お役立ち情報
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近年、保育士の人手不足が問題視され続け、国は保育士確保のためにさまざまな取り組みを行っています。待機児童を減らすためにも保育士を確保しなければなりませんが、なぜ保育士の人手不足は収まらないのでしょうか。今回は、人手不足の現状や国の具体的な対策、人手不足が解消されない原因と解決するための方法について解説します。
厚生労働省の「保育分野における人材不足の現状」によると、平成25年の時点で、9割の都道府県が保育士の人手不足に陥っています。
改善策は立てられているものの、現在も保育士不足に変わりはなく、離職する人も多くいます。
以下では、厚生労働省による発表をもとに現状をまとめました。
参照:厚生労働省|「保育分野における人材不足の現状」
保育士資格を持っているにも関わらず、保育士として働くことを希望する人は現状、多くありません。
このように、保育士資格を持っているだけの人を潜在保育士といいます。
2018年の厚生労働省の調査によると、保育士登録をしている人は約154万人おり、そのうちの約95万人が潜在保育士です。
また、保育士資格を活かせる場所は、保育園以外にも多くあり、児童福祉施設や幼稚園などに就職する人もいます。
参照:厚生労働省|「保育士の現状と主な取組」
保育士として働くと、大切な子どもの命を預かることになります。
その責任や事故への恐怖感により、保育士になることに懸念を抱く人が多くいるようです。
また、希望する給料がもらえなかったり、休みが取りにくい環境であることが、保育士としての就業を希望しない理由として上位を占めているのが現状です。
厚生労働省が発表した内容以外にも、保育士が人手不足になっている原因はたくさんあります。
以下では、代表的な4つの原因を挙げます。
保育士は、多くの人が仕事量の割には給料が十分にもらえないと感じています。
それに加えて、子育てや介護との両立をしなければならないとなると、十分な福利厚生がない限りは続けられません。
体力的にもきつく、集団生活を通して感染症などの病気になる可能性もあるため、もっと割の良い仕事を探す方が賢明だと考える人は多くいます。
保育園で行事を実施する場合、通常業務に加えて、その準備をしなければなりません。
準備に膨大な時間を費やすため、体調不良のときでさえ休み辛く、有給は取れない雰囲気もあります。
また、毎日の1時間の休憩時間も暗黙の了解で短縮されることが多いです。
しっかりと休憩さえ取れないと、心身共に疲労が蓄積し、モチベーションを保つことも難しいでしょう。
IT化が進む中、保育士の仕事は、手書きの書類や手作りの物などアナログ作業が多くあります。
温かみがあって良いというメリットもありますが、それによって能率が下がるのも事実です。
そして残業や持ち帰りの仕事が増え、疲労感から、子ども達に最善の保育ができなくなるという悪循環になります。
子どもが可愛くて保育士になったはずが、書類整理に追われる現実に嫌気が差してくることもあるでしょう。
保育士は、長時間子どもの保育をするため、保育士が入れ替わってクラスに入り、多くの保育士と関わることになります。
人間である以上、保育士全員と意気投合するということはありません。
中には、自分の保育観を貫いたり、自分のことはさておき、人にばかり指示をしたりする人もいるでしょう。
そのような人間関係が苦痛になり、退職の原因となるのです。
また、保育士は、保護者との円滑なコミュニケーションが求められます。
保護者もさまざまなタイプがいるため、相手ごとに対応を変えなくてはなりません。
子どもを預かるという重大な責任の元、保護者の悩みや相談に上手く応えていく必要がありますが、それが苦痛になる人もいます。
ここまで問題視されている保育士不足ですが、国も少しずつ取り組みを行っています。
保育士不足という現状は変わってはいませんが、以前よりは働きやすくなっています。
保育士処遇改善は、保育士の人手不足の大きな要因の一つである、給料の低さを改善するための取り組みです。
勤続年数や役職に就くなどの条件をクリアすることで、給料アップが見込めます。
この制度の導入により、保育士の離職率を下げたり、職場への復帰を促進することが期待できます。
