お役立ち情報
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保育にリトミックを取り入れたいものの、具体的なやり方が分からず悩んでいる保育士もいるのではないでしょうか。リトミックとは、音楽に合わせて楽しく身体を動かす活動のこと。音楽を通して子どもの表現の幅を広げたり、感性や知性を育てたりする効果が期待できます。子どもたちが楽しめる要素が詰まっているため、習い事としても人気がありますね。今回は、リトミックのやり方や指導ポイントなどについて詳しく解説します。
■目次
リトミックとは、19世紀末頃にスイスの音楽教育家であったエミール・ジャック・ダルクローズが生み出した教育法です。
ダルクローズ音楽教育法とも呼ばれており、児童心理学などの観点から、幼児期を中心に人格を形成していく教育として知られています。
リトミックは、主にピアノの演奏や曲などに合わせて自由に身体を動かします。
音楽を通して表現することの楽しさを味わう中で、リズム感を養ったり、感じたことを表現したりする力をつけることができます。
音楽性を身につけるだけでなく、表現力や想像力、集団の中での協調性といった力を育めることから、幼児教育において注目されている教育法です。
また、リトミックには、運動・ソルフェージュ・即興性という3つの要素があります。
これらをバランス良く伸ばしていくことで、心や身体の総合的な発達を促します。
>>>あわせて読みたい「子どもが楽しめるリトミック保育!保育士が行う方法について紹介」
ここではリトミックを保育園で取り入れるねらいと、得られる効果について解説します。
リトミックを保育の現場で行うねらいとしては、次のようなものが挙げられます。
●音楽と触れ合いながら楽しく身体を動かす
●身体で自由に表現したり創造したりする
●友達と一緒に音楽や表現の楽しさを味わう
音楽を聴く・歌を唄う・運動をするという活動は保育生活の中でも日常的に行います。
しかし、それらをリトミックの教育法で実施することで、子どもたちの感性を多方面から刺激し、あらゆる能力を伸ばしていけるとされています。
特に、感受性豊かな乳幼児期の子どもに行うことで、体験したことを習得しやすいという特性もあるため、保育園での活動にもぴったりです。
乳幼児期の子どもは、自分の身体をコントロールしながら動かすことが難しいため、自分がやりたいことを意識しながら練習していくことが必要です。
リトミックでは、自分の意思で「こうしたい」と思うことにより、身体の動かし方や力加減の調整などを習得できます。
繰り返しやっていくうちに、身体を自由自在に操れる運動能力が確立されていくでしょう。
これによって、片足で立つ・速く走る・蹴りたい方向にボールを蹴るなどといった“運動のセンス”を高めることもできます。
リトミックは知的な部分の成長にも役立ちます。
これは、
●耳をすまして音楽を聴く
●先生や友達の真似をする
●次の動きを予測する
●動きを自分で考える
など、脳を使う場面が多いためです。
リトミックが幼児教育によいとされる理由は、この“脳を使いながら身体を動かす”という点にあります。
リトミックを通して、思考力や判断力、注意力などを無理なく楽しみながら高めていけるでしょう。
グループや集団で行うことが多いリトミックは、みんなと一緒にリズム遊びを楽しんだり、友達と協力してゲームを行ったりします。
そのため、集団の中でのコミュニケーションスキルが育まれ、社会性や協調性を身につけることができるのです。
さらに、友達のよいところを見つけたり、自分のよいところを褒められることで、お互いを認め合う力をつけることもできるでしょう。
以下では、保育園でリトミックを行う際の具体的なやり方について解説します。
保育園などでリトミックを行う場合、以下のようなやり方がおすすめです。
●音楽に合わせて体全体を動かす
●動物や乗り物の真似をする
●楽器を鳴らす
●道具を用いて表現する
リトミックの演奏には、基本的にピアノを使いましょう。
基本的に保育園にはピアノがあるため、即興的な演奏をするのに便利です。
子どもたちが使用する楽器は、鈴やカスタネット、タンバリンなど簡単に鳴らせる楽器がよいでしょう。
