お役立ち情報
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保育士のなかには、保育要録の書き方に悩む人も多いことでしょう。保育要録は、保育園での子ども達の様子を記載して小学校へつなげる書類で、5歳児クラスの担任が書かなくてはいけません。重要書類のため気が重く、どう書いてよいか悩んでしまうことでしょう。そこで今回は、保育要録の書き方のポイントを例文とともに紹介します。
■目次
保育要録とは、保育園や幼稚園から小学校に引き継ぐ書類のこと。
正式には保育所児童保育要録と呼ばれています。
入所に関する記録と保育に関する記録とに分かれていて、子どもの成長の様子や留意事項を記録します。
小学校ではこれを元にクラス編成がされるなど、重要性のある書類です。
5歳児の担任には、最年長クラスとしてのワクワクや、卒園させられる喜びがあります。
その一方で、成長させて送り出す責任や小学校につなげるための努力が必要となり、その一つがこの保育要録の作成なのです。
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名前や保護者名、住所など、子どもの基本的な情報を記入する欄です。
入園時の書類などを確認しながら、間違いがないように記入しましょう。
文章を考える必要はないため比較的簡単に書けますが、特に名前の旧字には注意が必要です。
保育に関する記録には「保育の過程と子どもの育ちに関する事項」と「最終年度に至るまでの育ちに関する事項」の2つの記入欄があります。
年長クラスで年度初めに設定した、クラスの年間目標を記入します。
そのため、クラスの園児全員が同じ内容になります。
例文
友だちと協力し、目標に向かってやり遂げる過程を楽しむ。
集団生活のなかで基礎的な生活習慣を身につけ、一人ひとりが目標を持って意欲的に取り組む。
友だちと相談しながら役割分担を考え、個々の能力を発揮しながら目標に向かって取り組む。
ポイント
小学校へ引き継ぐことをふまえ、一年後にどのような姿になってほしいかを想像し、年度初めに考えましょう。
一年を振り返り、子どもの指導について特に注意した点を記入します。一人ひとり違う内容です。
例文
自分の気持ちを素直に言葉で表現し、受け入れてもらう喜びを味わう。
友だちを大切にし、周りの意見を聞いたり、協力したりする大切さを感じる。
さまざまな活動に興味を持ち、友だちと協力して楽しむ。
ポイント
日々の記録を元に考え、子どものどんな特性に注目して指導していたかを記入しましょう。
年間計画をもとに、特に気をつけて援助したことをまとめるとよいです。
その子が一年間で特に成長したことを、別紙の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」をもとに記入します。
10項目にそれぞれ記入する必要はありません。
例文
身体を動かすことを喜び、鉄棒やマットでさまざまな動きにチャレンジした。すぐにできなくても何度でもチャレンジし、逆上がりや竹馬ができたときには、存分に達成感を味わっていた。
最年長クラスになったことで意識の変化があり、偏食がなくなった。年少児クラスの手伝いに進んで行きたがり、給食の介助を上手にするなど、最年長としての自覚を持って生活できるようになった。
できないことはすぐに諦めていたが、友だちと一緒に頑張れるようになった。発表会の劇では苦手なセリフ覚えを友だちと一緒に覚えて、保護者の前でしっかりと披露できた。
ポイント
他の子との比較をするのではなく、その子一人の成長を見るのが大切です。
小学校での指導に繋げられるように、成長の過程を書きましょう。
子どもの既往歴などで、特に配慮が必要なことを記入します。
例文
乳・卵のアレルギーがあり、生の物は食べられない。加熱している物は大丈夫だが、蕁麻疹が出ることがあり、保育園では完全除去食を食べていた。
右目が弱視で、5歳児から左目にアイパッチをつけている。日常生活は変わりなく一人でできる。
生後間もなく心臓の手術をし、現在も定期的に検査のため通院している。今のところ異常はなく、援助の必要はない。
ポイント
アレルギーの状態や、生活のなかで介助が必要なことは変化することがあるため、保護者にしっかりと確認をしてから記載しましょう。
入所してから最終年度までの、子どもの成長の過程を記入します。
例文
1歳児で入所したときは、毎日大泣きしてお気に入りの人形を常に抱きしめていた。
3歳児のときには、自分が使っているおもちゃを友達に貸すことができるようになった。
最年長クラスになると、泣いている年少クラスの子を見て、気に入りそうなおもちゃを探して差し出すなど、お姉さんぶりが見られるようになった。
ポイント
最終年度の姿に至るまでの経緯を考えると書きやすくなります。
「○○は苦手でできなかったが、○○をすることでできるようになった」というように、長期的な目線での発達を考え、「○歳児のときは」という書き出しにするとよいでしょう。
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日々の保育を行いながら、一人ひとりの分を記入しなければいけない保育要録。保育士にはかなりの負担がかかります。
項目もたくさんあり、いざ取りかかろうとすると、書き出しに悩むこともあるでしょう。
以下では、保育要録を書きやすくするコツについて解説します。
保育要録を書くときに、まとめて子どもの様子を思い出すことはとても大変です。
保育要録に記入する項目を頭に入れ、子ども一人ひとりの成長を細めにメモするようにしましょう。
それによって視野が広がり、保育士としての目も養われます。
同じ子どもばかりに気を取られないようにするのがポイントです。
1週間でメモをとる子どもを決めておくと、バラつきが出ません。
先輩が書いた過去の要録や、ほかのクラスの先生が書いた要録を一度は見せてもらいましょう。
どのように書けばよいのか、イメージしやすくなります。
完全な真似はよくないため、言い回しを参考にするのがおすすめです。
何人かに見せてもらい、かいつまんで自分の書き方を作るのもよいでしょう。
過去の担任の先生から話を聞くと、自分が知らない子どものエピソードを知ることができます。
同じ子に対しても、自分とは違った見方をしているかもしれません。
また、あと何行か書かないといけないというときに、自分の考えに枝葉をつけて、書類に記入することもできるでしょう。
保育要録を書く直前に慌てて聞くのではなく、日常で話を聞いておくのがおすすめです。
子ども達は保育園生活のなかで、たくさんのことができるようになっています。
「その一つひとつを見逃さない」という気持ちで見ていくとよいです。
保育要録に残したいことがたくさん出てくるとともに「ここは直した方がいいかな」という部分も、その子に合った対応ができるようになります。
保育要録は、子ども達が小学校に行って環境が変わっても、スムーズに生活できるようにするための大切な書類です。
義務的に書くのではなく、子ども達のことを知らない小学校の先生が、分かりやすいように記入する努力をしましょう。
年度末に重荷に感じることがないように、保育要録を念頭に置き、日々の記録を残すことが大切です。
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