慣らし保育って何?スケジュールや目的・進め方について解説!

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保育士は慣らし保育に関わることがたくさんあるため、スケジュールの組み方に悩むことも少なくないでしょう。保育士は慣らし保育を当たり前のように行なっているかもしれませんが、初めて登園する子どもや保護者は不安でいっぱいです。また、慣らし保育は保護者や子どもだけでなく、保育士にとっても大切な機会です。そこで今回は、慣らし保育のスケジュールや、スムーズに行うための注意点を紹介します。

慣らし保育の目的とは

保育園で子どもを預かる際には、まず最初に慣らし保育を行います。
園によってやり方はさまざまですが、その目的は同じです。

以下では、子ども・保護者・保育士それぞれの立場での目的について解説します。

子どもが環境に慣れる

まだ生後間もない赤ちゃんが、ようやくお家での生活に慣れてきたと思ったら、次は保育園という新しい場へ行くことになります。

知らない場所で知らない人と関わるだけでなく、大好きなお母さんやお父さんから離れて過ごさなくてはいけません。

こうした状況を考慮し、保育園がどんな環境なのかを少しずつ知り、楽しく遊んだり、安心してご飯を食べたり、ぐっすり眠ったりできるようにサポートするのが慣らし保育です。

保護者が子どもを預けることに慣れる

保護者は仕事などの都合で、自分の子どもを預けなくてはいけません。

わが子を預けても大丈夫なのか、送り迎えや保育準備などを仕事と両立できるのかなど、不安が生じることでしょう。

保護者も少しずつ自分のリズムを作りながら、仕事への復帰へと向かっていくのです。

保護者が新しい生活に適応していくためにも、慣らし保育は有効なのです。

保育士が子どもと保護者の受け入れ体制を整える

大切なお子様をお預かりするには、細かな気配りが必要です。

保護者と子どもの不安を少しでも減らし、スムーズな受け入れを実現するために、慣らし保育でコミュニケーションをしっかりと行うことが必要です。

また、保護者と子どもの関わり方をよく見て、保育園でも行えるアプローチを見つけることで、子どもが安心できる保育を実施しやすくなります

>>>あわせて読みたい「保育士の慣らし保育のポイントを解説!子供の接し方や保護者対応」

慣らし保育のスケジュール例

慣らし保育のスケジュールは、保育園によってさまざまです。
子どものぐずりが強ければ短い時間だけ預かったり、早めにお迎えに来てもらったりして、少しずつ慣らしていきます。
また、保護者の仕事復帰のタイミングに合わせて調整するケースもあります。

以下では、慣らし保育の一般的なスケジュールの一例を紹介します。

【0歳児】1週間〜1ヶ月程度

0歳児の慣らし保育は、特に慎重に行います。

赤ちゃんは睡眠やミルク、食事が主な活動となるため、保育園で順調に過ごせない場合でも、ゆっくりと時間をかけて段階的に進めます

この過程は最大1ヶ月程度です。

まずは保護者が保育園で眠らせたり、食事を与えたりして、環境に慣れさせていきます。

 時間内容
1日目 9:00~10:00 保護者と一緒に遊んだり、おやつを食べたりする。
2日目 9:00~12:00 保護者と少し遊び、寝かしつけ、一旦帰宅する。
給食時間に戻ってきて、子どもに給食を食べさせる。
3日目 9:00~15:00 登園後、保護者はそのまま帰宅しておやつの時間にお迎えにくる。
4日目以降 9:00~17:00頃 登園からお迎えの時間まで通しで過ごす。

赤ちゃんの様子を見て、少しずつ保育園に慣らしていきます。

食事や睡眠ができない場合は、家で使っているものを持ってきてもらったり、できるようになるまで慣らし保育の時間をかけたりします。

>>>あわせて読みたい「【0歳児クラスの担任になったら】0歳児保育のポイントを紹介」

【1歳児】1週間〜1ヶ月程度

1歳児は徐々に物事を理解し始め、特にお母さんを必要とする時期でもあるため、子どもによって慣れるまでの時間には大きな差があります

慣らし保育が順調に進んだとしても、1ヶ月後には大泣きすることもあるかもしれません。

最初は本能的に保育園に来たものの、次第に日常との違いに気づいてくるのです。

こうした場合には、可能であれば早めにお迎えに来てもらいます。

 時間内容
1日目 9:00~10:00 登園後、自由遊びを楽しみ、保育士とおやつを食べてからお迎えに来てもらう。
2日目 9:00~12:00 登園後、給食まで食べてからお迎えに来てもらう。
3日目 9:00~15:00 お昼寝ができたら、おやつを食べてお迎えにきてもらう。
4日以降 9:00~17:00頃 登園からお迎えの時間まで通しで過ごす。