道具は、ボールやフープ、ハンカチやスカーフなどの身近な物を教材にすることが多いようです。
リトミックのやり方に“これ”という決まりはないため、自己表現することを中心としながら、子どもに合わせた活動を考えてみましょう。
「0歳でもリトミックは効果があるの?」と思うかもしれませんが、リトミックを始めるのに年齢は関係ありません。
基本的には、首が座る時期からがよいとされています。
まだハイハイや歩くことができない赤ちゃんでも、音楽を流して耳を刺激してあげることが大切です。
楽しい音楽に触れながらスキンシップを取ることで、きっと子どもたちは笑顔を見せてくれるでしょう。
1歳の子どもには、ボールを転がす遊びがおすすめです。
転がってくるボールを目で追ったりキャッチしたりするうちに、観察する力や予測する力をつけることができます。
音楽の緩急に合わせてボールのスピードを変えてみるなど工夫してみましょう。
「どっちに転がるかな?」「どうやったらキャッチできるかな?」といった期待を持たせる声掛けも同時に行うとよさそうです。
2歳から3歳は、言語や身体の発達が進む時期です。
音の強弱やテンポの速い・遅いなどの違いも認識できるようになるため、曲に合わせてさまざまな動きが楽しめそうです。
また、人を観察し真似することも上手になります。
動物や乗り物の真似をするごっこ遊びでは、海を自由に泳ぐ魚になったり、風を切って軽快に走る電車になったりして、興味のあるものから楽しんでみてください。
さらに、道具を使った遊びも取り入れてみましょう。
簡単でおすすめなのが、ハンカチを使った遊びです。
曲に合わせてハンカチを揺らす、高く投げるといった動きを楽しみます。
テンポが速いときはハンカチを小刻みに、テンポが遅いときはゆっくり大きく動かすなど、自由に表現してみましょう。
4歳から5歳頃になると、より繊細で複雑な動きを身体で表現できるようになります。
例えば、しゃがんだ状態から、ドレミファソラシドの8つの音がなる間に徐々に立ち上がっていきましょう。
このとき、最後の8つ目の音で完全に立った状態にするには、高さの配分を考える必要があります。
このように、ゴールをイメージしながら自分で考えて動くというのが大切で、5歳くらいであれば趣旨を理解しながら取り組めるでしょう。
また、友達と協力できるようになるため、グループを作って発表し合う、クラス全体で一つのことにチャレンジするといった、仲間を意識した活動もできそうです。
>>>あわせて読みたい「保育園で体操しよう!ねらいや種類、年齢別おすすめリトミック」
以下では、保育園でリトミックを行う際の3つの指導ポイントを紹介します。
リトミックでは、CDなどの曲を流すのもよいですが、できればピアノなど生の楽器演奏で行うことが望ましいです。
こうすることで、その場の子どもたちの様子に合わせて臨機応変に遊びを選択することができ、活動の流れを作りやすくなります。
保育士によって得意不得意があるため、自分がやりやすい楽器で子どもたちをリードしましょう。
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まだ子どもたちがリトミックに慣れないうちは、やり方がわからず戸惑ってしまう様子も見られるでしょう。
そのため、まずは保育士や指導者が楽しく表現する姿をお手本として見せ、興味を引き出してあげることが大切です。
指導者が2人以上いる場合は、1人は演奏担当、もう1人はお手本として前に立つなどの役割分担ができるとよいですね。
子どもの表現や動きが、保育士の意図するものではなかったり、ほかの子とまったく違う表現方法だったりすることもあります。
しかし、そんなときも否定せず、子どもなりの感じ方を認めてあげる姿勢が大切です。
リトミックに正解はないため、いろんな表現を楽しむ姿勢を忘れずに活動していきましょう。
今回は、保育園でのリトミックのやり方や指導ポイントを紹介しました。
保育活動がマンネリ化している、屋内で身体を動かしたい、そんなときはぜひリトミックを取り入れてみてください。
個性を出して表現を楽しむ機会があまりない子どもたちにとっても、リトミックはおすすめの教育法といえますよ。
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