お役立ち情報
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毎年定期的にやってくる自己評価に、頭を悩ませる保育士は多いのではないでしょうか。日々の保育や書類書きに追われていると、「自己評価に時間をかけたくない」と思うことでしょう。何度も自己評価を書いていると、似たような内容になってしまったり、過剰に詳細を書きすぎてしまったりするかもしれません。そこで今回は、自己評価や目標設定に対する悩みへの対策や、具体的な例文を紹介します。
■目次
2008年の保育所保育指針により、保育士の自己評価が努力義務とされ、目標設定と併せて行う園が増えています。
日々の保育に追われ、多忙な毎日を過ごす保育士にとって、自己評価を行うねらいとは何でしょうか。
以下では、代表的なものを紹介します。
目標を設定しようとすると、自分の課題が見えてきます。
自己評価を行うことで自身の行いを振り返ることができるため、さらなる目標がわかってくるのです。
保育士は日々の保育に追われて淡々と業務をこなしがちですが、定期的な目標設定と自己評価によって、保育の質を高めることができるでしょう。
入職したばかりや新学期のころは、園の保育方針をしっかりと理解していることが多いでしょう。
しかし、毎日慌ただしく過ごしていると、クラスの雰囲気や自分の流れができあがってしまい、保育園の保育方針を忘れてしまいがちです。
自己評価を通じて保育方針を再確認し、統一することが大切なのです。
子どもへの配慮に、十分ということはありません。
子どもたちの予測できない行動や瞬間的な動きによって、どんなに注意していても思わぬ事故や怪我が発生することがあります。
日々の保育を振り返り、改善や向上に取り組むことで、子どもの安全を守ることができるのです。
自己評価で自身の仕事ぶりを振り返ることにより、反省も出てくるでしょう。
それを踏まえた意欲や仕事への熱意を素直に書くことで、上司が人事評価の参考にできることがあります。
そのため、自己評価は嘘偽りなく、過小評価・過大評価せずに書くことが大切です。
以下では、実際に使える目標設定と自己評価の例文を紹介します。
社会人になって1年目、もしくはその園に入職して1年目の場合は、新しいことばかりで戸惑うことが増えるかもしれません。
この時期には、園のルールや流れをしっかり覚えることが重要な目標となります。
<目標>
・辛いときでも笑顔を忘れずに子どもと接する。
・園のルールと流れを覚え、独り立ちできるようになる。
・分からないことを明確にして、その日のうちに解決する。
<自己評価>
・先輩方に教わりながら、子どもを惹きつける話し方ができた。
・毎月1つ手遊びを習得し、子ども達の前で楽しく実施できた。
・保護者に自ら声をかけ、悩みや不安をていねいに伺うことができた。
>>>あわせて読みたい「現役保育士さんに聞いてみた!1年目でよくある失敗談と解決策」
2~3年目になると、周囲がより見えるようになり、保育に対して少し余裕が出てきます。
この段階では、保育の引き出しを増やしたり、子どもや保護者とより深く関わったりすることを目標にするとよいでしょう。
<目標>
・子どもが興味を持っていることを保育の中で取り入れ、楽しませる。
・子どもの発達を意識した保育計画を取り入れる。
・パネルシアターやエプロンシアターの種類を5つ増やす。
<自己評価>
・保護者にその日の出来事を伝えて、安心してもらうことができた。
・後輩保育士の様子に気を配り、寄り添って相談に乗ることができた。
・ほかの学年の子ども達と積極的に関わることができた。
4〜6年目になると、保護者から信頼してもらえる立場になります。
園全体のことに目を配り、クラスのリーダーとして後輩の指導を行うことを目指しましょう。
<目標>
・クラスのリーダーとして、ほかの保育士の指導やサポートを行う。
・園の行事の際は、準備段階から担当以外のことにも気を配る。
・ほかのクラスとの連携を図り、必要なときにお互いサポートし合える環境を作りあげる。
<自己評価>
・クラスのほかの保育士と週に1回話し合いの場を設けることで、日々の保育の連携が円滑に進んだ。
・研修に参加することで、音楽の知識が増え、運動会で新たなアイデアを取り入れることができた。
・行事前に余裕を持って行動し、残業をせずに取り組むことができた。
7年目以上になると、ミドルリーダーを目指す保育士も増えてくるでしょう。
この段階では、ベテランとして、園全体の質の向上に貢献することを目指しましょう。
<目標>
・新人保育士が安心して一人で保育できるように環境を整える。
・運動会で新たな種目に取り組む。
・スキルアップ研修に参加して主任保育士を目指す。
<自己評価>
・新人保育士への配慮がスムーズに行え、相談を受ける機会が増えた。
・研修に参加したことで視野が広がり、主任保育士を目指す意欲が強くなった。
・週に1回各クラスからの悩み相談を聞く場を設けたことで、園全体の連携をとりやすくなった。
>>>あわせて読みたい「保育士のミドルリーダーの役割とは?仕事内容やなる方法紹介」
>>>あわせて読みたい「【教育の専門家に聞く】保育士の管理職に必要なマネジメントとは」
以下では、目標設定と自己評価を記入する際の代表的な悩みと、その対策を紹介します。
項目ごとに何段階かの評価を行う際、「去年と同じ内容になる」と悩むことがあるでしょう。
例えば「保育士自身が積極的に子どもと関わろうとしていますか」という項目がある場合、「保育士としての義務だから、1番高い評価をつけなければいけない」と思うかもしれません。
しかし、「今年は腰を痛めていたから、補助に回ることがあったな」「今年は初めて受け持つ学年だから、周りの様子を見てから動いていたな」といった理由で、控えめに評価しても構いません。
何より自分の1年を正直に振り返ることに意味があります。
目標設定や自己評価の文章を考えるのは、一苦労ですよね。
時間をかけたくないと思っていても、なかなか筆が進まず、結局何時間もかかってしまう保育士も多いでしょう。
早く終わらせるためには、具体的な数字を入力して、毎年その数字を変えていくのも一つの手です。
また、「1歳児向けの新しい手遊びを3つマスターする」という内容を書き、次の年では手遊びをパネルシアターやほかの遊びに変えるというやり方もよいでしょう。
また、同僚や先輩から日頃言われている言葉を思い出すことも大切です。
自分を客観的に見て伝えてくれた言葉のため、保育の気づきにつながり、目標設定や自己評価の参考になりますよ。
>>>あわせて読みたい「【保育士必見】文章力がアップするコツ!伝わりやすく書くには?」
1番気になるのは、正直に書くと去年よりもマイナスの評価になり、「ボーナスや査定に影響するのでは?」ということかもしれません。
その対策として、日頃から上司とコミュニケーションを取ることが大切です。
実際には自分が気にしている点を上司は気にしていなかったり、別のことを重視していたりするかもしれません。
また、マイナスのことを記入するときでも、プラスな表現で締めくくることを意識してみましょう。
「発表会では裏方の準備がスムーズにできなかったが、全体の流れを把握することができた」や、
「初めて受け持つ子どもへの対応に戸惑い積極的になれなかった面もあったが、先輩方の指導を間近で見ることができ、経験と知識を得ることができた」などと表現するのがよいでしょう。
今回は、自己評価や目標設定に対する悩みへの対策や、具体的な例文について紹介しました。
せっかく目標設定や自己評価に時間をかけるのであれば、その時間を有意義なものにしたいですね。
保育士不足の対策として処遇改善がされつつある昨今、スキルアップを目指すことは非常に意味のあることです。
目標をしっかりと持ち、振り返りを大切にして保育の質を高めましょう。
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