心身の負担に…保育士が受けるパワハラの具体例や対策とは?

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近年、ニュースでも取り上げられることが多いパワハラですが、保育士の世界も例外ではありません。小さな命を預かる保育の現場において、日頃から厳しく指導されることも多いでしょう。ですが、その指導が仕事の適正な範囲を超えてしまうとパワハラにつながります。「これってパワハラなのかな?」と感じた場合は、すぐに対策することが大切です。今回は、保育士が受けるパワハラの具体例や対策について解説します。

そもそも『パワハラ』とは?

パワハラとは、『パワーハラスメント』の略称で、職場内での地位や人間関係の優位な立場を利用し、同じ職場で働く人に対して、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える行為のことです。

パワハラは、主に以下の6種類に分けられています。

身体的な攻撃…  
 殴る・蹴る・頭を小突くなど

精神的な攻撃…  
 暴言・脅迫・物を机に叩きつけるなどの威圧的な態度など

人間関係からの切り離し…  
 無視・他の職員との交流を阻害するなどの孤立させる行為

過大な要求…  
 到底終わらないような量の仕事を押し付ける・休日出勤を強要するなど

過小な要求…  
 能力や経験に見合わない雑用ばかりさせる・子どもと関わらせないなど

プライバシーの侵害…  
 プライベートを執拗に詮索する・休日に仕事のメール、電話をチェックさせるなど

パワハラやモラハラといったハラスメントは、ニュースでも取り上げられ、耳にすることも多いですよね。

保育士に限らず、パワハラに悩む人は増えていることから、社会問題の一つとされています。

毎日通う職場でパワハラが繰り返されていると、うつ病などの精神障害を発症する危険性があります。

『指導』と『パワハラ』の境界線は?

小さな命を預かる保育の現場において、上司や新人から厳しく指導されることが当たり前と感じている保育士もいるかもしれません。

指導されている側は、厳しいことを言われて辛い思いをしたりもしますが、仕事の範囲での指摘や指導はパワハラと判断されないため、注意しましょう。

どこからがパワハラなのかを判断することは難しいですが、簡単にパワハラと決めつけず、客観的に判断することが大切です。

ただし、明らかにパワハラに該当する行為をされている場合は、周りの信頼できる人に相談したり、労働基準監督署に相談するなどして対策をする必要があります。

 

保育士が受けるパワハラの具体例

以下では、保育士が受けるパワハラの具体例を紹介します。

『指導』との区別の参考にしてみてください。

無視される

無視されることは、”精神的な攻撃”のパワハラに該当します。

暴力や悪口を言われるようないじめとは異なりますが、精神的に大きなダメージを与えます

無視をされることによって仕事に関する情報共有がきちんとされず、ミスが発生する原因となることも…。

みんなの前で怒られる

ミーティング中など、他の職員の前で怒られたり、理不尽な謝罪を要求されることもパワハラの一つです。

さらに、子どもたちの前であっても保育士を怒鳴るとなると、子どもにとっても悪影響です。

子どもが大人に恐怖心を抱くきっかけにもなり、場合によっては、子どもが当園拒否をする原因にもなりかねません。

人格を否定される

「頭が悪い」「育ちが悪い」「性格が悪い」といった言葉は、人格否定に該当します。

また、場合によっては「ダメ」「無理」「無駄」「バカ」といった言葉も人格否定にあたることも…。

もしも、ミスをしてしまった場合、ミスに直接関係のない人格否定の言葉はパワハラに該当するということを念頭に置いておきましょう。

責任を押し付けられる

保育園では、保護者からのクレームが入ることも少なくありません。

クレームが入った場合、基本的には上司に報告をして事実確認をしますが、中にはしっかりと事実確認をせずに、責任を一人に押し付ける上司もいます。

その際、「一人で解決しろ」「迷惑をかけるな」という心無い言葉を浴びせる上司もいるようです。

このように、仕事のトラブルやクレームの原因を確認せず、一方的に責任を押し付けることはパワハラに該当します。

過度な労働の強要

例えば、時間外労働を強制的に課したり、休憩時間を与えなかったり、持ち帰り仕事を強要したりといった行為もパワハラに当たります。

このような労働環境に関するパワハラは、心身への負担が非常に大きいです。

そのため、過度な労働の強要とも捉えられるパワハラを受けた場合は、速やかに対処する必要があります

 