1歳児の慣らし保育の目標は、機嫌よく過ごすことです。

保育士と一緒に遊べるようになっても、おやつや給食を無理に食べさせようとすると泣く子どももいます。

また、お昼寝を激しく嫌がる子どももいます。

子どもの中で少しずつ理解を深めている段階のため、子どもが食べられる方法や眠れる方法を見つけながら、少しずつ環境に慣らしていきましょう。

>>>あわせて読みたい「【1歳児クラスの担任になったら】1歳児保育のポイントを紹介」

【2歳児】1週間〜2週間程度

2歳児は、保護者や保育士の話を理解する能力が増すため、慣らし保育の期間は0歳~1歳児よりも比較的短い期間になることが多いです。

また、入園以前に集団行動や友達と遊ぶことに慣れている子どもも、慣らし保育の期間を短縮できます。

 時間内容
1日目 9:00~12:00 登園後、自由遊びや設定保育を一緒に行い、給食を食べる。
2日目以降 9:00~ 登園後、可能であればお昼寝をして、おやつを食べる。
その後は様子を見て、保護者のお迎えの時間に合わせる。

>>>あわせて読みたい「【2歳児クラスの担任になったら】2歳児保育のポイントを紹介」

【3歳/4歳/5歳】基本的に慣らし保育はしない

3歳児以上になると基本的には慣らし保育は行わず、初日から通常の時間で預かります。

ただし、ご飯を食べられずに泣き続ける場合などは、保護者に連絡してお迎えに来てもらうことがあります。

3歳児以上の子どもが保育園に慣れるためには、保育士との関わりはもちろん、友だちとの関わりも大切です。 

>>>あわせて読みたい「保育士にとって何歳児が大変?年齢別に対応のポイントを解説」

慣らし保育の際に保護者に勧めること

慣らし保育は、保護者や子どもの不安を少しでも解消することが目的です。
以下では、スムーズに保育園に慣れるために保護者に伝えるべきポイントを紹介します。

笑顔で見送る

子どもが泣いて登園する姿を見ると、保護者が預けることをためらうことがあります。

しかしその一方で、子どもは自分が泣けば何とかしてもらえると思ってしまいます

また、子どもを保育士に受け渡すときにぐずる時間が長くなればなるほど、保育室で泣く時間も長くなる傾向があります。

保護者が「保育園は楽しいからね、いってらっしゃい」と笑顔で見送ると、子どももそのうち保育園に慣れるのです。

できる限りゆっくり過ごす

子どもは、新しい環境で普段よりも疲れやすくなります

家に帰ると、保育園で頑張った分、いつもよりもよく寝たり、わがままな態度を見せるかもしれません。

慣らし保育の登園後や休日はできるだけ予定を入れずに、ゆっくりと過ごせる時間を確保することをおすすめしましょう。

仕事復帰後のシミュレーションをする

仕事復帰後は、おじいちゃんやおばあちゃんがお迎えに来る予定の家庭もあります。

その場合は、慣らし保育の段階でも、お迎え担当の方に来てもらしましょう

保護者の職場復帰と同時におじいちゃんやおばあちゃんのお迎えになってしまうと、子どもがぐずってしまう可能性があります。

登園後の持ち物の整理整頓なども事前に伝え、慣らし保育のときから練習していただくとスムーズに進みます

仕事復帰後も休める体制を作る

仕事復帰後の保護者は、どうしても忙しくてバタバタしてしまいます。

しかし、慣らし保育が終わると、子どもが体調を崩すことがしばしばあります。

可能であれば、仕事復帰までの時間を調整したり、柔軟に休みが取れる体制を整えることを検討してもらいましょう。

身の回りのことは自分でさせる

3歳児以上になると、身の回りのことを自分ですることが求められます。

しかし、家庭で保護者が何でもしてあげていると、保育園でも一人で作業ができずに、登園を嫌がることがあります。

家庭でも制服やパジャマの着脱、鞄の片付けなどは、日頃から自分一人でできるように練習してもらいましょう

>>>あわせて読みたい「保育園で大切な保護者とのコミュニケーション!円滑にする方法」

まとめ

今回は、慣らし保育のスケジュールについて解説しました。

慣らし保育では、子どもだけでなく、保護者も不安な気持ちを抱えています。

そんな保護者とのコミュニケーションを大切にすることは、その後の園生活においても重要な影響を与えます。

慣らし保育が終わると、子どもの成長とともにさまざまな悩みが出てくることでしょう。

子どもとの信頼関係はもちろんのこと、保護者との関係も大切にし、不安が少しでも解消できるように配慮することが大切なのです。

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