お役立ち情報
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保育士の平均年収は、他の仕事と比べて高いのでしょうか。「仕事の割に給与が合わない」「年収が低くて退職した」という声も聞きますが、現状はどうなのでしょうか?今回は、保育士の年収に関する世間の本音や実際の平均年収、年収を上げる方法について解説します。
■目次
日々子ども達の保育を行い、子どもの命を預かる仕事である保育士。
ですが、保育士の年収は、他の業種と比べて低い傾向にあるといわれます。
保育士の平均年収は約383万円です。
全国平均が460万円であることから、全国平均より保育士の平均年収が低いことがわかります。
※賃金構造基本統計調査|政府統計の総合窓口
※令和5年分民間給与実態統計調査結果について│国税庁
以下では、保育士の年収に対する世間の本音を紹介します。
以下では、2020年度の厚生労働省の調査をもとに、保育士の平均年収の現状について紹介します。
年齢別にまとめた保育士の平均年収は、以下の通りです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 3,136,800円 |
25~29歳 | 3,731,700円 |
30~34歳 | 3,791,500円 |
35~39歳 | 3,728,200円 |
40~44歳 | 4,162,900円 |
45~49歳 | 3,797,800円 |
50~54歳 | 4,130,400円 |
55~59歳 | 4,535,700円 |
60~64歳 | 4,369,200円 |
65~69歳 | 4,752,000円 |
70歳~ | 5,747,100円 |
参照:e-stat政府統計の総合窓口|「令和5年賃金構造基本統計調査」
※上記平均年収は、『所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額』で計算
新卒年齢である20〜24歳は、月収に換算すると平均で約22万円となり、そこから社会保険や年金を差し引くと手取りで約18〜19万円となります。
また、基本的に年功序列である保育士の給与は25歳から上がり続け、役職に就くことが多い50〜54歳では平均年収がピークになることが分かります。
定年を迎える60歳以降になると、役職に就かず再雇用という形で働く人もいます。
園長など高い役職に就き、年収が高くなる方もいるようです。
経験年数別にまとめた保育士の平均年収は、以下の通りです。
勤続年数 | 平均年収 |
---|---|
0年 | 2,661,800円 |
1~4年 |
3,458,000円 |
5~9年 |
3,718,700円 |
10~14年 | 3,907,200円 |
15年以上 | 4,637,300円 |
参照:e-stat政府統計の総合窓口|「令和5年賃金構造基本統計調査」
※上記平均年収は、『所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額』で計算
前述で述べた【年齢別】と同様、保育士の給与は年功序列が基本であるため、経験年数が上がるにつれて平均年収も高くなる傾向にあります。
また、経験年数に伴って役職に就くケースも多くなり、保育園によっては手当が支給される場合もあるため、経験年数による差が生まれるのだと考えられます。
「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、全145職種の平均年収の中で、保育士の平均年収は102位という結果でした。
保育士と同じように年収が低いといわれる介護職員や美容師・理容師、看護助手と比較すると、保育士の方が高い傾向にあります。
しかし、現場で活躍している一般の保育士の多くが20〜30代であることから、仕事の割に給与が安いと感じる声は依然として多いのが現状です。
参照:e-stat政府統計の総合窓口|「令和5年賃金構造基本統計調査」
参照:厚生労働省|「保育士の現状と主な取組」
保育士の年収は、公立保育園か私立保育園かによって異なります。
以下では、公立保育園で働く保育士と私立保育園で働く保育士の平均年収の違いについて紹介します。
職種 | 常勤 | 非常勤 |
---|---|---|
園長 | 7,595,000円 | ‐円 |
主任保育士 | 6,740,000円 | 3,090,000円 |
保育士 | 3,637,000円 | 1,954,000円 |
職種 | 常勤 | 非常勤 |
---|---|---|
園長 | 6,790,000円 | 6,433,000円 |
主任保育士 | 5,075,000円 | 4,129,000円 |
保育士 | 3,621,000円 | 2,253,000円 |
参照:厚生労働省|「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」
※いずれも賞与含む。
一般の保育士だけで見ると、公立保育士・私立保育士ともにあまり大きな差はありません。
ですが、園長や主任保育士などの管理職に就くと、私立保育士より公立保育士(常勤)の方が平均年収が高い傾向にあることが分かりますね。
以下では、保育士の年収が割に合わない理由について紹介します。
