お役立ち情報
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保育における子どもの探索活動について、ご存知でしょうか?探索活動とは、乳幼児が初めて出会うものに対して興味や関心を示し、対象物について知ろうとする行動のこと。保育士として、適切な援助の方法や子どもにどのような特徴が見られるのか悩む方もいることでしょう。今回は、保育における子どもの探索活動について、具体的な子どもの行動や援助の方法を紹介します。
■目次
探索活動とは、子どもが目に映ったものや聞こえたことなどに対して強い好奇心を抱き、触れたり、関わったりしようとする行動のことです。
この行動は、ハイハイや歩くといった自分の意志で身体を動かせるようになる生後6ヶ月頃から活発になります。
乳幼児期に探索活動を十分に経験すると、「なぜ?」「どうして?」と物事に主体的に関わっていく力が養われます。
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厚生労働省の『保育所保育指針』には、子どもの探索活動について以下のような記載があります。
●伸び伸びと体を動かし、はう、歩くなどの運動をしようとする
●身の回りのものに親しみ、様々なものに興味や関心をもつ
●見る、触れる、探索するなど、身近な環境に自分から関わろうとする
引用:厚生労働省|「保育所保育指針解説」子どもは、身体の発達によって視野が広がっていくとともに、周囲の環境への関心が強くなります。
そして、興味を持った対象物に対して、手を伸ばす・はう・歩くといったように身体を動かして触れようとするのです。
このように探索活動の時期は、精神的・身体的の両方の観点から重要な発達段階であるといえます。
保育における子どもの具体的な探索活動では、主に2つの行動が見られます。
以下では、それぞれの具体的な行動内容を紹介します。
指差し行動とは、興味を持った対象物に対して人差し指を向ける行動のこと。
「触りたい」「知りたい」という好奇心が元となり、この行動に表れます。
具体的には、以下のような指差し行動が見られます。
●何かを指差ししながら「アーアー」「ウー」などの喃語を伴って伝えようとする
●絵本のページをめくるごとに絵を指差しする
●「玩具を取ってほしい」「○○が食べたい」などの要求の指差しをする
…など子どもの発信に対して応答的に関わることで、子どもは人に伝える楽しさを感じ、より盛んに指差しを行うようになります。
気持ちに寄り添った関わりによって、愛着関係の形成につながります。
また、この時期は、子どもが指差しを行った対象物に対して「ブーブーだね」「ワンワンがいるね」などと言葉にして応えることが大切です。
そうすることで、子どもは物には名前があるということを知り、言葉に触れるきっかけにもなります。
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確認行動とは、興味を持った対象物を見つめる・触わる・口に入れるなどといった行動のこと。
身体の発達により、行動範囲が広がるとより活発に行います。
具体的には、以下のような確認行動が見られます。
●ティッシュを次々に引っぱり出す
●本棚の本を全て出す
●落ちているものを口に入れる
…など特に乳児は、手指の感覚が未発達で、口のほうが刺激を感じやすいです。
そのため何でも口に入れたり、なめたりして認識しようとします。
一見困った行動に見えることも、子どもにとっては学びの一歩であることが多いのです。
さらに興味を持ったものに対して、はう・歩くといったように自ら動いて働きかけようとする過程で、身体を動かす楽しさ、心地よさを感じていきます。
それによってどんどん身体を動かすようになり、身体の使い方が巧みになったり、体幹が鍛えられたりと身体的な発達が期待できます。
保育における探索活動のねらいは、以下の点が挙げられます。
●座る・はう・歩くといった身体の動きを経験しつつ、探索活動を楽しむ
●探索活動を通して、さまざまな物事に興味や関心を持つ
●探索活動を通して、視覚や聴覚、触覚などの五感を養う
乳児期から始まる探索活動は、身体全体を十分に動かしながら五感に働きかけ、感性を養うことに役立ちます。
一見すると試し行動のような、保育士を困らせてしまう行動をすることがあるかもしれません。
ですが、その行動は、自分の力で周囲の環境や物事を知ろうとするための大切な行動です。
そのため、子どもの行動の意図が分からなくても、子どもと一緒に楽しむことが大切なのです。
以下では、子どもが探索活動をのびのびと行えるよう、保育士による適切な援助の方法を紹介します。
同じ年齢・同じ月齢の子どもでも、発達の個人差は大きく、それぞれ興味や関心をもつ対象物は異なるでしょう。
子どもの探索活動は、「知りたい」「触ってみたい」という好奇心が原動力になっています。
そのため、個々の経験や発達を十分に理解した上で、好奇心を満たす玩具を用意することが大切です。
その際、色や形、感触、大きさなど、さまざまな性質を持った玩具が良いでしょう。
視覚や聴覚など五感に働きかけることで、感性を育てることにもつながります。
子どもがハイハイや伝い歩きなどで、自由に動き回れる環境を用意することが大切です。
動き回れる広いスペースの確保や、ぶつかると危険な角を無くすこと、子どもの手が届く場所には小さなものを置かないことなど、さまざまな視点から環境設定を行うことが求められます。
また、周りの大人の人的環境も大切です。
子どもが探索活動をしているときには、決して目を離さず、危険な時はすぐに手を差し伸べられるよう、常に死角にならない位置で見守る必要があります。
さらに、衣服のボタンやヘアピン、アクセサリーなどの小さいものや鋭利なものは誤飲や子どもを傷つける恐れがあるため、身につけないようにしましょう。
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探索活動においては、子どもと物との関わりを肯定的に捉え、気持ちに寄り添った言葉かけが大切です。
子どもが注視したり、指差ししたり、手に取ったものに対して「〇〇だね」「おもしろいね」と応答的に応えることを心掛けましょう。
そうすることで、子どもは「自分の思いを伝えたい」「表現したいという」気持ちが強くなります。
探索活動は、親しみを持った大人との信頼関係を基盤にして行われます。
保育士との良い関係性が構築されていると、子どもは大人に見守られる中で安心して探索活動に励むことができます。
また、危険な行動に関しては、「熱いから触らないでおこうね」「ゆっくり歩こうね」などといった具体的な声かけや制止をすることがポイントです。
すぐに理解することは難しくても繰り返し伝えることで、子ども自身が「これは危険なんだ」「してはいけないな」とダメな理由と危険な行動であることに気づいていくのです。
子どもの活動と意欲を最大限に引き出すことができるように、個々の興味関心や発達段階を理解することが大切です。
大人から見ると困った行動も、子どもにとっては大きな学びの一つ。
温かく見守る姿勢を持ち、関わっていきたいですね。
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