保育園のエピソード記録とは?メリットや書き方、年齢別の例文も

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最近、エピソード記録を取り入れる保育園が増えています。保育現場ではもちろん、学生の実習の際に取り入れられているところもあります。いきなりエピソード記録と言われても、何をどうやって書けばよいのか分かりませんね。今回はエピソード記録について、保育士が書くメリットや書き方、年齢別の例文を紹介します。

エピソード記録とは?

エピソード記録とは、保育活動の中の一場面で保育士が感じたことなどを記録することをいいます。

子どもの様子はもちろん、そのときに自分が感じ取った子どもの気持ち、その出来事を通して思った自分の考えなどを詳しく書きます。

保育の質の向上に役立つため、子どもと接していく際の自分の感情に着目して記録を残していきましょう。

そんなエピソード記録ですが、保育日誌とは大きな違いがあります。

保育日誌とエピソード記録の違いは、以下で解説します。

保育日誌とエピソード記録の違い

保育日誌は毎日の保育活動の内容や、子どもたちの様子を記録するものです。

保育のねらいや保育方針に向けて、適切な援助ができているかを確認したり、子どもたちの日々の変化や成長を見るために活用されます。

保育の質を上げるために記すという点では、エピソード記録と共通ですね。

保育日誌は起こった出来事など事実を時系列に記載するのに対し、エピソード記録は保育の一場面における書き手の心の動きを記すものです。

>>>あわせて読みたい「【文章が苦手な保育士必見】保育日誌の目的は?書き方のコツなど」
 

保育士がエピソード記録を書くメリットは?

エピソード記録にはたくさんのメリットがあります。
具体的には、以下のようなことが挙げられます。

子どもを注意深く見るきっかけとなる

エピソード記録を行う場合、「一日のどの部分を書こうかな」と、今まで以上に子どもを気にかけて見るようになります。

すると「子どもがそのときどのような気持ちだったのか」「なぜそのような行動を取ったのか」ということが理解できるようになるでしょう。

エピソード記録を書くことは、子どもの気持ちに寄り添って考える機会となるのです。

保育を振り返って反省したり改善したりすることができる

エピソード記録は、出来事と共に保育士がどのような対応をしたかも記録します。

それによって改めて考え直したときに「こうすれば良かったかな」「これはどうかな」などと自分の行動を振り返ることができます。

自分の反省点や良かった点などが記録に残るため、保育のやり方を改善することにつなげられるのです。

保育の向上につながる

エピソード記録は、子ども中心の記録となるため、今後の保育設定や保育士の関わりなどについて考えることができます。

また、個人の記録にもなるため、さまざまな書類作成の手助けにもなるでしょう。

普段の保育の見直しや今後につなげることに有効です。

>>>あわせて読みたい「【例文あり】保育要録の書き方とポイントは?項目別に徹底解説!」

エピソード記録の書き方

エピソード記録の書き方は、園によって異なります。
基本的には背景・具体的なエピソード・考察の3つに絞って書くことが多いようです。
それぞれ具体的に見てみましょう。

背景

読み手が子どものことを知らなくても、どのような場面の出来事なのかを理解できるように背景を書きます。

必要であれば子どもたちの家庭環境や友達関係、最近の様子なども付け加えると分かりやすくなります。

今までの保育士との関わりを記しておけば、今後の関わりのヒントにもなりそうですね。

具体的なエピソード

保育の中で「おもしろいな」と思った場面や気になった場面などの一部分を切り取って書きます。

具体的な子どもたちの様子や保育士の関わりはもちろんですが、子どもの会話まで書くと読み手は場面を想像しやすくなります。

詳しい会話は忘れてしまうことがあるため、メモに取るのがおすすめです。

考察

記したエピソードについて、感じたことを書きます。

子どもの言動や保育士の対応を振り返り、再度子どもの思いを汲み取ったり自分の行動を見直したりして、良かったことや気づいたことなどを盛り込むとよいでしょう。

なぜそのエピソードが印象に残ったのか、その理由を考えると文章にしやすいかもしれません。

保育士がエピソード記録を書く際のポイント

エピソード記録を書くことは難しい……と悩んでしまいがちです。
しかし、ポイントを押さえれば、すぐに書けるようになります。
以下の3つのポイントに注目して、取り組んでみましょう。

