保育園に不審者が現れたらどうする?不審者対応訓練の手順を解説

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子どもたちの安全を守るためには、保育園の不審者対応訓練が非常に重要です。刃物を持った不審者が保育園に侵入する事件や、子どもに声をかける・触る・連れ去るなどといった恐ろしい事件は年々増えています。これは他人事ではなく、どこにでも起こり得る可能性がある話です。日常的に危機管理を行い、適切な対応方法をしっかり頭と体に入れておくことが大切です。そこで今回は、保育園における不審者対応訓練の手順や心構えを紹介します。

保育園に不審者が現れた場合の対応訓練

いつ、どんな状況で不審者が現れるかは予測できません。

子どもたちの命を守るため、そして自分の命を守るために、咄嗟に判断しようとしてもパニックになる可能性があります。

そうならないためにも、日頃からさまざまな状況を想定しながら訓練を行う必要があります

以下では、保育園における不審者対応訓練の例を紹介します。

不審者を発見したら周りに知らせる

不審者を見つけた保育士は、自身の安全を確保しながら周囲に知らせます。

冷静に行動し、不審者の気持ちを煽らないように注意しましょう。

全員が知っている合言葉を事前に決めておくと効果的です。

<不審者の侵入を知らせる合言葉の例>

「○○保育園の★★★にお客様がいらっしゃいました」

「○○保育園の★★★に、うさぎさんがいます」

「ニワトリが逃げ出しました。子どもたちは教室に入ってください」

※★★★は不審者がいる位置

不審者に気づかれず、かつ正確に場所を知らせるよう心がけましょう。

インターホンや放送など、園全体に情報を伝達する方法を考えておくとよいですね。

警察などに連絡する

周りの保育士に知らせると同時に、警察などに連絡します。

地域の人に助けを求めるのもよいでしょう。

このとき、不審者の動揺を引き起こさないように配慮する必要があります

連絡担当を決めておくのもよいですが、実際には担当者が手を離せない場合もあるため、訓練ではさまざまな場合を想定しておくことが大切です。

子どもたちを避難させる

不審者の侵入を聞いた保育士は、子どもたちをできるだけ不審者から離れた場所に避難させ、人数を確認します。

室内にいる場合は、不審者が侵入する可能性がある窓やドアなどから離れた場所に子どもたちを集めましょう。

園庭にいる場合は、状況に応じて陰に隠れた場所や倉庫などに避難します。

保育士は子どもたちを囲み、身を隠し、物音を立てないよう気を配ります。
 

侵入を防ぐように最善を尽くす

室内にいる場合は、ドアや窓の施錠を行い、子どもたちがいることが外部から悟られないようカーテンを閉めます

また、必要に応じて子どもたちを物陰に隠す、毛布などで目隠しするといった対応をしましょう。

その後は、子どもたちを守る役割と、不審者に立ち向かう役割を事前に分担しておき、状況に応じて臨機応変に動きます。

園全体に知らせる

不審者が捕まって抵抗できない状態になったり、逃げて行ったりして危害を加えられる恐れが完全になくなったことが確認できたら、園全体に連絡します。

ただし、少しでも危険が残っている場合は、油断せず慎重に行動しましょう。

被害状況を確認する

子どもたちと保育士の安全確認を優先し、その後保育園内の破損箇所などを確認します。

状況が落ち着いたら、反省点を洗い出しましょう

子どもたちには、「すぐに静かにできたかな?」「先生をすぐに見て、お話をしっかりと聞けたかな?」などと問いかけてみましょう。

また、保育園以外での緊急時に備えて、適切な対応方法も話しておくとよいですね。

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保育園における不審者対応訓練の注意点

以下では、保育園における不審者対応訓練の注意点を解説します。

日頃から役割分担をしておく

教室内では、子どもを誘導する担当、子どもの周りに付き添う担当、侵入口を監視する担当などの役割分担を事前に決めておくことが大切です。

犯人に立ち向かう役割や警察に連絡する役割も明確にしておくとよいでしょう。

ただし、場合によっては警察に連絡する担当者が犯人に立ち向かっている可能性もあります。

そのときは、臨機応変な対応が必要です。

子どもたちを過度に怖がらせない

子どもたちにも危機管理能力を持たせることは大切ですが、過度に怖がらせるとトラウマになってしまう可能性があります。

静かにしないからといって、「怖い人に連れて行かれるよ」などと脅すのはやめましょう。

「怖い人がいる」という恐怖を感じさせることよりも、自分で身を守ることの大切さを伝える方が賢明です。
 

定期的に訓練を行う

不審者との遭遇は頻繁に起こることではありませんが、対応方法が身に付いていないと、いざというときに動けません。

定期的な訓練を通じて、保育士同士で対応を確認し合ったり、見直したりすることが大切です。

手順を理解したうえで、実際にどう動くべきかを体験しておきましょう。
 

防犯システムの確認をする

門の鍵が壊れていないか、セキュリティーシステムに問題はないかなど、防犯システムの確認を定期的に行いましょう

侵入しやすい経路がないか、死角になりやすいところに異常はないかなどを確認することも重要です。

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不審者対応訓練の標語「いかのおすし」

警視庁と東京都教育庁指導企画課によって発表された防犯標語「いかのおすし」は、自分の身を守るために大切な行動を示すものです。
保育士はきちんと理解し、子どもたちにも正しく伝えましょう。

参照:警視庁|おやこでまなぼう!「いかのおすし」で毎日安全!

いか…知らない人について「いか」ない
公園で見かけたことがある人や、優しそうな人に声をかけられると、ついつい反応してしまうことがあります。
不審者から「お母さんが事故に遭ったから、一緒に病院行こう」「一緒にお菓子を食べよう」など、困惑するようなことを言われるかもしれません。
そんなときは騙されずに、断ることが大切です。
の…知らない人の車に「の」らない
どんなことがあっても、知らない人の車に乗ってはいけません。
たとえ知っている人であっても、保護者の許可なく車に乗るのは避けましょう。
また、知らない人の誘いに乗らないことも大切です。
お…危険を感じたら「お」おきな声で叫ぶ
突然連れ去られそうになったり、しつこく付きまとわれたりした場合は、ためらわずに大きな声で助けを求めましょう。
命の危険があるときは、「恥ずかしいな」と思ってためらってはいけません。
声を出すのが難しい場合もあるため、防犯ブザーを持ち歩くのもよいでしょう。
す…すぐ「に」げる
危険を感じたら、すぐに逃げましょう。
どこに逃げればよいかを、具体的に把握しておくことも大切です。
近くの交番や、“子ども110番の家”というステッカーが貼ってある場所は安心です。
ほかにも、コンビニやスーパーなど、大人に助けを求められる場所に避難しましょう。
し…すぐ「し」らせる
怖いことや気になることがあれば、些細なことでも身近な人に知らせましょう。
「写真を撮られた」「知らない人に話しかけられた」など、大人だとすぐに「怖い」と感じることでも、子どもはなかなか異常に気づかない可能性があります。
日頃から話しやすい雰囲気を作り、防犯意識を持たせたることが非常に重要です。 

まとめ

今回は、保育園における不審者対応訓練の方法について解説しました。

子どもたちの安全を守るためには、訓練が非常に大切です。

さらに、日常的に危機管理意識を持って過ごすことで、油断せずに身を守る力が養われます。

保育士がお手本となり、子どもたちに「いかのおすし」をしっかりと身に付けさせ、自分の身は自分で守ることの大切さを伝えられるとよいですね。

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