保育士に役立つパワハラ対策5選

以下では、保育士に役立つパワハラ対策を5つ紹介します。

休みを取る

まずは、心を休ませるためにも休暇を取りましょう。

もしかすると「子どものために休むわけにはいかない」と思う人もいるでしょう。

ですが、そのままパワハラを受け続けてしまうと、心だけでなく身体にも大きな負担がかかる可能性があります。

仕事を思う気持ちも大切ですが、まずは自分の心と身体を休ませることが何よりも大切です。

万が一に備えて証拠集めをする

パワハラは明確な規定がないため、どこからがパワハラなのか判断するのが難しいです。

そのため、労働基準監督署などに訴えたとしても、パワハラを受けたという証拠がなければ、自分の立場が危うくなる危険性もあります。

そうならないためにも、万が一に備えて証拠を集める必要があるのです。

主な証拠集めの方法は、以下の通りです。

小型のボイスレコーダー

スマホの録音、撮影機能

防犯カメラの映像

医師の診断書

ハラスメントの記録をつけたノート  
 (いつ・どこで・だれに・何をされた/言われたなどの状況が分かるように)

信頼できる同僚や上司に相談する

パワハラで悩んでいるときは、一人で抱え込まず、信頼できる同僚や上司に相談してみましょう。

仕事とは関係のない友人に相談するのも良いですが、同じ職場で毎日顔を合わせている同僚や上司の方が秘密を漏らされる心配はないでしょう。

自分の気持ちに寄り添ってくれる人がいるという安心感はもちろん、心強い味方になってくれるはずです。

外部の機関に相談する

「もうパワハラに耐えられない」「パワハラがひどくなっている」といったような場合は、証拠を集めて外部の機関に相談しましょう。

外部の機関に相談することで、客観的に判断してもらったり、解決に導くための助言をもらえたりします。

また、相談は匿名でも受け付けてもらえるため、保育園での立場が悪くなるのではないかという心配もありません。

パワハラを受けた際に相談できる主な外部の機関は、以下の通りです。

別の保育園に転職する

パワハラを受けている方の中には「自分一人なら耐えればいい」と考えている方もいるかもしれません。

ですが、パワハラを受け続けながら同じ保育園で働き続けることは、身的にも負担がかかり非常に危険です。

加えて、保育園内の人間関係が悪化し、ますます働きづらいというケースも少なくありません。

いっそのこと、そうなる前に新しい環境に転職するのも方法の一つです。

子どもたちとの別れは寂しいかもしれませんが、一歩踏み出すことで、自分らしく働ける保育園がきっと見つかるはずです。

>>>あわせて読みたい「ブラック保育園のリアル!特徴や見分け方をレクチャーします」

アドバイザーに相談する

 

保育士へのハラスメントはパワハラ以外にも…

保育士へのハラスメントは、パワハラだけではありません。

以下では、保育士が受ける可能性のあるパワハラ以外のハラスメントについて説明します。

モラハラ

モラハラとは、モラルハラスメントの略称で、モラルに反した言動や行為によって精神的苦痛を与えることです。

精神的な嫌がらせという部分においてはパワハラと同じですが、モラハラの場合、立場や地位などは関係しません。

また、モラハラを受けている本人が苦痛に感じていても、外から見るとモラハラの被害が分かりづらいため、発覚しづらいことが特徴です。

セクハラ

セクハラは、セクシュアルハラスメントの略称で、相手が不快に感じる性的言動によって働きにくくなってしまうことです。

保育士は、女性が多い職場であることから、セクハラの被害を耳にすることはあまりありません。

ですが、現代においては同性の言動もセクハラに該当することがあるため、注意が必要です。

マタハラ

マタハラとは、マタニティーハラスメントの略称で、女性が妊娠・出産・育児をきっかけに職場で嫌がらせをされたり、解雇や減給、降格といった不当な扱いを受けることです。

保育士に多い、”育休を取らせない”や”育休は順番”などがマタハラに該当します。

また、良かれと思って仕事内容や就業時間を、本人との相談なしに変更することもマタハラに当たります。

 

まとめ

今回は、保育士が受けるパワハラの具体例や対策について解説しました。

パワハラは、保育士に限らず、悩む人が多いことが社会問題にもなっています。

保育園においては、主に園長や副園長、主任といった管理職の立場である人からのパワハラが多いです。

これといって明確な規定がないゆえに判断が難しいパワハラですが、「これってパワハラなのかな?」と感じた場合は、一度信頼できる第3者に相談しましょう。

そのままパワハラを受け続けてしまうと、心身に大きな負担がかかるため、証拠を集めたり外部の機関に相談するといった対策を取ることが大切です。

 

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