5W1Hを意識して書く

“誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように”を意識して書きましょう。

この5W1Hを用いて書くと、エピソードのイメージがしやすく読み手に詳細が伝わります。

また、それらを意識して子どもたちを観察すると、書きやすくなるかもしれませんね。

メモを取る

保育園によってはメモが禁止のところもあるため、あらかじめ確認する必要があります。

保育園では注意して子どもたちを見たり、次々と活動を行ったりするため、エピソード記録のことばかりに頭を向けていられません。

日常で気になることがあった際は、メモを取る習慣を身に付けるようにしましょう。

思ったこと・感じたことをそのまま書く

「おもしろいな」と思ったことや心が動いたことを難しく考えずに、そのまま書き残しましょう。

ありのままの子どもの姿や自分の行動を記載すると、イメージしやすくなります。

また、エピソード記録ではよいことだけではなく、失敗したことやどうすればよいか悩んだことなども記載すると、今後の保育により活かしやすくなります。

【年齢別】エピソード記録の具体例

以下では、未満児と以上児別のエピソード記録の具体例を紹介します。

未満児(0歳/1歳/2歳)のエピソード記録
苦手な食べ物が多いAちゃんです。家でも同じ物ばかり食べて、特に野菜は全く口にしません。無理に口に入れようとすると、かんしゃくを起こすそうです。少しでも多くの食べ物に興味を持ってもらおうと、保育士が声をかけているところです。
給食の時間にAちゃんが好きな物だけ食べてスプーンを置いていました。しばらく様子を見ていましたが、食べようとする気配もなく眠そうにしているのです。隣に座っているBちゃんが自分で野菜をパクパク食べていたので、「Bちゃん、野菜おいしい?」と尋ねるとうなずきました。「お野菜美味しいね」と声を掛けながらBちゃんと楽しく給食の時間を過ごしていました。それを見ていたAちゃんが野菜を手で触っていたのです。口に入れるところまで行かずとも、一歩前進したことがとても嬉しく感じました。
無理に食べさせずに、一緒の空間で美味しそうに食べる姿を見せたり、興味を持たせるような声かけをしたりするのがよいのだなと思い、席の配置を見直して、Aちゃんが仲のよいお友達と一緒に食べさせてみたり、何でもよく食べる子を一緒のテーブルに座らせてみたりしたらどうかなと思いました。
以上児(3歳/4歳/5歳)のエピソード記録
最近Cちゃんは1人遊びに夢中になり、お友達が使っているおもちゃを気付かずに取ってしまう姿が多く見られ、保育士の間で話題にしています。「貸して」などの言葉よりも先に手が出てしまうため、保育士が側について見守っていこうと言うことになったところです。「お友達が使っているよ」とCちゃんに伝えると、手にしたおもちゃを返してくれることもあります。
日中におままごと遊びをしているときに、Cちゃんがお皿に食べ物を乗せたくて、近くにあったおもちゃのケーキを取りました。しかし、それはDちゃんが遊んでいるものです。Cちゃんは、Dちゃんが使っていたおもちゃだと気づいたようで手を離そうとしますが、おもちゃを使いたいようです。その姿をみてDちゃんが「どうぞ」と言ってくれました。そこで保育士は、「ありがとう」とDちゃんに頭を下げると、Cちゃんが真似して頭を下げたのです。Cちゃんがありがとうの仕草を真似をしている姿を見て、とても嬉しくなりました。
「貸して」「いいよ」「だめ」のやり取りをさせたいと思っていましたが、コミュニケーションは1つだけではなく、保育士の日常の姿は子どもたちの模倣となり大切だなと改めて感じました。

まとめ

エピソード記録は保育日誌と似ているように思われますが、子どもや保育士の気持ちを細かく伝えることができる点で大きく異なります。

同僚とエピソード記録を共有することにより、臨場感が増して子どものことを深く知ることができます。

エピソード記録の積み重ねで保育士の見る目が鍛えられ、細かく書かれた内容により今後の保育を改善できるように話し合いをするとよいですね。

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