保育士の言葉の暴力とは?起こる原因や起こさない方法を徹底解説

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大人から子どもにかける言葉は、私たちが思っている以上に重みがあり、何気ない一言が、時として言葉の暴力になってしまうことも。近頃は、保育士の不適切な対応についてニュースで話題になることも多く、改めて自分の言動や周りの言動に目を向けるべきときでもあります。今回は、保育士の言葉の暴力の原因や起こさない方法などについて解説します。

保育士の言葉の暴力とは?

保育士の言葉の暴力とは、子どもに対して使ってはならない言葉のことです。

言葉の暴力は、子どもの尊厳を傷つける心理的虐待に値します。

ひどいときは、脳の機能にも良くない影響を与えることもあるようです。

叩く、蹴るといった身体的な虐待は目に見えるものですが、言葉によるものは目には見えないものであるゆえ、常態化しやすいという側面もあります。

では、どのような言葉が子どもを傷つけてしまうのか、考えてみましょう。

子どもの存在を否定する言葉
「〇〇ちゃんは本当にダメね」という存在を否定する言葉や「あほ、バカ」といったような子どもをけなすような言葉などが、子どもの存在を否定する言葉に該当します。
このような言葉の暴力を受けると、子どもは「自分を否定された」と感じます。
また「自分はダメな子なんだ」と自ら認識してしまう原因となり、自尊心の低下につながるのです。
他の子と比べる言葉
「〇〇くんはできているのに、なんでできないの」といったような他の子と比べるような言葉も子どもの尊厳を傷つけます。
自分を過小評価するようになり、自分に自信が持てなくなってしまいます
また、比較された子どもに対して嫌悪感を抱くこともあり、子ども同士の関係性をうまく築けない原因にもなりかねません。
大きな声で子どもに威圧感を与える
ベテランの保育士にありがちですが、大きな声や物音で子どもを威圧することも暴力の一つです。
危険なときや友達を傷つけてしまったときに、物事の善悪を知らせるために「叱る」ことと自分の感情に身を任せて「怒る」ことは全く異なることです。
子どもを押さえつけて、コントロールしようとすることはあってはなりません。
>>>あわせて読みたい「【保育士必見】子どもへの適切な叱り方とは?年齢別に解説」
保護者を否定する言葉
子どもたちにとって保護者は、大好きで大切な存在です。
そんな保護者のことを「〇〇ちゃんのお母さんはいつもお迎えが遅いね」「〇〇くんのお母さんは忘れ物ばっかりでダメだね」と否定する言葉も暴力になります。
直接子どもを否定をする言葉ではありませんが、子どもにとって大切な保護者を否定されることも辛い体験であり、心の傷となってしまいます。

保育士が言葉の暴力を起こす原因は?

もちろん、言葉の暴力はいけないということは周知の事実です。

ではなぜ、保育現場から無くならず、問題となってしまうのでしょうか。

原因や暴力が起こってしまう環境について考えてみましょう。

保育士の人手不足で余裕がない

人手不足などで、保育士の気持ちに余裕がなくなってしまっていることが考えられます。

1人で大勢の子どもを保育するということは大変です。

準備が遅い子や指示が入りづらい子に対して、つい口調が強くなってしまうことはないでしょうか。

本来であれば、子どもの姿に寄り添いながら見守ったり、援助したりすることが必要ですが、人手不足のために手が回らず余裕がなくなってしまうことがあります。

ストレスが多い

保育士は、閉鎖的な環境や長時間労働、さまざまな人間関係といった労働環境からストレスを抱えやすい仕事です。

そのため、保育士が抱えるストレスが多くなれば多くなるほど、感情のコントロールができなくなってしまうことも…。

仕事でいっぱいいっぱいになり、つい口から出てしまった言葉が子どもを傷つけてしまうこともあるのです。

言葉の暴力が常態化している

園長や主任から保育士に対しての言葉の暴力があったり、職場の雰囲気が良くなかったりすると、保育施設の中で常態化してしまっている場合があります。

先輩の保育士が使っているのを見て、後輩もつい当たり前のように使ってしまうなど、負の連鎖が起こることもあるのです。

モラルの低い保育士ばかりが集まってしまうと、自分も知らずしらずのうちに染まってしまっていることに気づかないということも考えられます。

 

