お役立ち情報
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近い将来、少子化などにより保育の利用者が減っていくと予想されている保育の2025年問題。今この話題が保育業界で注視されており、保育に携わっている人にとっては今後の動向が気になるのではないでしょうか。今回は、保育の2025年問題によって起こり得ることや、未来に向けてできる対策について解説します。
■目次
そもそも2025年問題は、保育業界に限らず社会全体を取り巻く大きな問題となっています。
その中で“保育の2025年問題”とは、保育業界の視点から考え得る課題を洗い出し、その影響を考えていくものです。
高齢化が急速に進んでいる今、2025年には65歳以上の人口が3,677万人に上り、日本のおよそ3人に1人が高齢者という割合になると予測されています。
それに伴い、医療費や介護費など社会保障費の負担の増加、労働力となる人材の不足など、さまざまな課題が浮き彫りとなっているのです。
現在は、高齢者の割合が増えているのと同時に、子どもの数も減り続けているのが現状です。
2023年4月1日時点での15歳未満の子どもの人口を比べてみると、年齢が低ければ低いほど人数は少なく、0〜5歳の未就学の乳幼児の人口は510万人で総人口の4.1%にあたります。
2025年問題は、高齢化社会への対策と少子化対策の両面から考えていく必要があるのです。
参照:内閣府|令和4年版高齢社会白書
参照:総務省|我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで-
2021年に厚生労働省が発表した資料によれば、2025年に保育園や保育所を利用する子どもの数がピークに達し、それ以降利用者数は減少していくという予測が立てられています。
つまり、需要が供給を下回り、保育園の定員割れや、保育園の合併や閉園という事態が起こり得ると考えられているのです。
これにより、保育施設で働いている保育士だけでなく、これから保育士を目指す人にとっても何らかの影響が出ることは避けられません。
しかし、2025年を境に急に保育園のあり方が変わってしまうわけではありません。
利用者数の減少はとても緩やかで、すぐに保育の需要がなくなることは考えづらいため、必要以上に焦る必要はないといえます。
参考:厚生労働省子ども家庭局保育課|保育を取り巻く状況について
保育の2025年問題の主な要因は少子化であることが分かりましたが、なぜ保育の2025年問題が起きるのか、その原因についてもう少し掘り下げていきましょう。
出生率が低下し少子化が懸念されて以来、国の主導のもと今までにさまざまな対策が練られてきました。
しかし、それでも専門機関の推計よりも早いペースで少子化が進んでいます。
現在の予測では、未就学児の人口は2025年から緩やかに減少するものとされていますが、このままいくとその予測よりも減少幅が大きくなることも考えられ、常に一歩先を見据えた対策が求められます。
数年前には待機児童問題が話題になり、国は2013年から待機児童解消に向けて本格的に保育所等の整備を行なってきました。
以前はとにかく保育園への入所希望が多く、待機児童を解消することが一番の課題となっていました。
しかし現在、2023年4月1日時点での待機児童数は全国で2,680人で、5年連続で最小人数となっています。
依然として待機児童は存在しているものの、保育の受け皿を拡大させたことで確実に待機児童数は減っているようです。
保育園に入れないという問題が解消されつつある今、今後はその逆で保育園の利用者数が減り、保育園が余る時代がやってくると予想されているのです。
>>>あわせて読みたい「保育士不足がもたらす待機児童問題…保育士が働く際の課題とは?」
保育の2025年問題では、具体的に一体どのようなことが起こるのでしょうか。
言うまでもありませんが、子どもがいないと保育園は成り立ちません。
そもそも、保育園の運営費は行政からの補助金で賄われており、その金額は受け入れる子どもの人数によって変わります。
子ども一人当たりの単価は、認定区分(1号認定・2号認定・3号認定)、保育必要量、子どもの年齢、施設の定員などで決められます。
このような補助金の実態から、定員割れを起こしている状態だと運営費が少なくなり、経営が困難になることが予想されるのです。
既に人口の少ない地域では定員割れを起こしている保育園も多くあり、統廃合する園や閉園を余儀なくされる園もあります。
人数が集まらないと保育園の収入が減ってしまうという現在の仕組みが、保育園経営を困難にさせてしまう一つの要因ともいえるでしょう。
先に述べた保育園の運営費の中には、保育士の人件費も含まれています。
運営費の実に7〜8割が人件費に該当するといわれ、規模の大きい園や保育士を多く抱える園では人件費の負担が大きく生じます。
そのため、園の運営を円滑にするために、保育士の給与が減額されたり、賞与がなくなったり、勤続年数を積み重ねても給与が上がりづらくなるなど、保育士の待遇面で何らかの影響が出る恐れが懸念されます。
2025年という時期が保育業界にとって変化をもたらす一つの目安になりそうですが、子どもの人口が減少してからではなく今からできる対策を行っていくことが重要です。
ここでは、保育園側、保育士側の両面からその対策について紹介します。
子どもや保護者から選ばれる保育園になるには、利便性だけでなく独自の取り組みや特色を兼ね備え、ブランド力を持つことが必要不可欠です。
今までの運営方針に囚われないような、ブログやSNSを使った情報発信、ユニークな保育活動、地域のイベント行事への参加など、興味を持ってもらうための取り組みができるとより選ばれやすい保育園になるかもしれません。
保護者に「ここに通わせたい」と思われるためにできることを今から考えていきましょう。
>>>あわせて読みたい「保育園がSNSを使うメリットは?運営のポイントや注意点など」
保育士の質をあげることは、保育園の魅力につながります。
「この園にはとても親身になってくれる保育士さんがいる」という情報だけで、園に対して良い印象をもつ保護者は少なくないでしょう。
保育士の士気が高くなれば、仕事のパフォーマンスが向上し保育環境を良くしていくことができます。
さらに、すぐに退職してしまう保育士も減り雇用の安定にもつながるでしょう。
これは経営側だけでなく、保育士にとってもメリットとなります。
今までは保育士不足が社会問題となっていましたが、今後は保育士の確保よりも、保育士の質をいかに向上させていくかが課題となりそうです。
少子化が進む今、今後もずっと仕事を続けていけるのかと不安になる保育士は少なくないかもしれません。
そんな時は、保育に役立つ資格を取ったり、将来性のある保育園に転職を考えたりしてみてはいかがでしょうか。
医療保育専門士・リトミック指導者・チャイルドコーチングなど、保育士としてスキルアップに役立つ資格はたくさんあります。
さらに、保育園の中でリーダーや役職に就くためのキャリアアップ研修を受けるのも良いでしょう。
また、保育士が活躍できる場所は保育園だけではなく、資格を活かして他の福祉施設に転職することも可能です。
保育の2025年問題に立ち向かうために、自分の今後の働き方について検討してみましょう。
将来性のある保育園へ転職するには、保育士向けの転職エージェントを活用するのもおすすめですよ。
少子化の影響がいよいよ自分のところにも……と考えると、少し身構えてしまいますよね。
しかし、保育園の数が急に減ったり保育の仕事がなくなったりしてしまうわけではありません。
今後しばらくは、女性の就業率の上昇に伴い、保育の需要は高いまま維持されていくものと考えられます。
ぜひ、保育の2025年問題を、保育園や自分の未来について考えるきっかけにしてみてくださいね。
今回は、保育の2025年問題によって起こり得ることや今からできる対策について紹介しました。
これからは、保育園や保育士は選ばれる時代に突入していきます。
子どもや保護者に多様なサポートができるよう、将来に向けて備えていきましょう。
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