お役立ち情報
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保育園による、送迎バスやお散歩での園児置き去りが増加しています。残念ながら、幼い命が亡くなってしまう重大な事故も起きており、今一度事故を防ぐための対策を考える必要があります。今回は、なぜ園児置き去りの事故が起きてしまうのか、その要因や保育園でできる対策について解説します。
2022年9月5日、静岡県の幼稚園で3歳の児童が送迎バスの中に置き去りにされ、熱中症で亡くなる事故が起きました。
また、昨年の夏にも同様に、5歳の児童が送迎バスの中に置き去りにされ、亡くなる事故が起きています。
園児の置き去り事故は絶対に起きてはならないことですが、残念なことに珍しいことではありません。
また、送迎バスだけでなく、大切な保育活動の一つでもあるお散歩においても園児の置き去りは多発しているのが現状です。
一歩間違えれば、今回の事故のように、子どもの幼い命を奪ってしまう重大な事故に発展してしまいかねません。
保育園においては、実態把握や再発防止のための仕組み作りをすることが非常に重要です。
内閣府によると、2021年に全国の保育所や幼稚園、認定こども園において子どもがケガなどをした事故の件数は、2,347件となっています。
そのうち、子どもが睡眠中や送迎バス内の置き去りによって死亡した事故は、5件となっています。
保育園における保育事故は、重大事故の報告が義務付けられた2015年以降、増加傾向にあるようです。
ただし、置き去りについては国に報告する必要がなく、保育施設側にも報告を求めていない自治体が多いため、全体像を把握することは難しいのが現状です。
参照:内閣府|「「令和3年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表について 」
なぜ園児の置き去り事故は起きてしまうのでしょうか?
保育園で起きる置き去り事故について考えられる要因は、以下の通りです。
まずは、保育の基本である安全面に対する意識の薄れにより、置き去り事故が起きてしまうことが挙げられます。
ある程度経験を積むと、仕事に対する余裕が生まれ、慣れや安心という気持ちが出てくるでしょう。
例えば、お散歩の場合、注意しなければならない場所や子ども達の様子などが次第に分かるようになり、「大丈夫だろう」という考えをするようになってしまうかもしれません。
そのような過信から、本来行うべき人数確認を怠り、子どもの把握が不十分になってしまうことが考えられます。
保育園は、大切な子どもの命を預かる場所であることから、防犯や防災、事故など多くのマニュアルが存在します。
その中の事故に関するマニュアルにおいては、各自治体より事故防止マニュアルの作成のための手引書が設定されているなど、事故防止に注力されています。
保育園にある事故防止マニュアルを保育士一人ひとりがきちんと把握し、理解することで、置き去りを始めとした事故は未然に防ぐことができるでしょう。
しかし、実際のところ、そういったマニュアルが保育士全員に周知されていない園もあることが考えられます。
マニュアルを把握していないために事故が起きてしまうリスクは、十分にあり得るのです。
保育業界では、度々保育士の不足問題が取り沙汰され、その問題は非常に深刻といえます。
その影響から、国や自治体が定める保育士の配置基準をギリギリ満たしているという園は少なくありません。
国が定める配置基準は、最低でも2名の保育士が必要と定められています。
3歳児を保育する場合は、保育士1名に対し子ども20人の保育が可能で、4歳児を保育する場合は、保育士1名に対し子ども30人の保育が可能です。
一度、このような状況においてのお散歩を想像してみてください。
仮に、3歳児30人のクラスでは、配置される保育士は2名となりますが、保育士2名だけで3歳児30人の引率は、非常に危険です。
ですが、保育士が不足しているために、このようなギリギリの人数で保育園を運営している園があることも事実なのです。
>>>あわせて読みたい「保育士の配置基準とは?国や地方自治体の違いや計算方法について」
保育士間のコミュニケーションが不足していることも、要因の一つとして挙げられます。
保育をするうえで、保育士間のコミュニケーションは必要不可欠です。
人間関係が良好な職場であれば、何か問題が起こりそうなときもフォローし合えたり、指摘し合えたりできるでしょう。
しかし、保育士の人間関係は、退職理由の上位にも挙がるほど問題視されています。
保育士の人間関係が悪化しているために、コミュニケーションが不足しており、事故の発生につながることも十分に考えられます。
置き去り事故は、基本的なことを改めて徹底することで未然に防ぐことができます。
保育園でできる園児置き去りを防ぐ対策は、以下の通りです。
送迎バスやお散歩を含む園外活動において、出発時と到着時の人数確認は基本です。
児童名簿を確認しながら、園児の名前を呼びながら人数を把握しましょう。
また、複数の保育士の目で確認する方法も有効です。
確認漏れなどの確認ミスにも気づくことができます。
お散歩で訪れた広い公園や送迎バスの座席など、子どもがどこにいるのか、異変はないかということを常に保育士全員で確認することも重要です。
保育士全員で確認することで、問題が起こる前の「何かおかしい」という異常事態を察知できる可能性があります。
お互いが声に出し合い、保育士一人ひとりが全体をしっかりと把握するよう努めましょう。
リスクマネジメントは、常に最悪の状況を想定し、その被害を未然に防いだり、被害を最小限に抑えるための対策を考え、管理することです。
もしも、園児を置き去りにしてしまいそうになった状況があったのであれば、それは必ずリスクマネジメントに加える必要があります。
「何もなくて良かった」と終わらせるのではなく、どのような状況でそうなったのか・その状況が長時間続いていたらどうなっていたのか・長時間でなくても暑さが加わっていたらどうなっていたのか…といった最悪の場合を考え、対策をすることが重要です。
定期的にリスクマネジメントを見直すことで、事故を未然に防ぐことにつながります。
園児の置き去り事故は、残念ながら増加傾向にあるのが現状です。
しかし、保育士一人ひとりが基本を徹底することで、重大な事故を未然に防ぐことができます。
大切な子どもの命を守るためにも、今一度基本を振り返り、見直すことが大切です。
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