保育士と幼稚園教諭の違いは?どちらが大変かわかりやすく解説

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保育士と幼稚園教諭は、深く関わらない人には同じような仕事に見えるかもしれません。しかし、実際に働いてみると、実はまったく異なる仕事だと感じることがあります。そこで今回は、保育士と幼稚園教諭の違いについて詳しく紹介します。また、就職や転職を考える人にとって参考になるよう、どちらが向いているかの適正についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

保育士と幼稚園教諭の違い

保育士と幼稚園教諭は、働き方が大きく異なる別の職種といえます。
以下では、制度上の違いや、実際に働く中で感じる違いについて紹介します。

制度上の違い

まずはじめに、保育士と幼稚園教諭の制度上の違いを紹介します。

 保育士幼稚園教諭
管轄 厚生労働省 文部科学省
資格 保育士資格 幼稚園教諭免許
対象年齢 0歳〜就学前 3歳〜就学前
目的 保育に欠ける子どもの保育 適切な環境の元で、成長を手助けする
保育時間 8時間 4時間
職員の数 0歳児3人につき1人
1~2歳児6人につき1人
3歳児20人につき1人
4~5歳児30人につき1人
1クラス35人以下を原則として1人

一般の人から見ると、保育士も幼稚園教諭も「子どもと遊ぶ仕事」というイメージがあるかもしれません。

確かにその点は正しいのですが、実際に本業として従事する保育士・幼稚園教諭にとっては、“制度上で異なる職業”なのです。

簡単にいえば、保育士は福祉施設での仕事であり、幼稚園は学校です。

目的も異なります。保育士は、仕事などの理由から育児ができない保護者の子どもを預かります。

一方、幼稚園教諭は、家庭での保育に加えて学ぶ場を提供する、学校の一環としての役割を持ちます。

そのため、幼稚園の保育時間は短いのです。

>>>あわせて読みたい「保育士の配置基準とは?国や地方自治体の違いや計算方法について」

実際に働いてみて感じる違い

制度上の違いだけでは、保育士と幼稚園教諭のどちらが自分に向いているのかよく分かりませんよね。
そこで、実際に働いて感じる違いを紹介します。

保育園

家庭の延長

保育園に通う子ども達は、日中のほとんどの時間を園で過ごします。

おやつ・食事・排泄・睡眠など、日常生活のほとんどを保育園で行うのです。

唯一、家庭では自由が許されても保育園ではルールがあるという点では違いがありますが、子ども達は保育園で生活の基礎を学んでいくといっても過言ではありません。

職員が多い

保育園には0歳〜2歳児がいるため、幼稚園より職員が増えます

また、3歳児以上のクラスでも、保育園はシフト制のため、複数の担任もしくはフリーの先生が必要とされます。

保育園にもよりますが、幼稚園よりは休みが取りやすい傾向があります
 

行事に関わる時間が少ない

職員の数が多いため、自然に行事の準備に関わる時間が減ります

また、未満児のクラスでは行事自体に参加しないことも多くあります。

以上児の行事に未満児の先生が付き添いで参加することもありますが、通常の保育を行う先生も必要なため、頻繁に行事に参加することはありません。

子ども自身でできる幅が広がる

子ども達は保育園で過ごす時間が長いため、設定保育の時間や、日常生活の中での指導が多く行われます。

そのため、子ども達は幼稚園児よりも自立している傾向にあります

未満児から集団生活を送っていることも大きな要因です。繰り返しの指導を行いやすい環境が整っています。

>>>あわせて読みたい「保育士になるには〜資格取得の方法をわかりやすく解説〜」

幼稚園

一人ひとりの負担が大きい

幼稚園教諭は、保育園よりも職員の数が少ないため、一人ひとりの負担が非常に大きくなります。

特に運動会や発表会のような行事の際には、人手が足りずに保護者の協力が必要になることもあるでしょう。

そのため、全職員が園全体のことを把握しておく必要があります
 

子どもや保護者との絆が強い

1クラスを1年間自分一人で担当するため、子どもや保護者とのつながりは非常に強くなります

子どもにとって先生は自分にとって唯一無二の存在であり、先生を選ぶこともありません。

中には、卒園後も成人するまで交流を持つ場合もあります。
 

達成感が強い

クラスの行事をすべて自分一人で考えて指導するため、うまくいかないことも多々あります。

しかしその分、計り知れない達成感が得られます

徐々にクラスがまとまっていく様子や、子どもたちとの信頼関係が築かれていく様子などを実感できるでしょう。 

>>>あわせて読みたい「幼稚園教諭の免許はいつ切れるの?確認と更新を忘れずに!」

保育士・幼稚園教諭に向いている人

就職先を考える際に、保育士と幼稚園教諭の選択に悩むことがあるかもしれません。
また「興味はあるものの働く勇気がない」という人もいるでしょう。
以下では、向き・不向きのヒントとなる内容を紹介します。

