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現在、保育士不足による待機児童問題が注目を浴びています。なぜ、保育士がこんなにも不足しているのでしょうか。現場で働く保育士はどのようなことに困難さを感じているのでしょうか。今回は、保育士が現場で働く際に感じている課題と、その改善策について紹介します。
■目次
保育士ならば、待機児童問題について知らない人はいないのではないでしょうか。
待機児童とは、保育所に入所したくても入所できない子ども達のことを指します。
令和4年4月の厚生労働省による待機児童数の調査結果によると、待機児童は2,900人を超えているとされています。
本来、保育所の目的は、子どもの健やかな成長を支えるとともに、その保護者の育児を支援することです。
ですが、その目的とは裏腹に、保育所に入れないために仕事復帰ができなかったり、仕事を辞めざるを得なかったりする親が多くいるのが現状です。
参照:厚生労働省|「令和4年4月の待機児童数調査のポイント」
この待機児童問題を解消すべく、国が行っている施策は以下のようなものがあります。
●保育施設の確保
●小規模保育園や企業内保育所など保育の形態を多様化する
●保育士として働いていない潜在保育士の現場復帰
確かに保育施設を増やすことも、保育士を増やすことも非常に重要です。
しかし、一番に注目したいところは、今現場で働いている保育士の処遇改善ではないでしょうか。
一生懸命現場で頑張っている保育士達の処遇を改善し、保育の現場に長く居続けて質の高い保育を子ども達に提供することこそ重要なのです。
以下では、多くの保育士が抱える課題について説明します。
>>>あわせて読みたい「潜在保育士とは?退職や復職しない理由と再就職支援について」
保育士が抱える課題としては、主に以下のような課題が挙げられます。
改善策とあわせて確認してみましょう。
保育士の仕事は、遊びを通して子どもの健全な成長発達を促すことにあります。
同時に、子どもの命を預かる仕事でもあります。
その責任は非常に重く、また業務量の多さからも給与に見合わないと感じ、退職に至る保育士は少なくありません。
<改善策>
給与による離職を食い止めるには、保育士の待遇を改善する必要があるといえます。
この課題は、各保育園によって対応方法が異なります。
例えば、有給休暇の取得の促進や残業の見直し、保育園独自のキャリアアップで給与アップにつなげるなどの方法が行えると良いでしょう。
>>>あわせて読みたい「保育士の収入が上がる?処遇改善手当について分かりやすく解説!」
保育士の仕事は、保育以外にも書類作業や保護者対応など多岐に渡ります。
特に運動会や生活発表会など、大きな行事の前はどうしても仕事が忙しくなりがちです。
そんな業務量の多さから、持ち帰り仕事や残業が発生することは珍しくなく、保育士一人ひとりが抱える負担は計り知れません。
<改善策>
保育士一人ひとりの負担を減らすためには、一人で業務を抱え込むのではなく、保育士全体で協力し合う必要があります。
例えば、特定の分野が得意な保育士がその担当となれば、作業効率も上がり、時間短縮にもつながるでしょう。
また、業務内容の見直しやICTシステムの導入などの対応を行うことで、多少なりとも保育士は働きやすさを感じられるかもしれません。
>>>あわせて読みたい「【保育士の残業問題】原因と残業時間削減のためにできること」
>>>あわせて読みたい「保育士は持ち帰り仕事が当たり前?実態や減らすための対策を紹介」
仕事をするうえで、人間関係のトラブルはどうしてもつきものです。
特に保育士は、子ども以外にも保護者や同僚、上司、地域の方々など関わらなければいけない人がたくさんいます。
職場の雰囲気の悪さや嫌がらせ、保護者や地域の方々からのクレームなどの精神的ストレスから退職に追い込まれるケースは多いようです。
<改善策>
人間関係で悩んでいる場合は、一人で抱え込まずに信頼できる上司に相談するようにしましょう。
相談するだけで気持ちがすっきりしたり、上司が解決策を提案してくれることもあるかもしれません。
また。自分から話しかけられずに人間関係で悩んでいる場合は、自分から積極的にコミュニケーションを取ることも大切。
自己開示することで相手も心を許し、いつの間にか人間関係が良好になっていることもあります。
>>>あわせて読みたい「保育士の人間関係の解決策!人間関係がよい保育園の見つけ方とは」
保護者にはさまざまなタイプの人がいるため、一人ひとりにあった対応が求められます。
中には、些細なことに対して大げさに怒ったり保育士を責め立てたりする、いわゆるモンスターペアレントと呼ばれるタイプも…。
毎日のように寄せられる保護者からのクレームは、「保育士を辞めたい…」と考えてしまう要因の一つでもあります。
<改善策>
保護者対応は、担当の保育士だけに任せるのではなく、主任を含めた副園長・園長と一緒に対応していくことで、その負担を軽減することができるのではないでしょうか。
また、苦情対応マニュアルなどの作成も行い、対応の仕方がバラバラにならないように統一すると良いでしょう。
加えて、ちょっとした行き違いやトラブルを最小限に抑えるためにも、日頃から保護者とのコミュニケーションは欠かさないことが大切です。
>>>あわせて読みたい「保育園で大切な保護者とのコミュニケーション!円滑にする方法」
保育士の休みは基本的に日曜・祝日ですが、ほとんどの行事は土曜・日曜に行われるため、その場合の出勤は免れません。
振替休日が取得できる保育園であれば良いですが、保育士が不足している園では、休みが取りづらいことは珍しくないでしょう。
また、長期休暇や有給休暇が取れないこともあり、気持ちをリフレッシュできないという保育士が多く見受けられます。
<改善策>
保育士のワークライフバランスを確保する方法として、週休3日制度の導入が挙げられます。
休みがきちんと取れることからこの制度を導入する保育園が増えており、家庭や子育てとの両立もしやすくなります。
また、ICTシステムを導入して業務量の負担を軽減することで、残業や持ち帰り仕事を減らすことも有効な方法といえます。
保育園のICT化に対しては、市区町村から補助金の支給が受けられるため、積極的に活用していきたいですね。
>>>あわせて読みたい「保育士はしっかり休みが取れない?保育士の働き方事情を徹底解説」
前述で述べた保育士が抱える課題に共通していることは、保育士が不足しているということです。
保育士不足という大きな課題を解決する糸口として重要なのが、潜在保育士の存在です。
潜在保育士とは、資格を持っているにもかかわらず、保育士として働いていない人のことを指します。
2018年の厚生労働省の調査によると、保育士登録をしている人は約154万人おり、そのうちの約95万人が潜在保育士といわれています。
この潜在保育士が保育士として働くことになれば、現場の保育士の負担はかなり軽減されるでしょう。
保育園としては、保育士として働くことに不安を感じている潜在保育士に向けて、勉強会や体験会などを開催しても良いでしょう。
いずれにせよ、潜在保育士が安心して働くことができる環境を整えてあげることが大切です。
参照:厚生労働省|「保育士の現状と主な取組」
>>>あわせて読みたい「潜在保育士とは?退職や復職しない理由と再就職支援について」
保育士が現場で抱えている課題は、たくさんあります。
保育士不足による待機児童問題も拍車がどんどんかかっていて、今や保育士は子育て支援に欠かせない存在となっているのです。
潜在保育士の発掘と施設の開拓はもちろん大切ですが、子ども達の未来のためにも現場で働いている保育士の声を聞くということも非常に重要。
メンタルケアを怠らず、働きやすい環境作りをするためにはどうすればいいか、保育士全体で話し合う機会を設けても良いかもしれませんね。
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