お役立ち情報
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保護者の就労時間などを問わず保育園を利用できる「こども誰でも通園制度」の試行事業が、2024年に始まります。「異次元の少子化対策」の一環として創設されるこの制度は、子育て家庭の負担軽減を目的としています。しかし、多くの保育士から不安や批判の声が寄せられているのも事実。今回は「こども誰でも通園制度」について現時点でわかっていることや、制度の実施に向けて保育士がすべきことを解説します。
■目次
2023年6月1日、政府は「こども誰でも通園制度」を創設することを表明しました。
「こども誰でも通園制度」とは、自治体ごとに定められている認可保育園への入園条件をなくし、親が働いていなくても、時間単位で保育園を利用できるというもの。
政府は以下のように発表しています。
全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付(「こども誰でも通園制度(仮称)」)を創設する。
「異次元の少子化対策」の目玉政策の一つだといわれているこちらの制度は、速やかに全国的な制度とすべく、2026年度からの本格実施を見据えているようです。
2024年度は、定員に空きのある保育園で月10時間を上限に、子どもを預かるモデル事業を開始する予定です。
制度化にあたり、新たに法律を作るほか、児童福祉法や子ども・子育て支援法などを改正するという案も出ているようです。
近年、待機児童問題はますます深刻化しています。
政府の発表によると、0歳~2歳児の約6割が未就園児のため、子育て家庭の多くが不安や悩みを抱えているといいます。
共働きが一般的となった昨今、多くの保護者が子育てと仕事を両立させるために、保育園の利用を必要としています。
しかし、現在は保護者の就労時間や働き方、身内の介護の有無などによりポイントが与えられ、優先順位が決まっています。
また、専業主婦(主夫)の家庭は保育園を利用することができません。
そのため、保育園を必要としていても、条件に当てはまらないために入園を断念する家庭が多くあるのです。
「こども誰でも通園制度」には、これらの問題を解決するねらいがあります。
>>>あわせて読みたい「保育士不足がもたらす待機児童問題…保育士が働く際の課題とは?」
以下では「こども誰でも通園制度」の問題点について解説します。
「こども誰でも通園制度」には、多くの批判が寄せられています。
その理由は、保育士の人手不足。
保育士は給与水準が低いうえに労働環境が過酷なため、ストレスや疲労から離職するケースが多く、深刻な社会問題となっています。
これらの問題が解決されないうちに「こども誰でも通園制度」が始まれば、保育士の離職がさらに進んでしまうのではないかという懸念があるのです。
>>>あわせて読みたい「保育士の人手不足はなぜ収まらないの?その原因と解決法を紹介!」
保育士の労働環境は過酷なため、入園できる子どもの人数が増えることで「仕事がパンクしてしまうのではないか」と不安を抱く保育士が多いのは当然のことです。
そこで現在、政府は75年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善を検討しています。
「社会保障と税の一体改革」以降積み残された1歳児及び4・5歳児の職員配置基準について1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと改善するとともに、民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善を検討する。
こちらは配置基準の“改定”ではなく、あくまでも“改善”とのこと。保育士を手厚く配置した施設に運営費を加算して支給する方向で進んでいるようです。
>>>あわせて読みたい「2024年度から政府が保育士の配置基準を76年ぶりに見直し!」
以下では「こども誰でも通園制度」に向けて保育士ができることを解説します。
先述の通り、2023年度中にも「こども誰でも通園制度」のモデル事業が試験的に始まります。
全国31自治体の計50施設で実施することが発表されているため、自身の勤める園が対象かどうか確認しましょう。
また、近隣に対象の園があったり、知人が勤めていたりする場合は、情報を集めておくのもおすすめです。
事前にシミュレーションできれば、保育士の働き方がどう変わるのか予想しやすくなります。
「こども誰でも通園制度」はまだ発表されたばかりのため、今後さらに情報が増えていくと予想されます。
保育士の今後に関わる問題のため、定期的にニュースをチェックするようにしましょう。
また、保育士の声を政府に届けるために、政治に関心を持ち、選挙に積極的に参加することも重要です。
政治は社会のルールや政策を決める場であり、保育士の待遇や働きやすさにも大きな影響を与えます。
政治への関心と積極的な行動は、保育士の労働環境の向上につながることでしょう。
保育士の労働環境は、保育園によってさまざまです。
残業や持ち帰り仕事が発生しないようにICT化を進めている園がある一方で、書類の手書きを強制したり、長時間労働が常態化している園もあります。
現時点で園の運営方針に疑問を抱いている場合は「こども誰でも通園制度」の導入で、さらに労働環境が悪化したように感じてしまうかもしれません。
自身を守るためにも、転職を検討するのがよいでしょう。
転職には、保育に特化した転職エージェントの活用がおすすめです。
給与や残業などの尋ねにくい質問も、アドバイザーが代わりにリサーチしてくれますよ。
今回は「こども誰でも通園制度」について解説しました。
子育て家庭の悩みを解消するために創設されるこの制度には、反対意見も多く寄せられています。
保育士不足や過酷な労働環境など、改善すべき問題はまだまだたくさんあるでしょう。
しかし、この制度が導入されることにより、助けられる子育て家庭が多くあることも事実です。
保育士の働き方に関わる問題のため、今後の動向をしっかりとチェックしていきましょう。
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