【保育士必見】児童票を効率的に書くには？書き方やポイントなど

保育士の業務の一つである、児童票の作成。児童票は、子ども一人ひとりの在籍記録や保育記録、成長過程などをまとめた書類です。特に保育経過記録は、子どもの成長過程を文章で分かりやすくまとめることが大切です。ですが、保育士の中には「どうやって書いたら良いか分からない」と悩む方も多いでしょう。今回は、児童票の書き方に関するポイントや効率的に書くコツについて解説します。

児童票は何のために必要？

児童票は、子ども一人ひとりの在籍記録や保育記録、成長過程などを簡潔にまとめた書類です。

基本的に進級時の引き継ぎの際、子どもへの理解を深めるための参考資料として使用します。

特に児童票の項目の一つにある”保育経過記録”は、保育の質の向上に関わる重要な項目です。

保育士から見た子どもの姿を文章にしてまとめる必要があるため、難しさを感じる保育士は少なくありません。

子どもの個性や成長が文章だけでイメージできるよう、丁寧に書くことが求められます。

児童票の項目

児童票の内容や構成は、保育園や自治体によってさまざまです。

基本的には、以下のような項目を書くところが多いでしょう。

【年齢別】児童票の書き方

年齢別にまとめた児童票の書き方は、以下の通りです。

●0～1歳児

0歳児

0歳児は、特に成長が目覚ましい時期です。

保育中の睡眠や授乳、排せつ、その日の機嫌などの様子を細かく記録することが大切です。

＜例文＞

・入園当初はなかなか寝付けず、睡眠時間が短かったが、頭をなでると落ち着き、徐々に長く眠れるようになった。

・保育者に対しての安心感が芽生え始め、泣いていても抱っこをしてあげると落ち着くようになった。

1歳児

1歳児は、1人で立てるようになり、行動範囲が広がる時期です。

それと同時に、自我が芽生え、さまざまなことに興味関心を持ち始めます。

子どもが興味を持った物事や遊びなどから、エピソードを盛り込むと良いでしょう。

＜例文＞

・仕掛け絵本に興味を持ち、保育者に手渡しする姿が見られた。「びよーん」「ぴょん」などの擬音語を発して読み聞かせすると、手をたたいて笑う。

・散歩に行く準備をすると、喜びながら靴を自分で履こうとする姿が見られた。

 

●2～3歳児

2歳児

2歳児は、言葉が増え始め、遊びの幅も広がる時期です。

身の回りのことも1人でできるようになってくるため、その点についてまとめたり、周囲への関心について記録することが大切です。

＜例文＞

・入園当初は1人遊びを好んでいたが、人形やブロックなどのおもちゃで友達と楽しく遊ぶ機会が増えた。

・トイレトレーニングを開始。〇月には、初めて排せつができて嬉しそうに笑う姿が見られた。

3歳児

3歳児は、社会性や主体性、観察力など、さまざまな発達が見られる時期です。

コミュニケーションを取れるようにもなることから、集団遊びもできるようになります。

遊びの中での友達との関わり方や、好きな遊びについて記録すると良いでしょう。

＜例文＞

・ピーマンが苦手で食べられなかった。だが、野菜の栽培を通して食育に興味を持ち、給食の時間にはピーマンを頑張って食べる姿が見られた。

・友達3〜4人で、動物の鳴き真似やごっこ遊びを楽しむ姿がよく見られる。

 

●4～5歳児

4歳児

4歳児は、意思の疎通がスムーズに取れるようになり、保育園生活が安定してくる時期です。

友達との関わりも増えるため、人間関係に関するエピソードを交えながら、成長した姿を記録しましょう。

＜例文＞

・友達と言い合いになることもあったが自ら解決し、協力しながらごっこ遊びで使用するグッズの製作を行なっていた。

・鉛筆の持ち方が安定し、自由時間には、お手紙を一生懸命書いている姿をよく見る。

5歳児

5歳児は、生活面においてはほぼ自立しており、社会性も育ってくる時期です。

遊びにおいては、複雑なルールも理解できるようになり、遊びの幅が広がる時期でもあります。

保育士が仲介に入らずとも、子ども同士で何かを成し遂げたり、チャレンジしたりする姿を記録していくと良いでしょう。

＜例文＞

・年下の子どもに優しく遊び方を教えてあげたり、お世話をしたりする姿が見られる。

・嫌いな食べ物にチャレンジする友達を見て、「頑張れ！」と応援する姿が見られた。

 