>>>あわせて読みたい「保育士の収入が上がる?処遇改善手当について分かりやすく解説!」
以前までは、保育士資格を取得するためには年に1回の国家試験を受け、3年以内に9科目全てをクリアしなければなりませんでした。
加えて、実質3回しか試験を受けられず、全ての科目に合格できなければ、その間にせっかく合格した科目も台無しになってしまうというものでした。
しかし、平成28年から保育士試験の実施回数が年に2回になったことで、受験チャンスが増え、ハードルがかなり下がりました。
これにより、軽い気持ちで一度受けてみようと思う人も増えています。
前述でも述べたように、潜在保育士は約95万人いるのが現状です。
潜在保育士の復帰を促すための支援として、研修を行ったり、就職準備のための資金の貸付を行なったりと、さまざまな復職支援制度が設けられています。
また、行政のみならず各自治体においても復職支援制度が行われているため、ブランクがあっても再就職がしやすく、働きやすい環境作りが行われています。
>>>あわせて読みたい「潜在保育士とは?退職や復職しない理由と再就職支援について」
保育士の日常の業務を減らすために、保育補助者を雇用する取り組みが行われています。
保育補助者は、保育士の資格を持たずとも保育園で働くことができる働き方です。
子育ての経験があれば働きやすく、実際に働いてみて保育士の資格を取るか考えることもできます。
保育士の人数を増やすことにつながらずとも、保育士の負担を大幅に減らすことができ、離職率を下げることにつながります。
>>>あわせて読みたい「保育士は無資格でもなれる?保育補助の仕事内容や資格取得方法!」
ここでは、保育士不足を解消するための効果的な取り組みを3つ紹介します。
平成26年の厚生労働省の調査によると、保育士への就職を希望しない理由として、子育てとの両立が難しいと感じている人は14.9%、休暇が少ない、もしくは取りにくいと感じている人は37%になります。
このことから、保育園では、保育士が働きやすいと感じる環境作りを行う必要があることが分かりますね。
勤務時間の変更に柔軟に対応してもらえたり、子どもの体調不良や行事のために急に休みを取ることも許される環境であれば、長く働き続けることもできるでしょう。
また、休憩時間をしっかりと取れるような、メリハリのある勤務時間にすることは、仕事の効率アップにつながります。
ただし、園全体で取り組める雰囲気を作りあげることが大切です。
参照:厚生労働省|「保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて」
潜在保育士や保育補助者にとって、保育の現場はどんな感じなのか気になるところでしょう。
その園独自のやり方をしている場合もあるため、一から十まできちんと教えて欲しいと感じる人もいるかもしれません。
しかし、いきなり現場復帰すると、保育士はバタバタしているため。ゆっくり教える時間を取ることは難しいです。
そうなると、せっかく保育士として復帰したにも関わらず、業務ができないために孤独を感じてしまうこともあるでしょう。
事前に、座学だけではなく、実技を交えた研修を行うと、現場で働く不安解消につながります。
登降園の管理やさまざまな保育記録、保護者との連絡など、アナログ作業で時間や手間がかかっていると感じる保育士は多くいます。
そこで、ICTを導入することにより、かなりの業務削減につながり、効率よく働くことができます。
また、これまでに行っていた残業や持ち帰り仕事の軽減にもつながるかもしれません。
導入をするのに多少の時間はかかりますが、その後のことを考えるとメリットが大きく、実際に若者はICT導入をスムーズに行える人が多くいることでしょう。
>>>あわせて読みたい「保育業界のICT化とは?ICT化のメリット・デメリットも紹介」
保育士不足を解消するためには、大幅な給料アップが実現すれば良いのですが、そうはいきません。
長く働ける居心地の良い職場にしたり、離職した後でも戻って来やすいような職場環境を整えたりするなど、多面的に改善していく必要があります。
そのためには、保育園全体で取り組んでいくことが大切です。
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