担が減り、余裕を持って仕事をすることができるでしょう。

また他の保育士が保育をしている間に事務作業ができたりすることもあるため、比較的残業や持ち帰り仕事が少ないといえます。

加えてシフト制を導入している保育園では、きちんと仕事が分業化され、人手に余裕がある傾向があります。

実際に保育園見学に参加し、勤務している保育士の人数や働く様子を見て、どのくらいの忙しさなのかをチェックすることも大切です。

子育てをしている保育士が多い

福利厚生が充実している保育園には、子育てをしている保育士が多い傾向にあります。

出産後も保育士として長く働き続けられる職場は、新人保育士から見ても安心できますよね。

また子育てをしていると、子どもの体調不良などを理由に急な休みや早退が多くなりがちです。

そういったイレギュラーな事態にも対応できる保育園は、保育士の人手が多く、余裕がある体制を取っていると考えられます。

保育士同士の人間関係が良い

保育士同士の会話が多く人間関係が良い職場は、雰囲気も良く働きやすいです。

保育士は多くの仕事をこなさなければならず、その仕事量を効率的に進めるためには、保育士同士の助け合いが不可欠です。

特に新人保育士であれば分からないことや不安なことをすぐに相談できる先輩保育士がいると安心ですよね。

人間関係が良好な保育園ではコミュニケーションを積極的に行うため、「聞きづらい…」といったことはありません。

こうした人間関係を確認する際は、保育園見学に参加し、実際に働いている保育士を観察してみましょう。

有給消化率が高い

きちんと休日や有給休暇を取得できる保育園も、離職率が低いといえるでしょう。

比較的保育士の人数が多い保育園では、休日や有給休暇が取得しやすい傾向にあります。

プライベートな時間が充実していると、仕事のモチベーションアップにもつながりますね。

求人情報では「年間休日120日以上・週休2日制・祝日休み」といったところを確認してみると良いでしょう。

年間休日120日以上の求人を探す

 

まとめ

離職率が高いと思われがちな保育士ですが、他業種と比較してみると特別高いわけではありません。

ですが他業種よりも給与が低いことや仕事量が多いことから、離職率が高いというイメージがついてしまっていると考えられます。

職場環境や待遇面から離職を検討している保育士やこれから保育士を目指す方は、ぜひ一度働きやすい職場選びのポイントを参考にしてみてください。

働くうえで一番大切なことは、自分に合った職場です。

「探し方が分からない」「自分に合った職場が分からない」という方は、転職エージェントに相談することも一つの方法です。

ぜひ自分に合った職場を見つけてくださいね。

アドバイザーに相談する

 

保育士さんの転職サポートは【保育求人ラボ】


【保育求人ラボ】は専門のアドバイザーがあなたに合った保育園・幼稚園の求人をご提案させていただきます。ご不安な点やご希望などしっかりとヒアリングさせていただき、サポートさせていただきます。まずはお気軽にお問い合せください。

お電話で無料お問い合わせ 簡単!Webで無料お問い合せ

 

InstagramTikTokYouTubeにてお役立ち情報更新中!
フォロー・いいね・コメントよろしくお願いします♪