保育士は、子どもの命を預かる大きな責任を伴う仕事です。
そのため、保育士は子どもの安全に常に配慮し、多くのことに注意を払う必要があります。
例えば、子どもの怪我や体調不良、誤飲や保育設備の事故など…
どんなに些細なことであっても、子どもに危険が及ぶ可能性があるものにおいては気を配り、排除しなければなりません。
保育士の中には、そんなプレッシャーからストレスを感じてしまう人がいるのも実情です。
保育士の仕事は、子どもを保育する以外に、書類作業や保護者対応、園内整備など多岐に渡ります。
就業時間内に業務が終わらなければ、残業をしたり家に仕事を持ち帰ったりすることも珍しくありません。
仕事量が多く、なかなかプライベートの時間を確保できないことから、年収が割に合わないと感じる保育士は多いようです。
保育士は、”体力勝負”ということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
いつも笑顔で楽しそうに働いているイメージがある保育士ですが、実際は、子どもをおんぶ・抱っこしたり、園庭で元気いっぱいな子ども達と走り回ったり、保育園行事の準備で重い荷物を運んだりと、非常に体力を使います。
中には、腰や膝を痛めてしまう保育士も多く、それが原因で退職に至るケースは少なくありません。
保育士の基本的な労働時間は、8〜9時間です。
ですが、前述でも述べたように残業や持ち帰り仕事になることは珍しくなく、毎日2〜3時間程、労働時間が長くなってしまう保育士もいます。
また、休憩時間においては、通常45分〜1時間取ることができますが、仕事に追われるあまり十分に取れない保育士もいるのが現状です。
保育士の年収が今後どうなるのか、直近4年の年収推移をもとに見ていきましょう。
●2023年 約389万円
●2022年 約384万円
●2021年 約375万円
●2020年 約369万円
※いずれも賞与含む上記から見て分かるように、ここ数年増加傾向にあることが分かります。
賞与においても、直近4年は70万円台に入っており、いずれも増加傾向にあります。
この背景には、保育士不足を食い止めるために国が取り組んでいる待遇改善があり、その兆しが見て取れるでしょう。
今後も保育士の待遇改善に期待できそうです。
参照:e-stat政府統計の総合窓口|「令和5年賃金構造基本統計調査」
参照:e-stat政府統計の総合窓口|「令和4年賃金構造基本統計調査」
参照:e-stat政府統計の総合窓口|「令和3年賃金構造基本統計調査」
参照:e-stat政府統計の総合窓口|「令和2年賃金構造基本統計調査」
以下では、保育士の年収を自分で上げる方法について紹介します。
保育園によって異なりますが、保育に役立つ資格を取得していると、資格手当を支給してくれるところもあります。
また、転職においても有利になるため、場合によっては今よりも待遇が良く、給与アップできる保育園に勤めることができるかもしれません。
ただし、保育園によっては、資格手当の対象となる資格が決められている場合もあるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
>>>あわせて読みたい「保育士資格を活かしたい!保育園以外の仕事はどんなものがある?」
処遇改善制度とは、保育士の「給与が低い」「キャリアパスが描きにくい」といった問題を改善すべく導入された制度です。
一定の条件を満たすことで、処遇改善手当が給与に加算されます。
また、キャリアアップが図れる研修もあるため、専門知識を身につけつつ、昇給の機会を得ることができます。
>>>あわせて読みたい「保育士の収入が上がる?処遇改善手当について分かりやすく解説!」
>>>あわせて読みたい「保育士のキャリアアップ研修とは?仕組みや研修内容について」
現在働いている職場での給与アップが難しい場合は、転職を検討することも方法の一つです。
私立保育園であれば、働く保育士を大切にしてくれる職場環境でありながら、給与が高いところもあります。
公立保育園の場合、異なる保育園であっても給与に大きな差はないため、公立保育園から公立保育園への給与アップは見込めないといえます。
ですが、都心部は地方の保育園よりも給与が比較的高い傾向にあるため、働く地域を変えれば給与アップの可能性が高くなるでしょう。
加えて、公立保育園は、福利厚生が充実しているため、通勤手当や住宅手当による給与アップも期待できます。
もちろん、私立保育園にも福利厚生が安定しているところがあるため、給与面だけでなく、福利厚生面にも着目して転職活動を進めてみると良いかもしれません。
転職をお考えの方は、『保育求人ラボ』での園探しがおすすめです。
登録者限定の非公開求人を多く扱っているため、希望の条件での転職が叶いますよ。
今回は、保育士の年収について解説しました。
保育士の年収は、他の業種と比較しても低い傾向にあり、仕事の割に合わないと感じる保育士は少なくありません。
実際に年収の低さから、保育士の道を諦めたり、退職に至るケースがあることも事実です。
ですが、資格を取得したり、制度を活用したりすることで給与アップにつながることもあるため、ぜひ検討してみてくださいね。
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