お役立ち情報
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保育園における年間指導計画は、保育士の頭を悩ます仕事の一つではないでしょうか。書く内容も多く、一人ひとり考えなければいけないため、どうしても時間がかかってしまいますよね。また、「どうやって書いたらよいのだろう?」と疑問に思う人もいるでしょう。そこで今回は、年間指導計画をスムーズに書くための手順とポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。
■目次
年間指導計画とは、保育園で毎年4月に作成する指導計画のことです。
保育園によっては、3月に次年度のクラス担任発表を行い、その後すぐに作成する場合もあります。
この計画は、厚生労働省による保育所保育指針に基づいて作成しなくてはいけないため、日頃から意識しておく必要があります。
以下では、年間指導計画を書く目的や内容など、基本的なことを紹介します。
行き当たりばったりで保育をしていると、さまざまな危険が起こる可能性が高まります。
保育士は一年を通じた見通しを持ち、子どもたちがより健やかで安全に成長できるようにしなければいけません。
そのために、年間指導計画を作成するのです。
また、反省を行うことで、今後の保育の質を向上させる一環にもなります。
年間指導計画の書き方は保育園によって異なりますが、基本的な内容は同じです。
一般的な年間指導計画に書く内容としては、以下が挙げられます。
●年間の目標
●ねらい
●年間行事
●子どもの姿
●環境構成
●保育士の援助
年間指導計画の構成は、通常、一年間を4つの期間に分けて書きます。
具体的には、行事を中心に考え、以下の4期に分けられます。
1期 4〜5月
2期 6〜8月
3期 9〜12月
4期 1〜3月
それぞれの期間でのねらいや子どもの姿、環境構成と保育士の援助を考えましょう。
保育園によっては、春休み・夏休み・冬休みを隔てて3期に分けるところもあります。
>>>あわせて読みたい「【文章が苦手な保育士必見】保育日誌の目的は?書き方のコツなど」
年間指導計画を書く際に「難しいな」「時間がかかるな」と思ってしまい、後回しにしたことはありませんか。
要点を押さえればスムーズに書くことができるため、まずは手順を頭に入れて取り組んでみてください。
真っ白な紙に一から記入していくのは、ベテラン保育士でも大変なことです。
まずは、参考になるテンプレートや前年度の年間指導計画書を手元に用意しましょう。
書き始める前に、資料を確認しながら大まかにイメージを持つことが大切です。
子どもの過去や現在の姿から、一年後の様子を想像します。
このとき、子どもの成長についての知識がある程度必要です。
それがない場合は、考えるよりも本やインターネットで情報を収集する方がスムーズでしょう。
年間目標を決める際は、一年間の中で大きく成長するであろう点に焦点を当てると考えやすくなります。
次に、子どもの姿から環境構成と保育士の援助を考えます。
その子が苦手とすることに対して「〜な環境の中で〜な援助をすると成長できるかな」というように考えると、ねらい・環境構成・保育士の援助が書きやすくなりますよ。
例1
年齢/名前 | 子どもの姿 | 年間目標 |
---|---|---|
1歳児Aくん | 前年度1月に入園し、保育園での生活リズムができてきた。 | 保育士と安心して落ち着いた生活を送り、自分のしたい遊びを見つけて存分に楽しむ。 |
例2
年齢/名前 | 子どもの姿 | 年間目標 | 環境構成 | 保育士の援助 |
---|---|---|---|---|
3歳児Bさん | 母親の前ではよく喋るが、保育園に来ると人見知りをして、なかなか言葉が出ないことがある。 | 生活の中で、信頼する友達や保育士に自分の気持ちを伝えてのびのびと過ごす。 | 好きな遊びを見つけられるように、コーナー遊びを充実させる。 | Bさんが何か話したそうにしているときは、ゆっくりと話を聞く姿勢をとる。 友達と関わりを持てるように、状況に応じて保育士も間に入って遊ぶ。 |
>>>あわせて読みたい「保育における環境構成とは?考え方や計画のポイント、書き方など」
年間指導計画を基に週案や日案などを作成し、保育を実践していきます。
子どもは機械ではないため、指導案の通りに進むことはほとんどありません。
危険がない限りは、臨機応変に対応しましょう。
コーナー遊びで用意していた玩具にまったく興味を示さなければ、片付けても構いません。
また、日案と違うことが起こった場合は、その都度子どもの動きと保育士の動き、そして結果を書き残しておきましょう。
それを今後の保育に役立てることで、保育の質も上がります。
>>>あわせて読みたい「コーナー保育とは?子どもがワクワクする環境を作り上げよう」
以下では、年間指導計画をスムーズに書くために押さえておきたいポイントを紹介します。
これらを頭に入れて取り組むことで、より効率的に進めることができるでしょう。
年間指導計画をスムーズに書くためには、子どもたち一人ひとりの個性や特徴を知っておくことが大切です。
そのため、指導計画を書くことを想定しながら、普段から子どもの様子をよく見ておきましょう。
>>>あわせて読みたい「エピソード記録とは?保育士が書くメリットや書き方を紹介」
年間指導計画には多くの項目が存在するため、書けるところから書いていく、最初から順番に書いていくなど、自分のやりやすい書き方で進めていきましょう。
毎回違う書き方をしていると手間取ってしまう場合があるため、ある程度の段階で自分の書き方を確立させるのがおすすめです。
書き方や内容に困ったとき、一人で悩んでいても時間が過ぎていくだけです。
ほかの保育士に相談し、積極的にアドバイスを求めましょう。
言葉の選び方や文章の構成についても頻繁に質問することで、日々の書類作成にも大いに役立てることができますよ。
最後に、年間指導計画を書くときの注意点を紹介します。
年間指導計画を作成するには、子どもの現状やこれまでの成長について把握することが必要です。
前の担当者に話を聞いたり、前年度の記録をしっかりと確認したりしましょう。
好きな遊びや友達との関わり、体の発達などに注意してみるとよいですよ。
>>>あわせて読みたい「保育園のアセスメントシートって何?目的や活用法、書き方を紹介」
「ねらい(ゴール)に向けて、成長させるために○○な環境を用意して、○○な援助をする」というように、一貫した内容を考えましょう。
ねらいだけを考えるより、環境や援助を関連づけて決めていく癖をつけると効率的です。
また、誰が見ても分かるような表現を心がけることも大切です。
年間指導計画は、あくまで予想の内容です。
子どもの成長や興味などについて、記載した内容と大きく変化があった場合は、その都度書き直しましょう。
こうすることで新たなねらいを見つけ、子どもをより健やかに成長させることができるのです。
苦労して書いた書類を訂正することは少し気が重いかもしれませんが、子どもの成長を楽しむ一環として捉えましょう。
>>>あわせて読みたい「【例文あり】保育要録の書き方とポイントは?」
今回は、保育園の年間指導計画をスムーズに書くための手順とポイントについて紹介しました。
年間指導計画は、子どもの成長を予測し、保育士の動きを考えるためのガイドです。
最初は慣れなくて書くのに苦労するかもしれませんが、コツを掴むとスムーズに書けるようになります。
年間指導計画の内容を理解し、日々の子どもたちを注意深く観察することで、保育士のスキルもアップしますよ。
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