お役立ち情報
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保育園での担任制は『一人担任制』『複数担任制』の2種類に分かれます。それぞれの担任制によって保育のスタイルはガラリと変わるため、入社や転職の前に、それぞれの違いを把握しておくことが大切です。そこで今回は、一人担任制と複数担任制の特徴や、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。
一人担任制と複数担任制の特徴などについて解説する前に、まずは保育園の職員配置基準について解説します。
厚生労働省の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」により、保育園では子どもの年齢や人数によって配置される保育士の人数が定められています。
●0歳児……子ども3人につき保育士1人以上
●1~2歳児……子ども6人につき保育士1人以上
●3歳児……子ども20人につき1人以上
●4~5歳児……子ども30人につき1人以上
出典: 厚生労働省|「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」
子どもの年齢が低ければ低いほど体や情緒面の発達が未熟なため、配置される保育士の人数は当然多くなります。
つまり、0歳児・1歳児・2歳児クラスの場合は複数担任制、3歳児・4歳児・5歳児クラスの場合は一人担任になる可能性が高いのです。
>>>あわせて読みたい「保育士の配置基準とは?国や地方自治体の違いや計算方法について」
一人担任制は、名前の通り「一人でクラスを担当する」担任制です。
基本的には下記の業務を一人でこなします。
❶クラスの運営
❷保育の実施
❸子どもの身の回りお世話
❹保護者対応 事務仕事(書類作成、お便り記入)
3〜5歳児クラスや、人数の少ないクラスを受け持つことが多いことから、保育士一人あたりの負担が極端に増えるわけではありません。
ただ、マルチタスク能力や広い視野、観察力が必要なため、ある程度保育士経験を積んだ人が任されるケースが多いでしょう。
一人担任制でクラス運営を行うメリットには、主に以下の3つがあります。
一人担任制は一人でクラスを運営するスタイルのため、自分が目指す保育を実現できます。
「~をやってみたい!」「次は○○をしよう!」と、自分がしたいと思う保育を展開できるため、やりがいや楽しさを感じられるでしょう。
また複数担任制とは異なり、周りにいる保育士に気を遣う必要もなく、保育に集中できるという点も大きなメリットといえます。
担任が一人だけであるため、子どもや保護者とも密接な関係を築けるでしょう。
一人担任制にはよい部分もたくさんありますが、次のようなデメリットもあります。
一人担任制は一人で自由に保育を展開できる反面、一人だけでクラス運営を行わなければならないという責任感が生じます。
アルバイトやパートの保育士がいない場合は、保育の準備や片付けも基本的に一人でこなす必要があります。
また、周りにも一人担任制の保育士がいた場合は、その保育士と比較されるといった悩みも出てくることもあるでしょう。
一人担任制では、マルチタスク能力が欠かせません。
複数のことを同時進行したり、時間を逆算して行動したり、とにかく「効率的に動くこと」を心がけることがポイントです。
また一人担任制の保育士の中には、一人で悩みを抱え込んでしまう人が少なくありません。
悩み事があるときや「これは一人ではできない…」と困ってしまったときは、ほかの保育士に相談しましょう。
複数担任制では、複数の保育士が一つのクラスを受け持ちます。
基本的に2〜3人の保育士が協力してクラスを運営するスタイルです。
複数担任制のクラスでは、保育士が『リーダー』『サブ』『フリー』の3つの役割に分けられます。
●リーダー…子どもの前に立って保育を進めるリーダー
●サブ…リーダーのアシスト、活動に遅れている子どもの援助
●フリー…環境設定や片付け、掃除など
毎日ローテーションで役割を交代する場合もあれば、数カ月おきに交代する場合もあります。
保育士の人数が多い分、誰がどんな業務を担うのかを明確にしておくことが大切です。
複数担任制には、さまざまなメリットがあります。
保育士が複数人いるため、保育の準備や片付けだけでなく、事務作業も分担できます。
保育士一人あたりの仕事量が軽減されるのは大きな魅力です。
同じクラス担任の保育士の保育観や子どもとの関わり方から、学べることもたくさんあります。
また保育士の人数が多ければ多いほど、子どもに対してきめ細やかなサポートができるでしょう。
例えば、子どもが自分で服の着脱や片付けにチャレンジするのを見守ったり、活動に参加できていない子どもの話を聞いて背中を押すなど、より子どもたちに寄り添った保育ができるようになります。
一人担任制の場合は時間に追われて、こういった丁寧な対応ができないケースも。
しかし複数担任制では保育士同士が協力し合えるため、子ども一人ひとりに必要な対応を心置きなく実践できます。
複数担任制には仕事量を分担できるといったメリットがありますが、複数の保育士でクラスを運営するからこそのデメリットもあります。
複数の保育士が協力してクラスを運営する際は、少なからず気を遣わなければなりません。
休憩のタイミングや有休を取るタイミング、仕事の分担の仕方など、相手の調子に合わせて決めることも多いでしょう。
また同じクラス内でも、それぞれの保育士が違う動きをするケースがほとんどなため、その保育士しか知りえない情報も生じるでしょう。
そのため子どもの事情や子ども同士のトラブル、保護者からの要望・クレームなどの情報共有は欠かせません。
さらに、同じクラス担任の保育士と保育観や価値観が合わないリスクもあります。
考え方の不一致から人間関係がこじれる可能性もあるため、保育士同士の相性も非常に重要です。
>>>あわせて読みたい「保育士の複数担任制のストレスとの向き合い方|要因や解決策など」
複数担任制でのクラス運営で特に心がけるポイントは、コミュニケーションです。
複数の保育士が一丸となってクラスをまとめるためには、話し合いや相手を敬う姿勢が欠かせません。
クラスで何かを決めるときは、勝手に決めるのではなく、必ず話し合いの場を設けるようにしましょう。
話し合いの機会を設けることで、意見や考えのすれ違いを防げます。
また、日頃から感謝やねぎらいの言葉をかけ合うことも大切です。
「○○してくださってありがとうございます!助かりました!」「いつも本当に助かってます」と、ちょっとしたコミュニケーションの積み重ねによって、信頼関係は形成されていくものです。
子どもや保護者に関する共有事項は、口頭もしくは日誌やデータで共有するのがおすすめです。
保育士間で積極的にコミュニケーションをとって、円滑でスムーズな保育を目指しましょう。
一人担任制も複数担任制も、それぞれ違ったメリット・デメリットがあります。
大切なのは、自分に合った担任制を選ぶことです。
基本的に新卒の保育士の場合や、新しい保育園に転職したばかりの場合は、複数担任制のクラスに配属されることがほとんどです。
ただ保育園によっては『一人担任制が多い』『ほとんどのクラスが複数担任制』などの特色がある場合もあります。
就職・転職の際は、入社後に自分がどの担任制を選びたいかを明確にしてから、保育園を選びましょう。
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