保育士に向いている人

複数担任が好きな人

保育園では基本的に複数担任となります。

そのため、複数の視点から物事を捉えたい人や、仕事を分担して行いたいと思う人に向いています。

得意・不得意な作業をクラスの担任同士で分担できるのも、複数担任のメリットです。

柔軟な働き方をしたい人

保育園はシフト制で職員の人数も多いため、勤務時間に融通を利かせたり、比較的休みを取りやすかったりします

また、子育て中の人は、短時間勤務をすることで働きやすくなるでしょう。

ただし、保育園によっては職員が不足しており、休みが取りづらい可能性もあります。

赤ちゃんに癒されたい人

保育士の特権は、なんといっても赤ちゃんと関われることでしょう。

0歳児クラスの担任になれば、毎日とても愛らしい姿を見ることができます。

また、担任にならなくても、教室の前を通るだけでも赤ちゃんの姿を見て癒されることがありますよ。

シフト勤務がいい人

保育園ではパートタイムなどでの固定勤務を選ぶことも可能ですが、ほとんどの場合、シフトがあります。

シフト制だと朝早くて辛いと感じる人もいますが、その分早く帰れて、プライベートを充実させることができます

また、通常勤務終了後では行けない役所や銀行に行くこともできますね。

>>>あわせて読みたい「保育士は適職?保育士に向いている人・向いていない人の特徴」

幼稚園教諭に向いている人

自分のやり方でクラスをまとめたい人

幼稚園教諭は一人担任の場合が多いため、自分のやりたいことが実現できます。

好きな歌を歌ったり、発表会で好きな劇を行ったりするなど、自分の考えを反映させる楽しみがあるのです。

また、元気のあるクラスや落ち着いたクラスなど、自分ならではのクラスカラーを作り上げることもできるでしょう。

クラス内で一つひとつのことを話し合う必要はありませんが、自分自身との向き合い方が重要になります。

経験を積みたい方にもおすすめの仕事といえますね。
 

会話ができる年齢の子どもが好きな人

幼稚園に通う子どもは3歳児以上のため、ある程度の会話ができます。

そのため、自分の話が子ども達に伝わる楽しさを感じることができます

赤ちゃんのお世話よりも、子どもとの会話を楽しみたい人は幼稚園教諭がおすすめです。

子ども達と外遊びで体を動かしたり、室内でゲームを楽しんだりと、存分に交流することができますよ。
 

保護者と密に子どもの成長を楽しみたい人

幼稚園では、1年間保護者と密な関係が続きます。

保育園ほど仕事で忙しい保護者が多くないため、子どものことで保護者と話す機会がたくさんあるからです。

また、保護者は子どもを初めて集団生活に預けているため、不安と楽しみを感じています。

そんな中で、ともに子どもの成長を喜び楽しむことができるのです。
 

ピアノが得意な人

幼稚園教諭にとって、ピアノは必須のスキルといえます。

1クラスを一人で見ながらピアノを演奏することが求められるため、難易度も高くなります。

CDなどの音源使用が認められる幼稚園もありますが、これは稀な例です。

入園式や卒園式では必ずピアノが必要であり、担当が回ってくることもあります。

ピアノが得意な人にとってはよい機会ですが、苦手な人は練習に苦労するかもしれません。

>>>あわせて読みたい「保育教諭の仕事内容とは?保育士との違いや資格の取り方を解説!」
 

まとめ

今回は、保育士と幼稚園教諭の違いについて解説しました。

向き不向きが大きく分かれるため、自分に合った方を見つけることが重要です。

幼稚園教諭はよりハードな仕事内容ですが、後に保育士になった際に「フットワークが軽い」「視野が広い」と評されることもあります。

迷っているのであれば、まずは幼稚園教諭として働きながら経験を積んでおくと、後の道がより楽に感じられるでしょう。

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