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保育士は多忙な職業のため、サービス残業があるのは当たり前だと諦めていませんか。サービス残業の常態化は、保育業界全体が抱える問題です。しかし、中には残業を一切しないように取り組んでいる園があるのも事実。そこで今回は、保育士のサービス残業が減らない理由やサービス残業を当たり前にしない方法、そして気になる残業代の扱いについて解説します。
■目次
保育士は残業が多い仕事ではありますが、サービス残業が当たり前になってはいけません。
サービス残業とは、残業代が支払われない時間外労働のことを指します。
本来、労働者が残業をすると、その分の労働時間に応じて残業代が支払われるのが普通です。
ただし、中には残業を“サービス残業”扱いにして、残業代を支払わない保育園も存在します。
「保育士のサービス残業は当たり前」と諦めている保育士も少なくないでしょう。
しかし、実際には賃金が支払われないサービス残業は労働基準法第37条に違反する行為です。
使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
ただし、当該延長して労働させた時間が1箇月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
保育業界では、違法であるはずのサービス残業が当たり前だと考えられている風潮があります。
以下では、そんな保育業界の現状と、問題が解決できない理由について紹介します。
保育士の仕事は、子どもの安全を守る役割に加えて、さまざまな業務が求められます。
特に書類作成は非常に多く、保育士にとって負担となっています。
一つひとつの書類も簡単に作成できるものではないため、時間がかかってしまうのです。
子どもたちを見守りながら書類作成を行うのは難しいため、早めに出勤したり残業したりすることが必要になります。
また、行事前はさらに人手が足りなくなり、残業が増えることがあります。
保育士は休憩時間に、子どもが寝ている隙にしかできない業務や、人手が必要な作業などを行います。
そのため、決められた時間にゆっくりと休むことはほとんどできません。
食事の時間が後回しになることもしばしばで、簡単に食べられるもので食事を済ませることもよくあります。
このような状況が続く中で、休憩がまともに取れずに疲労が積み重なるのです。
保育士の残業が減らず、休憩も十分に取れない理由の一つに、保育士の人手不足があります。
保育士は過酷な労働にもかかわらず給料が見合わない場合が多く、すぐに辞めてしまう人が少なくありません。
また、業務量が多いことも労働環境が悪くなる一因です。
子どもたちの安全を確保しながら、ほかの作業を同時にこなすことは難しいのです。
>>>あわせて読みたい「保育士が3Kといわれる理由とは?3K・6K・新3Kって何?」
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サービス残業が当たり前になると疲労が積み重なり、結果的に仕事の能率が低下します。
以下では、サービス残業を減らすために、個人や保育園全体でできる取り組みを紹介します。
まず、その作業が本当に必要なのか、再度見直してみましょう。
思いのほか作業を省略できる場合があります。
例えば、毎日・毎週決まって使用する書類はパソコンでフォーマット化し、日付を記入するだけにするとかなりの時間を節約できます。
また、壁面飾りなどをラミネート保存して、繰り返し使えるようにすると便利です。
>>>あわせて読みたい「保育業界のICT化とは?ICT化のメリット・デメリットも紹介」
新人時代は、書類作成に時間がかかることがよくあります。
また、壁面作りや行事の準備などが苦手な場合は、上手に周りを頼りましょう。
頼りすぎるのはよくありませんが、アドバイスをもらってそれを自分のものにし、効率的に行えるよう努力しましょう。
代わりに自分ができることは率先して行うと、人間関係もスムーズになります。
最も優先すべきは、保育士の人数を増やすことです。
配置基準通りの人数では手が回らず、子どもの安全を考えると事務作業が後回しになってしまう保育士が多くいます。
また、職員の入れ替わりが激しくなると未熟な保育士ばかりが揃ってしまうため、長く働きたいと思える環境を整えることが大切です。
>>>あわせて読みたい「保育士の人手不足はなぜ収まらないの?その原因と解決法を紹介!」
>>>あわせて読みたい「政府が保育士の配置基準を75年ぶりに見直し!改善はいつから?」
保育士をしていると、毎週のように何かしらの会議があります。
会議が短時間で効率よく進む場合は問題ありません。
しかし、話がなかなかまとまらずに長引いたり、同じ議題で何度も集まったりしていると、「また会議?」と思ってしまいますよね。
そんなときは、会議は本当に必要なのか、時間を短くする方法はないのかを考えてみましょう。
会議の時間を減らすために、以下のことを試すのもおすすめです。
●回覧板を使って会議を省略する
●事前にクラスで話し合いを行い、ある程度まとまった状態で会議を開く
●会議のゴールを黒板などに書き出し、脱線を避ける
●会議内容によって担当者を決め、参加者を絞る
●飲食は控える
>>>あわせて読みたい「【保育士の残業問題】原因と残業時間削減のためにできること」
先述の通り、賃金が支払われないサービス残業は労働基準法に違反する行為です。
以下では、保育士が知っておくべき法的な知識や、残業代の計算方法について詳しく解説します。
また、残業代を請求する際の注意点についても紹介します。
1日のうち、法定労働時間の8時間を超えて働くと、超過分の時間手当が支給されます。
この手当は、通常の賃金から25%以上割り増しされます。
また、保育園自体が労働時間を定めており、1日8時間を下回る場合は、保育園が定めた時間を超過する分について残業代が支払われることになります。
ただし、こちらは25%以上の割り増し対象とはなりません。
残業代が支払われていない場合は、それを保育園に請求することができます。
ただし、いつまでも請求できるわけではありません。
残業代をさかのぼって請求できる期限は、消滅時効という制度によって定められています。
タイムカードなどの証拠が必要なため、毎月きちんと計算して適切なタイミングで請求するようにしましょう。
<残業代を請求できる期限>
令和2年(2020年)3月末までに発生した残業代
→2年以内に行う必要があり、それを超えると時効となる。
令和2年(2020年)4月以降に発生した残業代
→3年以内に行う必要があり、それを超えると時効となる。
持ち帰り仕事に手当がつくのは、職場から指示を受けた場合に限られます。
時間がなくてできなかった個人的な壁面製作や書類作成は、指示がない限り手当が出ることはほとんどありません。
仕事の進捗を明確にし、期日までに終えるように努力する方が賢明です。
逆に持ち帰ってしまうと、個人情報保護法に違反する可能性もあるため注意が必要です。
サービス残業が積み重なると、精神的に参ってしまう保育士も多いでしょう。
残業代をきちんともらうためには、証拠が必要です。
タイムカードや日誌、手帳などが証拠となり得ます。
園の指示で持ち帰り仕事をした場合は、メールや着信履歴も重要な証拠となる可能性があるため、残しておくとよいでしょう。
保育園に直接訴えるほかにも、以下の方法で残業代を請求できる可能性があります。
>>>あわせて読みたい「保育士の転職エージェント活用方法とは?メリットや選ぶポイント」
保育士がサービス残業を行うことは、当たり前ではありません。
賃金が支払われないサービス残業は、労働基準法第37条に違反する行為です。
支払われなかった残業代はさかのぼって請求できるため、残業した証拠を集めて園に掛け合うのも一つの手です。
それでも改善されない場合は、思い切って転職するのもよいですね。
サービス残業は当たり前だと諦めずに、できることから取り組んでいきましょう。
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