保育士が児童票を書く際のポイント

特に文章を書くことが苦手な保育士の中には、児童票の作成は骨の折れる作業だと感じている人もいるでしょう。

保育士が児童票を効率的に書くポイントは、以下の通りです。

①ネガティブなことは書かない

子ども達の様子や成長に関することで、ネガティブなことや否定的な表現を使うことはNGです。

児童票は、次年度に引き継がれる保育士が参考資料として使用することに加えて、保護者からの開示請求があれば保護者も確認することができます。

そこにネガティブなことが書かれていた場合、他の保育士に先入観を与えてしまったり、保護者に不快な思いをさせてしまう可能性があります。

肯定的、かつ柔らかい表現で書くことを心がけましょう。

②常にメモを取る

保育経過記録を書く際の参考となるよう、子どもの成長が感じられたときや気づきがあったときはメモを取る習慣をつけましょう。

保育士は毎日多くの子どもと関わるため、一人ひとりの成長を頭で記憶することは難しいです。

こまめにメモを取ることで、見返した際に、はっきりとそのときの子ども達の様子を思い出すことができるでしょう。

また、人数が多く一人ひとりを観察することが難しい場合は、グループ観察として計画を立てると、観察しやすいかもしれません。

③エピソードは具体的に

エピソードは、文章を読んだ相手がイメージできるよう具体的に書くことが大切です。

また、保育士の主観ではなく、子どもの個性がしっかりと伝わるように事実メインで書くことも重要です。

文章の書き方の1つである”5W1H”を意識した書き方をすると、相手に分かりやすく伝えることができます。
＞＞＞あわせて読みたい「【保育士必見】文章力がアップするコツ！伝わりやすく書くには？」

➃誤字・脱字を確認する

児童票を書き終えた後は、誤字・脱字がないか必ず確認するようにしましょう。

保育園によっては、修正ペンの使用を禁止しているところもあるため、まずは鉛筆で下書きをしてから、ペンで清書する流れがおすすめです。

また、確認する際は、文章を音読して確認すると、間違いに気づきやすくなります。

⑤先輩保育士の書き方を参考にする

児童票の書き方は、保育園や自治体によって異なります。

新人保育士や初めて児童票を書くという保育士は、先輩保育士の書き方を参考にすると良いでしょう。

特に、以下の点についても重点的に確認しておくことをおすすめします。

• 文末は、”ですます調”もしくは”である調”か
• 箇条書きで書いても良いのか
• どのくらいの文章量なのか
• フォーマットはあるのか
• 書き出し・書き終わりはあるのか

 

保育士が児童票を効率的に書くためのコツは？

保育士は多くの仕事を抱えているため、可能であれば、児童票は効率的に書きたいですよね。

保育士が児童票を効率的に書くためのコツは、以下の通りです。

連絡帳を参考に書く

子どもの1日の様子が書かれた連絡帳は、非常に参考になります。

また、過去の様子についても書かれているため、遡って見直せば、成長の過程を確認することが可能です。

連絡帳は、保護者とのやり取りで使用するものであるため、必要であればコピーを取っておくと良いでしょう。

デジタルツールを活用する

手書きの作業が不要となるデジタルツールを活用すれば、効率的に児童票が作成できます。

使用するツールによっては、テンプレートが用意されているものがあるため、簡単な入力作業で終わることができます。

膨大な仕事量を抱える保育士の負担を軽減することにもつながるため、検討してみてはいかがでしょうか？

 

まとめ

児童票は、進級時に他の保育士へ引き継ぎを行う際に役立つ大切な書類です。

ですが、保育士の中には文章を書くことが苦手で、なかなか作業が進まないという方もいるでしょう。

ぜひ本記事で紹介した書き方のポイントや効率的に書くコツを参考に、相手に分かりやすく伝えられる児童票を作成してみてくださいね。

 

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