保育士の言葉の暴力を起こさない方法

保育現場における保育士の言葉の秒力を起こさない方法は、以下の通りです。

まずは自分の意識を強く持つ

「言葉による虐待は絶対にしない」という強い意志を持って、仕事にあたることがまず第一です。

その上で自分の保育を振り返り、不適切な言葉がけはなかったか見直し続けることが大切です。

気づかないうちに口調が強くなっていたり、使ってはならない言葉を使ってしまっていたということもあるかもしれません。

気がついたときに書き留めておき、振り返る際の指標にすると良いでしょう。

風通しの良い職場環境づくり

いつも意識せずに使っている言葉であれば、自分では気づけないこともあるでしょう。

そんなときに保育士同士で注意し合える関係であれば、虐待を未然に防ぐことができるかもしれません。

そのためには、普段から先輩・後輩関係なく意見を言い合える関係性を作っておくことが大切です。

また、子どもの対応で困ったことがあればすぐに相談できる人がいると、余裕がなくなってしまう前に助けを求めることができますよね。

>>>あわせて読みたい「保育に欠かせない保育士のチームワーク!高める方法や注意点は?」

子どもに完璧を求めすぎない

子どもに完璧を求めようとすると、行き過ぎた指導になってしまうことがあります。

「この年齢だから、これができないのはダメ」「うちのクラスの子どもだけが〇〇できていない」など、子どもを型にはめて指導するのは間違っています。

子どもは一人ひとり、成長のスピードも得意なこと、不得意なことも違います。

個人差を認めながら、保育士自身も心のゆとりを持って接することが大切です。

>>>あわせて読みたい「保育士の行き過ぎた指導とは?不適切保育の実態と原因・対策など」

余裕を持った人員配置

子どもたちの様子に合わせて保育補助の職員を配置することができれば、担任の負担を減らすことができるでしょう。

1人で大勢の子どもを保育することは難しく、つい余裕が無くなってしまいがちです。

支援を要する子どもを抱えるクラスであればなおさら、手厚い個別の支援も必要になります。

保育士設置基準ギリギリの人員配置を見直すことが大切です。

保育士の業務改善

保育士には、子どもが帰った後も保育準備や書類作成などの業務がたくさんあります。

それに伴って、残業や家に帰ってからも仕事をしているなんてことも多いですよね。

日々業務に追われる中で、ついついストレスもためがちになってしまいます。

書類のICT化を進めたり、残業を減らしたり、休暇を取りやすくするなど、業務改善を進めることで保育士の負担を減らすことにつながります。

>>>あわせて読みたい「なぜ保育士は業務改善が必要なの?するべき理由や具体的な方法」

職場を変える

言葉の暴力が常態化してしまっている園では、1人の力では改善が難しいこともあります。

自分が良くない環境に染まってしまったり、心が壊れてしまう前に職場を変えることも一つの方法ではないでしょうか。

せっかく保育士を目指して勉強し、資格を得ることができたのに、保育が嫌になったり、暴言を使うような保育士になってしまってはもったいないですよね。

転職した先で素敵な園に巡り合える可能性もあるため、「ダメだ」と思ったら思い切って職場を変えてみるのもいいかもしれませんね。

アドバイザーに相談する

 

まとめ

今回は、保育士の言葉の暴力の実態や原因、起こさないための方法について解説しました。

言葉の暴力もれっきとした虐待であることをしっかり理解した上で、自分や周りは大丈夫か保育を見直していくことが大切です。

保育士は子どもの未来を担う仕事であることを意識し、その責任と自覚をしっかり持って子どもと関わっていきましょう。

 

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