お役立ち情報
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保育園に発達障がいの子どもがいる場合、保育士はどのような対応を取るべきなのでしょうか。保育園において、ほかの子とは違った気になる行動を示す子どもがいる場合、発達障がいを疑うことがあります。発達障がいについてはある程度勉強しているものの、具体的な対応について不安を感じる保育士もいるでしょう。そこで今回は、発達障がいを持つ子どもの特徴と、それに対応するための保育園でのアプローチについて解説します。
■目次
発達障がいとは、脳機能の発達に偏りが生じることで起こる障がいのことです。
社会生活を送る上で困難を感じることが多く、さまざまな場面で活動に支障をきたしてしまうという特徴があります。
保育園や学校などの集団生活ではその特徴が表れやすいため、発達障がいの発見につながるケースが少なくありません。
発達障がいにはいくつか種類がありますが、いずれも生まれつきの特性であり、育つ環境などによって引き起こされるものではないということを覚えておきましょう。
また、発達障がいは病気ではないため、幼児期は薬などで治すのではなく、その子に合った療育支援で社会生活がしやすくなるように対応していきます。
>>>あわせて読みたい「【保育士なら知っておきたい】発達障害の特徴や保育について」
保育園には「変わっている子」「いつも落ち着きのない子」「ちょっとみんなとは違う子」という印象を持たれる子どもが一定数存在します。
保育士の気づきから、子どもに発達障がいがあると判明することもあるでしょう。
しかし、このような特性を“性格や個性”と捉えるのか、“発達障がい”と疑うのかは非常にデリケートな問題です。
保育士にとって発達障がいは比較的身近な話題ですが、保護者にとってはそうではありません。
保育士だけの視点から判断し、保護者に余計な不安を与えてしまうことは避けなければなりません。
「もしかして発達障がいかも……」と思ったら、子どもに寄り添いながら、まずは園全体で対応策を探っていくことが求められます。
発達障がいについての正しい知識を身につけ、療育につなげるためにできることを考えましょう。
>>>あわせて読みたい「お迎え時の保護者と保育士の会話は大切!会話のポイントなどは?」
発達障がいは、大きく3つのタイプに分けられます。
コミュニケーションが困難なASD(自閉スペクトラム症)、落ち着きがなく注意力が乏しいADHD(注意欠如・多動症)、読み書きや計算などがうまくできないLD/SLD(学習障がい)があり、1つだけ当てはまる子もいれば、複数を併せ持つ子もいます。
ここからは、一つずつその主な特性について解説します。
自閉症として知られるASDは、さまざまな活動をこなすのが難しく、興味や関心に偏りが出る発達障がいです。
具体的な特徴としては、以下が挙げられます。
・目が合いにくい
・あまり笑わない
・表情が乏しい
・人と接することが苦手
・こだわりが強い
対人関係の構築が苦手で、友達と一緒に何かをすることが難しく、周囲の理解を得られないことも少なくありません。
こうした課題が重なり、精神的にストレスが溜まると、うつ症状や自傷行為といった二次障がいを引き起こしてしまうことがあります。
ADHDには、不注意・多動性・衝動性の3つの行動の特性があります。
<不注意の症状>
・集中することができない
・話を聞いていない
・忘れっぽい
・一つの活動をやり遂げることが難しい
<多動性・衝動性の症状>
・じっとしていられない
・落ち着きがない
・順番を待てない
・人の邪魔をしようとする
これらはADHDの特徴です。
また、他人の感情をうまく理解することができず、話の流れや雰囲気を読んで発言することも苦手なため、人とのコミュニケーションを困難に感じます。
また、ADHDの症状は子どもによって異なり、必ずしも全てが当てはまるわけではありません。
>>>あわせて読みたい「保育士が知っておくべき子どものADHD!その特徴や接し方は?」
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LDは、知的発達に遅れは見られないものの、読み書きや推論などの学習において苦手さを示す発達障がいです。
おおよそ平均的な学力を持っていますが、特定の領域でのみ課題を抱えることから、近年ではSLD(限局性学習症)とも呼ばれるようになりました。
学習障がいは、文字や数字に興味を持ち始める幼児期に症状が確認される場合もありますが、小学校入学後に診断されることがほとんどです。
学習障がいは、大きく3つに分類されます。
<読字障がい>
・音読が遅く時間がかかる
・よく読み間違える
<書字障がい>
・整った文字を書くことできない
・考えを文字に起こすのが難しい
<算数障がい>
・数字の並びや規則性が理解できない
・文章問題が苦手
知的障がいではないため“文字が読めない”というわけではなく、読むのが極端に遅い、文字が逆さまに見える、文字の形を認識するのが難しいといったことが起こります。
このような症状はほんの一例で個人差があり、いずれも本人にはやる気があり真面目に取り組んでいるにも関わらず、思ったようにできないことで苦しみ、学習意欲を低下させる原因となることがあります。
発達障がいが疑われる子どもには、どのように対応していったらよいのでしょうか。
発達障がいは完治を目指すのではなく、適切な療育教育を通じて、子どもが感じている悩みや生きづらさを減らしていくものです。
支援は早ければ早いほど効果があるとされているため、日頃のさまざまな気づきから発見につなげることが大切です。
保育士は子どもの気になる行動を見逃さず、一人ひとりに合った接し方で保育していくことが求められます。
>>>あわせて読みたい「【保育士必見】療育とは?やりがいや必要な資格についても紹介!」
まずは、発達障がいの疑いがある子どもをよく観察してみましょう。
ふざけていたり、やる気がないように見えたりしても、その行動の背後にある理由や子どもの悩みに焦点を当てることで、原因が見えてくるかもしれません。
発達障がいの子どもは他人と比較されやすいため、できないことが自然と目立ってしまいがちです。
保育士は子どもの得意なことと不得意なことを事前に把握し、できたときにはたくさん褒めることで、子どもが自信を持てるように手助けしましょう。
できないことに目を向けるよりも、その子が持つ能力を伸ばせるようなサポートができるとよいですね。
発達障がいには「一つのことに集中できない」「周りの状況を把握することが難しい」「計画を立てることが苦手」などの症状もあることから、ほかの子よりも保育活動に時間がかかる傾向があります。
しかし、行動を急かしたり批判したりすることは逆効果です。
子どもの自尊心を低下させないためにも、子どものペースを大切にし、見守りましょう。
>>>あわせて読みたい「障がい児保育とは?障がい児との関わり方と行う上でのポイント」
保護者に保育園での様子を伝えたり、家庭での様子を聞いたりして、こまめに情報共有することを心がけましょう。
家庭での過ごし方や出来事を把握しておくことは、適切な援助を選択する際のヒントになることがあります。
また、保育士が保護者にとって相談しやすい存在となるように、信頼関係を築くことも非常に重要です。
その子に合った対応を一緒に考えていくためにも、フォローできる体制を整えておきましょう。
>>>あわせて読みたい「保育園の保護者との個人面談のコツ!進め方のポイントって?」
今回は、保育園に発達障がいが疑われる子どもがいた際の対応方法や、接し方について紹介しました。
近年、発達障がいの子どもは増加傾向にあるといわれており、保育士としても発達障がいについて詳しい知識を身につけておくことは必須です。
一人ひとりの特性に配慮しつつ、前向きな支援を行っていきましょう。
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